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子どもに「なぜ?」と考える習慣をつけるには

ママのためのぷち心理学

(2015年 冬号 掲載)

小学校に通い始める前の幼児であっても、出来事には原因があるということを理解することができます。「犬がワンワンと吠えているのは、よその犬が近づいて来たから」「子ネコがミャーミャーと鳴いているのは、おなかがすいたから」

原因がわかれば、どうすればよいのかを見つけやすくなります。私たちが生活する上で、「なぜ、そうなったのか」と、原因を考えることは、とても大切なことです。原因を考える姿勢は、話し方に表れます。「なぜかと言うと」や「〜だから」といった表現をよく使う話し方は、原因を重視した話し方と言えますが、単に出来事のみを起こった順序で述べる話し方は、そうではありません。心理学者の内田伸子先生は、日本の子どもたちの話し方が、英語やドイツ語、フランス語を母語とする子どもたちと違っていることを見出しました。男の子と犬が眠っている間に、捕まえたカエルが逃げ出すという場面をどう話すかを比べてみると、英独仏語圏の子どもたちが「カエルがこっそり逃げ出した。どうしてかと 言うと、男の子と犬が眠りこけていて、音に気づかなかったからだ」という話し方をするのに対して、日本の子どもたちは、「男の子と犬がベッドで眠っていた。そしてカエルがこっそり逃げ出した」と話すことが多かったとのことで す。内田先生はこの結果から、日本の子どもたちは「因果律」(原因と結果)よりも「時系列」(起こった順序)で出来事をとらえて説明する傾向があるとしています。「おもちゃが壊れてしまったのは、お友だちと取り合いっこして引っ 張ったから」などなど。

3歳まではなかなか難しいとは思いますが、4〜5歳くらいからは少しずつ、子どもたちにも、身近な出来事の原因を考える習慣をつけてあげたいものです。そのためには、ママをはじめとする、まわりの大人たちの言葉かけが重要な役割を果たします。たとえば、「なぜかと言うと」や「〜だから」といった表現をママたちが意識的に使ったり、「どうしてそうなったのかな?」と子どもに問いかけてあげるなど。日頃のちょっとした心がけで、子どもたちに「なぜ?」と考えるきっかけを作ってあげることができるのではないでしょうか。

 

三宮真智子先生

大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。学術博士。“どうすれば本当に賢くなれるか”というテーマで、コミュニケーションと思考の関連についての研究に取り組んでいる。一般向けの著書として、『メタ認知:あなたの頭はもっとよくなる』(中公新書ラクレ)などがある。専門は、認知心理学、教育心理学。

三宮真智子

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