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子どもたちの健康のために今の時期注意すべきこと、流行っている病気などについて、タイムリーな情報を小児科の先生からお届けします。
藤岡 雅司
藤岡 雅司先生のプロフィール
ふじおか小児科(大阪府富田林市)院長。大阪市立大学医学部卒。大阪小児科医会、富田林医師会などで予防接種を担当。子どもたちのアドボカシー活動の一環として予防接種制度の充実を目指している。

2012年4月の感染症情報

ドクターニュース

2012年4月 5日

春休みもそろそろ終わりですね

2週間あまりの春休みもあと数日になってきました。元気を持てあましている子どもたちとちがって、保護者の方々はそろそろお疲れモードでは?子どもたちは早く幼稚園や学校に行きたいと言っていませんか。

 
子どもの感染症は長期のお休みに入ると収まっていくのが普通です。春休みだけでなく、冬休みや夏休みもだいたい同じ。長期休みに入って1週間ほどすると小児科の外来は少しずつすいていき、休みが明けても1週間くらいまでは、病気で来院する子どもの人数は減り続けます。園や学校が始まって1、2週間ほどすると、逆に少しずつ増えてくる、というのが通常の傾向です。

B型インフルエンザの流行もほぼ終わりました

さて、1月中旬から始まったインフルエンザの流行でしたが、そろそろ今シーズンの流行も終わりとなりそうな気配です。1月後半にA香港型が5年ぶりの大流行となり、2月からはB型の流行にシフトしていき、結果的には2か月半の流行でした。

 
いつのシーズンも同じことなのですが、「ワクチンを打ったのにかかった」、「ワクチンを打ったのでかからなかった」、「ワクチンを打たなかったけどかからなかった」、「ワクチンを打たなかったからかかった」という人が入り混じります。
 
健康食品やサプリメントのコマーシャルでは、「あくまでも個人の印象です」と小さな字で表示されるのが普通です。だからといって、きちんとした医薬品の一種であるワクチンでも、「個人の印象」でよいわけがありませんよね。

ワクチンの効果を正しく評価するには(二重目かくし検査法)

でも、インフルエンザワクチンの効果をきちんと評価するのは本当に大変な作業なのです。「ワクチンを打った、かからなかった、だからワクチンが効いた」と断定することはできません。逆に「ワクチンを打った、でもかかった、だからワクチンは効かなかった」も同じです。個人の感想や体験だけでは、正しい評価ができないからです。

 
もっとも信頼性の高い評価方法は「二重目かくし検査法」といい、多くの人を「本当のワクチンを打つ人」と「にせのワクチンを打つ人」に分けて行われます。どちらのグループに入ったかは、ワクチン(あるいは、にせのワクチン)を打たれる人の側には分からないように(一重の目かくし)、ワクチンを打つ医師の側にも分からないように(二重の目かくし)されます。
 
そして、血液検査をしたり、一定期間にインフルエンザにかかったかどうかを調べたりして、二つのグループで差があったかどうかを判定するのです。調査期間が終了してから、どちらのグループであったかが、ようやく公表されます。
「二重目かくし検査法」は、「ワクチンを打ったのだから効くはずだ」という期待や先入観がワクチンの評価に影響しないようにするための方法です。多くの人たちに協力していただいて、ワクチンの評価が判定されているということを知っていただきたいと思います。

あらためて、インフルエンザに対する医療を考えてみましょう

10年ほど前から、インフルエンザ迅速検査と抗インフルエンザ薬が使えるようになって、インフルエンザに対する医療は大きく変化しました。正しい診断と適切な治療は医療の基本ですが、インフルエンザに関する新聞やテレビなどのマスコミ報道ともあいまって、一小児科医として本当にこれでよかったのかなと少し疑問に思うこともあります。

 
迅速検査と抗インフルエンザ薬が出る前は、高い熱でしんどそうなお子さんが受診されたら、付添いの大人の方から病状をよく聞いて、胸の音を聞いたり、のどの赤さなどを見たりして、明らかに他の病気でないことを確認し、地域での流行状況なども考えながら、インフルエンザかもしれないですねと説明していました。
 
「インフルエンザ様疾患」と診断してもA型、B型の区別ができるわけでもなく、抗インフルエンザ薬もありません。外出はしないで、おうちでおとなしくしてくださいとか、水分の多いものや、消化の良さそうなもの、お子さんの好きなものをあげましょうと説明して、熱さましやセキを軽くする薬を少し出していたくらいでした。
 
それが今では、とりあえず「迅速検査→抗インフルエンザ薬」です。学校や幼稚園、保育園から検査をしてもらうように指示されたといって、熱もほとんどないのに受診されることも少なくありません。年長のお子さんが「おはなのぐりぐりはイヤ!」と言う気持ちもよくわかります。
 
検査結果だけが「正しい診断」ではないと私は考えています。検査が陽性であっても、お子さんの状態は一人ひとり違います。迅速検査そのものが必要でないと思う場面も少なくありません。抗インフルエンザ薬使用の必要性も含め、あらためて、インフルエンザに対する医療を考える時期に来ているのではないかと考えています。

新学期を迎えて ~ワクチンによる予防が大事です~

さあ、お子さんも保護者の方々も期待に胸をふくらませる新学期は目の前です。せっかくの進学や進級のスタートでつまずかないためにも、ワクチンで予防できる病気は、ベストのタイミングでワクチンを受けさせてあげてください。

 
保育園に入園した乳幼児さんへ。恐ろしい細菌性髄膜炎を予防する、ヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンはもう済んでいますか?原因となるバイ菌は入園するとすぐに子どものノドに住みついてしまいます。髄膜炎の原因となるバイ菌がノドについてしまう前に、髄膜炎を予防する二つのワクチンは必ず接種してください。百日せきを予防する三種混合ワクチンや、肝臓がんを予防するB型肝炎ワクチンも忘れずに。
 
幼稚園に入園した幼児さんへ。みずぼうそうやおたふくかぜのワクチンは済んでいますか?みずぼうそうにかかると1週間程度はお休みしなければなりません。おたふくかぜにかかると5日間はお休みしなければなりません。それどころか、片方の耳が一生聞こえないようになるかもしれません。
 
年長クラスのお子さんへ。できるだけ早く麻しん風しん(MR)ワクチンを受けましょう。クラスや園での流行を防ぐためにもできるだけ多くのお子さんが早い時期に受けることが必要です。保護者の方々は周りのお友だちにも教えてあげてくださいね。

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