ミキハウス子育て総研がお届けする育児・子育て支援サイト【ハッピー・ノート.com】。 Q&A、リサーチ、専門家のコラムなど子育てファミリーの暮らしに役立つ情報満載!

育児・子育て支援サイト ハッピー・ノート.com
ハッピー・ノートドットコムとは RSSフィード メルマガ登録
  • ウェルカムベビーの結婚式場
  • ウェルカムベビーのお宿

子どもの事故は予防できる

事故・ケガ 子どもの病気 教えて!ドクター

(2006年 春号 掲載)

親の責任

子どもの事故について考えてみましょう。

子どもが事故に遭遇すると、真っ先に指摘されるのは「子どもの事故は親の責任」という言葉です。あるいは「親の不注意」ともいわれます。しかし、事故を予防するために、その言葉は役に立つでしょうか?

私は毎日、子どものやけど、誤飲、転落、切り傷などを診ています。親は十分に気をつけていたのです。全責任を負っていても、残念ながら事故は発生するのです。まずはじめに、「親の責任」と指摘しても何も問題は解決しないということを認識する必要があります。

私だったらそんなことはしない

事故のために医療機関にかかる、あるいは入院したという話を聞くと、あるお母さんは「私だったらそんなことは絶対にしない」とおっしゃいます。しかし、たまたま電話に出ているすきに、子どもが浴室に入って、水がたまっている浴槽に転落して溺死するのです。

1〜4歳の年齢層では、二人に一人が一年に一回は医療機関を受診する事故に遭遇しています。「まさかうちの子に限って」ということで事故は予防できません。

労働現場の事故は

働いていらっしゃる方なら、労働現場で起こった事故にどのように対応しているかご存知のことと思います。仕事場で「ここから先に入ってはいけません」という標識があるにもかかわらず、ちょっと近道をするためにバーを乗り越えたところ転倒し、骨折したとします。こういう事故が起こると、すぐに職場の安全衛生委員会が招集され、事故の発生状況を詳しく調査し、決まった書式に経緯を記して監督部門に報告し、解決策を検討して、すぐに実施するのではありませんか?

たとえ本人の不注意であっても、本人の責任は一切問われず、すべて環境の問題として解決策を講じているはずです。手続きが面倒と、職場で起こった事故を自宅で起こったことと偽って処理することに対し、厚生労働省は「労災かくしは犯罪」というポスターまで配っているのです。

会社の労災の担当者にはお子さんも、年老いた親もいるはずです。労働現場でできることが、なぜ、子どもや老人ではできないのでしょうか?

継続的に事故の情報収集を

大きな事故が起これば、管理者側は深々と頭を下げて「二度とこのような事故が起こらないよう厳重に対処したい」といいます。大きな被害を受けた子どもの保護者は「二度とこのような悲しい事故を起こして欲しくない」といいます。しかし、具体的に何をしたらいいかがわからず、結局何もしないので、また同じ事故が起こってしまうのです。

重症の事故が集まる医療機関を定点にして、事故の情報を継続的に集める事故サーベイランスシステムを一刻も早く構築することが事故予防の早道なのです。

山中龍宏先生

1947年生まれ。1974年東京大学医学部卒業。東大医学部小児科講師、焼津市立総合病院小児科科長、こどもの城小児保健部部長を経て、 1999年4月から緑園こどもクリニック(横浜市泉区)院長。日本小児科学会小児事故対策委員会委員、「Injury Prevention」(小児事故防止の国際誌)編集委員などを歴任。

山中龍宏

この記事に投票しよう


この記事のみんなの評価

2

2

0

この記事にコメントしよう

コメントを見る


注目TOPICS

事故・ケガの関連ドクターコラム

ココもみてね!ココもみてね!

  • ウェルカムベビーの結婚式場
  • ウェルカムベビーのお宿
Happy-Note
Happy-Note 2024特別増刊号
Happy-Note For マタニティ
Happy-Note For mum

注目トピックス

Weeklyゴーゴーリサーチ ★投票受付中★

今週の投票

どうする・どうした初節句のお祝い
抽選で5名様に『図書カード500円分』をプレゼント。
投票する
今週のプレゼント
ミキハウス子育て総研の認定評価事業
  • 「子育てにやさしい住まいと環境」子育て支援のマンションと住宅
  • 小学生に贈りたい住まいと環境
  • 「ウェルカム“子育て・シニア”共生住宅」シニアとの多世代共生型住宅
  • ウェルカムファミリーの子育てスマートホーム
  • 「ウェルカムファミリーの自治体」安心して移住できる地域を選定
  • 「ウェルカムベビーのお宿」赤ちゃん連れ安心!認定の宿泊施設
  • 「Child-friendly HOTEL for travelers」お子さま連れ訪日外国人にオススメの宿泊施設
  • 「ウェルカムファミリーのスキー場&スノーパーク」スノーデビューにおすすめの認定スキー場
  • 「ウェルカムファミリーの観光地」お子さま連れにおすすめの観光地
  • 「ウェルカムベビーの観光施設」お子さまと楽しくおでかけできる観光施設
  • 「ウェルカムベビーの結婚式場」赤ちゃん連れにも優しい会場で素敵な式を
  • 「ウェルカムベビーの神社」赤ちゃん連れにも安心の認定の神社
  • 「子どもを通わせたい保育園」保護者の支持の高い先駆的保育園を選定
Happy-Note編集部twitter
ハッピー・ノート編集部ブログ
ハッピー・ノート編集部フェイスブック

このページのトップへ

Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.