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子連れ飛行機の心得とダンドリ/2012年7月

子連れの飛行機、行けちゃう?それとも・・・

7月、日本は多くの地域が梅雨の真っ只中ですが、そろそろ夏休みの計画を立てる方も多いのではないでしょうか? 中には「子どもの飛行機代がかからないうちに、海外旅行しちゃう?」なんて考えている方もいらっしゃるかもしれません。これからの夏休みシーズン、どこに行くにも高額になりがちな航空運賃ですから、確かに子どもの運賃がかからずに済むのは助かります。

 

でも、お金の面でのメリットだけで子連れの空の旅を決めるのは、おススメできません。

 

成功談も聞きますが、それはもろもろの好条件が重なった場合、といえそうです。特に小さな子どもを連れての飛行機の旅は、同行する親と子ども本人に様々なストレスがかかる場合がほとんどです。どんなリスクや苦労が予想されるのか? 計画を進める前に、チェックしましょう!

一歳児との空の旅、私の場合

私は、夫の海外勤務に伴い、夫から遅れること二ヵ月、一歳になってすぐの男児を連れて成田からサンフランシスコまでおよそ10時間の空の旅を経験しました。飛行機の旅を終えての感想は、一言で言うと「疲れ果てた・・・」です。

 

10時間というと、ヨーロッパなどと比べても比較的海外では近いほうだと思います。さらに、私が利用したのは夕方に成田を出発する便。機内で過ごす時間は子どもの寝る時間とも重なるうえ、バシネットを予約、さらに子ども用の座席も取っていたので、ストレスは最小限にできるのではと考えていました。

また今回は、航空会社の赴任パックと空港内でのサポートを利用し、かつ私の両親や妹が見送りに来てくれたので、出発までは息子もご機嫌で楽しく過ごせました。


出発までは・・・。


やはり狭い機内で10時間というのは、思っている以上にストレスがありました。離陸してから20分、お茶を飲ませようとしたら気圧の関係でストローマグから麦茶が噴射!(気象予報士としてうかつでした・・・) 突然着替えが必要となるも、限られたスペースでの着替えは一苦労で、いきなり疲れるはめに。


続いて食事。幸いベビーミールが子どもの口に合い、美味しい美味しいといつも以上にパクパク完食。しかし、喜んだのもつかの間、それがあだとなり、食べ過ぎにより少ししてから少量リバース・・・まだ機内での時間が折り返し地点も過ぎないうちに、用意していた2着の着替えを使い果たしてしまったのです。


その後、眠くなりバシネットに寝かすも、バシネットの制限体重ぎりぎりというのもあり余裕がなく、寝返りがうてずに度々起きてしまい、結局私は一睡もできずにアメリカに上陸することになったのでした。


そして着陸は、日本時間で夜中の3時くらいにあたる時間。機内で肌の手入れもできず疲労困憊になりつつも、私は「やっと到着!」との思いで目が覚めていたのですが、子どもは明るさで目は覚めたものの、頭の中は完全に寝ている模様で、もうろうとしながら時折うつらうつら。その様子を見ていたら、かわいそうで涙が出そうになりました。


その後、一週間くらいは私も子どもも体内時計がずれていて、疲れもあったせいか風邪をひいてしまいました。それでも到着からまったなしでやってくる3度の食事の時間。離乳食が完了していなかった子どもの食事を作るのには特に苦労しました。

子連れの空の旅 「心構え」編

いきなりネガティブなお話になってしまいましたが、それだけ、やはり大変なことだったとお伝えしたくて書きました。でも、行かねばならない旅もありますし、しっかりと対策や準備をしておけば大丈夫です。


まず、私が考える子連れの空の旅の「心構え」をまとめてみました。

◆大人一人で子どもを連れて飛行機に乗るのは、可能だけれど、かなりの疲労と苦労への覚悟が必要

◆可能であれば大人複数で子どもを連れて行くほうがおススメ

◆子どもの座席は、お金を払っても取る価値あり(大人が一人だけの場合は特に!荷物を置いたり着替えをさせるスペースにもなったりで、きっとあってよかったと思うはずです)

◆環境が変化するので、子どもも調子が狂いがち。きちんと対応できるよう、しっかりと下調べ&準備を


以上の心構えができたら、次はいよいよ、出発に向けた段取りです。

子連れの空の旅 「段取り」編

子連れの空の旅が無事に成功するかどうかは、出発までの段取りで決まるといっても差支えないと思います。備えあれば憂いなし。必要な段取りをまとめました。


◆飛行機の予約◆ これは、選べる場合、子どもに極力負担にならない時間帯を選びましょう。

◆利用できるサービスをチェック◆ 赴任パックやラウンジ、また子連れ・妊婦はサポートが付いてもらえることもあるので、航空会社や旅行会社に確認してみましょう。

◆シートの予約◆ 事情が許せば子ども用の座席もとりたいところです。また子どもの体重が10キロ未満であればバシネット(機内に取り付けるゆりかご)の予約もできます。数に限りがあるので早めに確認を。

◆子どもの食事◆ 子ども用の機内食としてベビーミールやキッズメニューのリクエストができます(月齢などは要確認)。私が利用した便は、夕食時には子ども用に作られた温かいシチューに、瓶詰めのベビーフードやヨーグルト、バナナ、イオン飲料、赤ちゃんせんべいなどがセットになって出てきました。口に合わなかったり、まだ食べられないものが出る可能性もあるので、食べなれたベビーフードやお菓子、使い慣れたスプーンなどを持参すると安心です。ちなみに、子ども用の飲食物は、手荷物検査でチェックをしたあと通してくれました。

◆must haveな持ち物◆ 十分な量の使い慣れたオムツ、着心地が楽な服装(子どもも大人も)、子どもの着替えを最低2組、食べなれたベビーフードやお菓子、子ども用の飲み物、使い慣れたスプーン、オモチャ。また、意外と子どもの準備に追われて自分のことが手薄になるので(私がそうでした)大人用のマスクや機内用スリッパなども忘れずに。

◆当日のスケジュール◆ 機内でなるべく寝てもらえるように昼寝の時間や回数を調節する、また空港内のキッズスペースなどで遊ばせる時間など考慮してスケジュールを組みましょう。

◆おもちゃについて◆ 機内でももらえる場合もありますが、どうしてもぐずった時の最後の切り札として、新しいおもちゃを一つ準備しておくと安心。そのほか、持ち込むおもちゃも、出発まで数日間は隠すなどして子供の目につかないようにしておくとより効果的。音の出るものは周りへの迷惑も考え、極力避けましょう。軽くて色んな遊び方ができるおもちゃや、絵本などがおすすめです。

機内での過ごし方

段取りがすんだら、あとは機内をいかに快適に過ごすかです。キャビンアテンダント(以下CA)のみなさんがしっかりとサポートしてくれるので、マナーを守りながら、困った時は頼らせてもらいましょう。


また、機内にはこれから仕事にむかう人や、子ども連れでない方もたくさんいます。到着までの間には、子どもが泣いたり、どんなにいい子でもおしゃべりの声が大きくなったりするかもしれません。着席したら、周りの席の人たちに一言「子どもが一緒でご迷惑をおかけすることがあるかもしれませんが、よろしくお願いします」などと挨拶しておくと、安心です。近くに座っているのが外国の方の場合、キャビンアテンダントのかたに一言伝えてもらってもいいかもしれません。私が渡米した際も挨拶しましたが、飛行機から降りる際に「とてもいい子にしていたね!」と後ろの座席の方に声をかけていただき、すごく気持ちが軽くなりました。


それから、どんなに準備していても、困ったことはおきるもの。主な「困った!」と対処法はこちらです。

◆【困った①】離陸時にぐずる、泣く◆ 小さな子どもは離着陸時に耳抜きができず辛くてないてしまうことも。母乳や飲み物を飲ませると耳抜きができて楽になります。

◆【困った②】一人で子連れ、トイレに行きたい◆ CAさんにお願いをすると子どもをあやしていてくれます。

◆【困った③】子どもとの機内食が心配◆ 子ども用の食事は大人より一足先に出してくれます。ただし狭い機内、いつものような食事環境(姿勢やスペースなど)は整わないと考えた方が無難。ベビーミールやキッズメニューは、食べさせやすいバナナやヨーグルト、乾燥する機内で水分補給できるようなイオン飲料などがついてきます。

◆【困った④】自分が眠い◆ バシネットを利用、あるいは同行の大人複数いれば、休む時間は確保しやすいです。長距離の移動の場合は十分に対策を考えておいた方が無難。

◆【困った⑤】おむつを替えたい◆ おむつ替え用の台がついたトイレがあるのでCAさんに確認、案内してもらいましょう。とても狭いのであらかじめ必要なものをポーチなどにまとめておくとスムーズ。狭い場所でのおむつ替えや着替えを想定した服装を準備するとよい。


自分の経験から、考えられるすべてを盛り込んでみました。

いつも頑張っているママ、かわいい我が子との旅が素敵なものになりますように!

Mama's profile/プロフィール

関嶋 梢

関嶋 梢 【フリーキャスター】

記事テーマ

カリフォルニア・子育てリポート

それは、パパが待つサンフランシスコへ、一歳児を連れて二人だけの飛行機の旅から始まりました。初めての子育て、初めての飛行機、初めての海外生活…初めてづくしの生活はまさに波乱万丈!子供と過ごす海外生活や海外での“育児”と“育自”についてリポートします!

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