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料理を作る時のポイントB続き 食器選びについて/2012年9月

前回のおさらい
朝晩の虫の声が秋らしさを伝えてくれる今日この頃ですね。
季節の変わり目は体調も不安定になりがち。
皆様どうぞお気をつけてお過ごしください。
 
さて、前回までは、料理を作る時のポイントBの季節感を出す方法まで説明いたしました。
今回は色を塗る前のデッサンにあたる、ポイントBの続きで食器選びのポイントをご説明いたします。
食器の役割について

食器は風景画で言えば、キャンバス内での構成要素の境界線にあたると思います。

例えば遠くの山並みと目の前の畑との境界線、水平線と半島との境界線などといったイメージです。
そのためには、キャンバス全体でみた時には統一感がありつつ、
1つ1つの対象物間ではきちんとメリハリを効かせる存在でなければなりません。
 
最近FaceBook内の投稿に興味深い記事がありました。
まず下の文章をご覧になってみてください。

ミキハウス第6回添付FB.jpeg

(Facebook 『スゴイと思ったらシェア!』 2012年7月5日投稿)
 
ぱっと見た第一印象ではスラスラ問題なく読めましたね、次にじっくり一単語ずつ見てみてください。
各単語の最初と終わりのひらがなだけが正しくて、真ん中の文字は順番がおかしいですね?
これは人がいかに普段から、物の最初と最後だけを見て物事を判断しているかを物語っているのです。
 
これは、料理の食器に対する印象の受け方と似ているのではないかと思います。
つまり、食卓をぱっと見た時に飛び込んでくる食器のインパクトで食卓への印象も大きく変わりますし、
食べ終わったあとに目の前に残された食器の存在感も、その食事に対する後味として影響が大きいと思うのです。
(ちょっと無理矢理な展開ですが)
 
これだけ存在感の大きい食器なのですから、極力上手な食器選びができるといいですね。

上手な食器使いとは

定型の形としては、丸形、オーバル(楕円)形、スクエア形、長方形があると思います。 そして素材には陶器、磁器、漆器、ガラス、木製、藤製などがありますね。

 

皿の種類.jpg

 

更にそれぞれに大きさや背の高さ、そして色があると思います。 絵画でも画面の中に同一方向に伸びる直線ばかりだったり、 同じ形状の繰り返しばかりでは平坦で単調な印象になり、 メリハリのない絵画となってしまいます。 一般的には曲線中心の画面に直線を加えると、曲線の優しさに鋭さが加わり、 かえって曲線が生きるとされています(『巨匠に学ぶ構図の基本』視覚デザイン研究所 出版)。

 

この効果を狙っているのが人物画でも多く見られ、 背景に壁の直線が描かれているのはモデルの体のラインをひきたて、 優しい印象を感じさせる効果も狙っているといえます。

 

モディリアニ セーラー・カラーの少女.jpg

(モディリアニ 「セーラー・カラーの少女」 1918年)

 

料理での食器も同じことで、食卓の上に同じ形や高さの食器だけでは 単調で活き活き感に欠けることになります。 「今晩の夕飯は何のお皿に盛り付けようかな」と悩む時には、 これら2つのことに注意して選んでみてください。 ・形は同じ形ばかりにしない ・高さも異なる食器を混ぜる

具体的に見てみましょう

さんまが美しい季節ですので、さんまの一夜干しをメインに一口サイズのお寿司とお吸い物を添えたメニューを例に見てみましょう。

<メニュー>

さんまの一夜干し焼き

一口寿司(いくらとじゃこ、枝豆ペペロンチーノ)

みょうがの塩漬け

お吸い物

まずはこちら。

第6回良い例.jpg

 

さんまをのせたフラットなひし形の陶器を中心に、高さの異なる小皿でメリハリをつけています。
テーブルの上を見た瞬間に、わぁ、何だろう!と一瞬興味をひきますよね。
 
一方こちらは

第6回単調例.jpg

 

小皿が同じ形だけでメリハリや目新しさに欠けますよね。
更に小皿を使わずに、メインの平皿の上に直接のせるだけであったら、どうでしょうか?
 
いかがでしょうか。
お持ちの食器の中で、こうした組合せに気をつけるだけで
食卓に活き活きとした動きが出てくるのではないでしょうか。
 
次回はポイントC.素材の彩りを活かした盛りつけについてご説明したいと思います。

Information/お知らせ

文中のfacebookの引用元サイトはこちらから

Facebook スゴイと思ったらシェア!http://www.facebook.com/sugoize(2012年7月5日投稿)

Mama's profile/プロフィール

柏木 直子

柏木 直子 【パン&家庭料理教室主宰】

記事テーマ

たった3つのポイントで食卓が絵画に変身!

毎日の生活の中で家族が顔を合わせ、同じものを共有する唯一の時間が食事。だからこそ家族にワクワクした気持ちで食卓に座って欲しいし、何よりママ自身が楽しんで作れることが1番。家族の喜ぶ顔、それは美しい絵画に出会った時のはっとした嬉しい驚きと同じ。3つのポイントをおさえて献立を考えれば、いつもと少し違った家族の表情が見られるかもしれませんよ!

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