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子どもの気持ちがわからない時、どうしたらいいの?/2012年4月

自分と似ていたり違っていたり

子どもと暮らしていると、その言動について「わあ、こういうところ、自分にそっくりでイヤになるな~」と自己嫌悪を感じることがあります。恥ずかしい気持ちになるので、子どもに直させようとするのですが、自分が改善できてない部分だと説得力がありませんね。

かと思うと、「ええっ、なんでそんな風に考えちゃうの?」と呆然となるくらい、自分と違っているところもあります。パパにそっくりなこともあれば、パパにもママにもどちらにもない部分があったりするので、人間って面白いなあと思います。本当に、親子といえど違う人間なんですよね。

似ている部分については、理解はできるので同志として問題解決に取り組むことができます。今回は、「なんで?」というような自分とは違っている時に、子どもの気持ちに寄り添うヒントをお伝えします。

子どもの頃のこと、覚えてますか?

あなたが今のお子さんと同じ年齢の頃、自分自身がどんな子だったか、思い出してみてください。

何が好きで、何に夢中になって、何が苦手で、それをどうしてきたんだっけ。親や先生や周りの大人は自分にどんな関わりをしてきて、私は何がイヤで何が嬉しかったっけ。

ちょうど今は年度の変わり目。幼稚園に入ったばかりの頃はどうだった?クラス替えがあった3年生の時は?など、印象的な出来事を思い出しやすいかもしれませんね。

思い出せたら、ぜひ食事の時、だんらんの時、お風呂の時、一緒に歩く時など、思い出話をいろいろしてみてください。子どもたちは「小さい女の子だった頃のママ」を想像するのがとても新鮮です。今は大人で、なんでもできて(と思っているかな)、時々怖い(?)ママが、昔は小さな女の子で自分と同じように喜んだり怖がったり緊張したりしてたなんて!

子どもの頭の中に、「小さい女の子だったママ」を親しい登場人物として居場所を作っておくのです。物語や、アニメの登場人物のように、共通の話題にできるキャラクターにして、折に触れてエピソードを増やしていってください。それが、子どもには大切な心の友となります。

子どもというのは、変わっていく存在

思い出話の中でも、失敗談や、悲しかったこと、悔しかったことなどは、とくに子どもの共感を呼ぶものです。慰めや励みになるのです。私たちも、例えば料理がうまくいかない時に、有名な料理研究家が、最初は黒焦げの料理をたくさん作っていたなんてエピソードを聞けばほっとしたり、もう1度挑戦しようとする気分になりませんか?

子どもたちにとって親は身近なお手本・完成形なので、その人も昔はできなかったということを知ると「じゃあ自分もいつかできるようになるんだね?」という希望を持てるのです。子どもは変わっていく、成長していくもので、誰もがそうやって大人になるんだという道筋を想像しやすくなるのですね。

否定したいの?理解したいの?

自分と子どもが似ている点については、こちらも話しやすいし子どもにも理解しやすいですね。では、自分と子どもが違う件についてはどうしたらよいのでしょう。「なんでそうなっちゃうの?こうすればいいのに」とこちらが突っ込みたくなる時。つまりは、うまく寄り添えない時です。

自分に置き換えて考えてみましょう。全然違うタイプの人から自分が心配していることについて「なんでそんな深刻に考えるの?」などと言われた場合、多くは「否定された」と感じるのではないでしょうか。「わかってもらえない」と感じて、それ以上気持ちを話せなくなりそうです。その上「もっと気楽に考えなよ」などとアドバイスされた日には「あなたにはわからないわよ!」と反発してしまうこともあるでしょう。

これは、「なんで?」と質問しているようでいて実は相手の気持ちを理解しようとはしていないからです。子どもの言動に「なんで?」と思った時、自分に一度尋ねてみてください。「これは質問?それとも否定?」もしも否定だと気づいたら、もう一呼吸おいて考えましょう。

「私は今、子どもの気持ちを否定したいのか?それとも、本当は理解したいのか?」と心に問いかけてみるのです。

「小さい女の子だったママ」登場

もしも本当は理解したいのだとしたら、小さい女の子だったママに登場してもらいましょう。「ママが今のあなたと同じ●才の頃は、そういうことしたことなかったから、よくわからないなあ。こないだも話したけどママはそんな時××だったからそうじゃない子の気持ちも知りたいな。●ちゃんはどんな気持ちだったのか教えてくれる?」(※小さい女の子だったママがこの時点で初登場ではなく、繰り返し話題になったことのある共通のキャラクターになっていることがポイントです。)

この話し方には二つの効果があります。一つは、子どもの受け取り方です。大人のママから直接問い詰められているという感覚から、同い年の女の子(だったママ)に教えてあげるという感覚に変わること。緊張が和らいで、本当の気持ちを話しやすくなります。二つ目は、ママ自身の目線が、ぐっと子どもの視点に近くなることです。保護者として管理する視点から、降りていって、同じ年齢の目線で気持ちに寄り添うことがしやすくなるのです。

具体的な例で考えてみましょう。お友だちと喧嘩をした時に、子どもは強い口調で話すタイプで、自分は小さな頃は気弱で黙るタイプだった場合。ママから見ると強い子は悪者に見えてしまうかもしれません。「悪い子」を頭から叱ってしまいそうになりますね。

でも、ここでは違う方法をご紹介します。「そんな強い言い方になってしまった子どもの気持ち」を聴いてあげるのです。悲しかった・悔しかった・実は無頓着だっただけ、などその出来事の背景となるその子の気持ちが出てきます。まずその気持ちを「そうか、答えてもらえなくて悲しかったんだね。ほんとはもっと話したかったの?」などと受け止めて、どうしたいかをハッキリさせます。その上で、「ママはそういう時、黙ってしまう子だったから、強く言われると、もっと怖くなって話せなくなってたかもしれないな」と相手の子の気持ちを想像して代弁することもできるのです。

これは、大人のママとして「相手の子はこうなんじゃないの?」と決めつけることとは違います。あくまでも、小さな女の子だったママだったらこんな気持ちだなあ、と自分のこととして話すのです。子どもの心が「ママはそうなんだ、じゃあ、あの子はどうだったんだろう?」とちゃんと相手の気持ちに想像力を働かせることが重要です。思いやりとは、押し付けられても育ちません。思いを相手のほうへやる、その作業を本人がすることが大切です。

人はそれぞれ性格も価値観も違っていることを前提に、相手を思いやり、コミュニケーションする訓練を子どもの頃から積んでいきましょう。異なる意見や立場の人とも、関わる経験をしていれば、将来社会に出たり、家庭をもったりするときに本当に役立つ力となりますよね。

自分自身の癒しにも

この「小さな女の子だったママ」の経験を語る方法は、子どもと違う立場の時にはもちろん、似ている立場の話にも、大きな共感を伝えることができます。嬉しかったこと、悲しかったこと、どうぞ、たくさん思い出話をして、子ども時代を再び味わいながら子育てを楽しんでくださいね。

大人になった私たちが自分の言葉で、小さな女の子だった自分の体験を語ることは、自分自身の癒しにもつながります。カウンセリングでも、子どもの頃の出来事は重要な鍵になります。あの頃言語化できなかったこと、対象化できなかったことを、とらえ直すことができると、現在起きている問題もスッキリしてくるのです。

子育ては、親にとっても育ち直しのプロセスとも言われます。子どもと一緒に、過去に消化しきれなかった出来事もしっかりと栄養にして、私たちもさらに成長しましょう!

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高橋 ライチ

高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】

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