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子どもたちをタバコの害から守るために

禁煙 ママの病気・健康 教えて!ドクター

(2010年 秋号 掲載)

日本の現状

国内で1998年に3366億本売られていた紙巻きタバコですが、2009年には2339億本と約30%も減っています。この10月には大幅な値上げも予定され、さらにタバコ離れが加速して、計算上は、20年以内に売り上げ「ゼロ」の脱タバコ社会となるかもしれません。

お子さんをタバコの害から守り、脱タバコ社会での最後の喫煙者とならないようにする方法を、ちょっと考えてみましょう。

なぜ小児科医が「子どもをタバコの害から守る」活動をするのか

「喫煙は大人の問題と考えられがちだが、19歳までに吸い始めなければ、多くは喫煙者にならない。ニコチン依存症は実はa pediatric disease(子どもの病気)である。」(Kessler博士、1995年)という考えから、米国の小児科医は「子どもをタバコの害から守る」のは自分たちの仕事だと考えて活動しています。このことは日本でも同じ事で、今では「良い小児科医」の見分け方の一つは、お子さんが受動喫煙にあわないように注意してくれること、ご家族が喫煙している場合、禁煙を勧めてくれることが一つのポイントとなっています。

タバコの有害性は大人になってのがんや慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)だけではなく、図にあるように、一生(ライフサイクル)ついてまわるものだからこそ、小児科医が伝えなければなりません。

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受動喫煙の害

では具体的には何が有害で、どれくらい有害なのでしょう。タバコ煙中の主要な有害化合物は、ヒ素(蟻駆除剤)、カドミウム(土壌中の有害重金属)、DDT(殺虫剤)、ホルムアルデヒド(防腐剤)、シアン化水素(死刑のガス)、フェノール(便器消毒剤)など数え切れないほどです。もちろん数十種類の明らかな発がん物質も含まれ、小児がん、白血病、リンパ腫、脳腫瘍となる危険性の、エビデンス(科学的根拠)としての確かさは、レベル2(原因であることが示唆される)とされています。

さらに確かなレベル1(原因であることが十分推定できる)として、下気道疾患(肺炎、気管支炎など)、急性中耳炎、反復性中耳炎、喘息、肺機能の低下の原因となるとされ、最近の研究では虫歯や重大な細菌感染症、またメタボリックシンドロームも受動喫煙で危険性が高まると言われています。

ではどうすれば子どもを守れるか

第一に、最初の1本を吸わせないこと。早く吸い始めるほどニコチン依存症になりやすく、とくに女の子が簡単に依存症になると言われ、外国の研究では中学生年齢の女子の半数が、たった3週間で依存状態になったと報告されています。

第二に、受動喫煙防止対策です。健康増進法施行後、学校も含め公共施設の禁煙は進みつつありますが、子どもを守るにはそれだけでは不十分です。問題は、家の中と自家用車の中と言われています。

子どものいる部屋での喫煙を避けるのは当然ですが、たとえ家の外で吸っても家の中が汚染されるという様々な研究がなされています。

家具や床、車内などがタバコ煙で汚染されると、表面に付着した発がん物質や有害化合物が、子どもたちに吸収されることがわかり、サードハンドスモーク(third-hand smoke、残留タバコ煙)と言われ始めています。

もしあなたが喫煙者なら

ある調査では両親とも非喫煙者である場合に対し、両親とも喫煙者では、将来、子どもが4〜5倍喫煙者となると言われています。

遅れがちな日本のタバコ規制対策ですが、唯一世界に誇れる医療政策として、2006年6月からニコチン依存症治療が一定の条件を満たすと、保険診療可能となっています。 もちろん禁煙したいという意志があることが最低条件ですが、もしあなたや配偶者の方が条件に当てはまるなら、まずお近くの禁煙外来(http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html)で相談することをお勧めします。

家の中や自家用車の中で吸わないこと、飲食店などで全面禁煙の店を選ぶこと、どうしても分煙の店の場合は、必ず喫煙席から離れた禁煙席を選ぶことで、受動喫煙からお子さんを守りましょう。そうして、禁煙外来受診などで禁煙に挑戦し、お子さんも将来に喫煙者にならずに済むという、一生涯続く贈り物をプレゼントしませんか。

原田正平先生

独立行政法人 国立成育医療研究センター病院・禁煙外来担当。北海道大学医学部卒。医学博士。日本小児科学会小児科専門医。日本小児科連絡協議会「子どもをタバコの害から守る」合同委員会委員。

原田正平

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