子育て環境と空気のバリアフリーのことならハッピー・ノート.com!

育児・子育て支援サイト ハッピー・ノート.com
ハッピー・ノートドットコムとは RSSフィード メルマガ登録
  • ウェルカムベビーの結婚式場
  • ウェルカムベビーのお宿

子育て環境と空気のバリアフリー

事故・ケガ 子どもの病気 教えて!ドクター

(2015年 秋号 掲載)

我が国の喫煙率は先進国の中では高い率ですが、最近は減りつつあります。しかし、男女ともに子育て中の若い人の喫煙者が多いので、子どもへの影響について考えてみてください。

受動喫煙による子どもの病気

タバコの煙には本人の吸いこむ主流煙のほかに、火元からの副流煙、さらに喫煙者の口や鼻から吐き出される呼出煙があります。非喫煙者がこれらの煙を吸わされることを受動喫煙と言います。これらタバコの煙の中にある200種類以上の有害物質や60種類以上の発がん物質を子どもに吸わせることは、子どもの発達や健康に大きく影響します。

医学的に受動喫煙との関わりが明らかになっている子どもの病気でも特に知ってほしいのは、中耳炎、喘息発作、気管支炎、乳幼児突然死症候群、発育障害、知能発達障害、注意欠陥多動症候群などがあります。

タバコの誤飲・誤食

乳幼児がタバコを食べてしまって小児科外来に飛び込んでくるケースは小児科医なら皆経験することです。小児の誤飲事故の中でタバコによる事故が毎年とても多いのです。これは畳の上の生活と若い世代の喫煙率が高いということによる日本特有の現象です。

タバコの中にニコチンは、一本に12〜20 ㎎含まれ、これは小児の致死量以上です。ただ、症状が発現するのは30分以上であり、催吐作用により吐き出すので重篤になることが少ないのです。しかし、飲物の空き缶を灰皿代わりにしていると、ニコチンが液体に溶けている場合、飲むと吸収が早く、重大なことになります。成人でも痙攣などが引き起こされます。子どもの手の届くところにタバコや灰皿を置くのはもちろんいけません。子どものいる家はすべて禁煙室です

ライター火災

火事の原因は放火や暖房器具などが多いのですが、子どもが関係する火事ではライターによる火災があり、増えています。

喫煙者のいる家には平均5〜6個のライターがあると言われています。子どもだけで留守番をしていて、家にあるライターで遊んでいるうちに周りの物が燃えてしまうのでしょう。年齢では3歳前後で男の子が多いようです。

そのため、ライターを子どもが使えないように操作法を変えるという試みもありますが、そもそも子どもの手の届く所に置くことの方が問題でしょう。

ベランダなら吸っても良い?

マンションのベランダで喫煙する人をホタル族と言って久しいですが、最近はそれも問題になっています。窓を開けていると近くのベランダからタバコの煙が入ってきてしまう副流煙の害で、近隣トラブルになってしまうのです。副流煙を避けて窓を開けられずに我慢している家もあるでしょう。上の階のタバコの吸い殻で、干していた布団が焦がされた被害もあります。

さらにベランダで吸ってから、すぐに家に入ってきて子どもを抱くと、呼出煙を子どもに吹きかけることになります。吸い終わってからベランダで5回以上深呼吸をして肺の空気をきれいにしてから部屋に戻ってほしいです。

マイカーは禁煙車に

車の中で一本でもタバコを吸うと中の空気はすごいことになります。PM2.5は子どもを外で遊ばせない基準の70㎍ /㎥よりはるかに多い800㎍ /㎥にもなります。これは窓を開ければ大丈夫ということにはなりません。後ろの席の方が濃度は余計に高くなるからです。

米国や豪州では子どもが乗っている車での喫煙を条例で禁止している都市があるほどです。

レンタカーも

部屋の壁やカーテンなどに沁み込んだ残留タバコ煙を吸うことを、三次喫煙と呼びます。誰もいない喫煙所の中が嫌な臭いになっているので理解できますね。化学物質過敏症の人は具合が悪くなります。レンタカーに乗ると具合が悪くなる子どもの場合、車のシートに染みついた残留タバコ煙によることもあります。レンタカーを予約する時はチャイルドシートと一緒に禁煙車とリクエストしましょう。

喫煙所に子どもを入れることは虐待

歩行禁煙地域や禁煙の場所が増えてきていますが、喫煙所もあちこちにあります。そこで問題になることが、喫煙所に子どもを連れて入る人がいることです。高濃度の受動喫煙となりますので、「未成年者は喫煙所に入室禁止」とする掲示が待たれます。

[画像の拡大]

 

齋藤麗子先生

十文字学園女子大学 教授。健康管理センター長。東京女子医大卒。東京医大病院小児科、東京都衛生局を経て現在に至る。日本小児科学会専門医。日本公衆衛生学会認定公衆衛生専門家。小児科3社協こどもをタバコの害から守る合同委員会委員。

齋藤麗子

この記事に投票しよう


この記事のみんなの評価

1

1

0

この記事にコメントしよう

コメントを見る


注目TOPICS

事故・ケガの関連ドクターコラム

  • ウェルカムベビーの結婚式場
  • ウェルカムベビーのお宿
Happy-Note
Happy-Note 2024特別増刊号
Happy-Note For マタニティ
Happy-Note For mum

注目トピックス

Weeklyゴーゴーリサーチ ★投票受付中★

今週の投票

どうする・どうした初節句のお祝い
抽選で5名様に『図書カード500円分』をプレゼント。
投票する
今週のプレゼント
ミキハウス子育て総研の認定評価事業
  • 「子育てにやさしい住まいと環境」子育て支援のマンションと住宅
  • 小学生に贈りたい住まいと環境
  • 「ウェルカム“子育て・シニア”共生住宅」シニアとの多世代共生型住宅
  • ウェルカムファミリーの子育てスマートホーム
  • 「ウェルカムファミリーの自治体」安心して移住できる地域を選定
  • 「ウェルカムベビーのお宿」赤ちゃん連れ安心!認定の宿泊施設
  • 「Child-friendly HOTEL for travelers」お子さま連れ訪日外国人にオススメの宿泊施設
  • 「ウェルカムファミリーのスキー場&スノーパーク」スノーデビューにおすすめの認定スキー場
  • 「ウェルカムファミリーの観光地」お子さま連れにおすすめの観光地
  • 「ウェルカムベビーの観光施設」お子さまと楽しくおでかけできる観光施設
  • 「ウェルカムベビーの結婚式場」赤ちゃん連れにも優しい会場で素敵な式を
  • 「ウェルカムベビーの神社」赤ちゃん連れにも安心の認定の神社
  • 「子どもを通わせたい保育園」保護者の支持の高い先駆的保育園を選定
Happy-Note編集部twitter
ハッピー・ノート編集部ブログ
ハッピー・ノート編集部フェイスブック

このページのトップへ

Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.