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もしもの時に、家族を守る「社会保険」その2・・・【労災保険】/2014年9月

労災保険は、誰が加入するの?保険料は?

前回までに、働く人が加入する保険は、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険の「4種類」あるとお伝えしました。

そのうち、今回は労災保険についてお話します。

 

労災保険は、会社に雇用されている人は、パート、アルバイトを含め、どんな場合でも必ず全員加入します。

ただし、業務委託、外注、自営業の形態で働く人は加入できません。また会社の役員になっている方も基本的に加入不可です。

労災保険料は、会社が全額負担してくれます。ママ達が負担する金額は一切ありません。

どんな時にケアしてくれるの?・・・「仕事中」と「通勤中」の病気・ケガ

労災保険は、具体的に何を守ってくれるのでしょう。大きく分けて「仕事中の病気・ケガ」と、「通勤途中の病気・ケガ」の2パターンがあります。

まず、「仕事中の病気・ケガ」。

例えば、こんな場合に労災扱いになるのでは、と思います。

★仕事中にファイルを取ろうとして、戸棚に手を挟んでケガをしてしまった

★お茶出しをしようとして、お湯が手にかかりやけどを負った

★パン屋さんでの仕事中、スライサーで指を切ってしまった

・・・などなど、こうした「仕事中に起こる」ありとあらゆるアクシデントをケアしてくれます。ケガの大きさなどは一切問いません。

このような場合、労災が適用されれば、病院での治療代は全て労災保険でまかなわれます。ママ達の負担はゼロです。

また、病気やケガがひどくて、会社を休まざるを得なくなってしまった、という場合でも、その休業した日については、休業4日目から、お給料の約8割が労災保険から支給されます。(※休業3日目までは、会社が補てんしてあげなくてはならないことになっています)

その他にも、仕事中の病気・ケガで障害になってしまった、不幸にして亡くなってしまった、などという場合にも、労災保険から大きなケアがあります。

「通勤中」のケガって、どんな場合?

次に、「通勤途中の病気・ケガ」について。

例えば、こんな場合が想定されます。

★通勤途中、自宅マンションで足元が滑って階段から滑り落ち、骨折してしまった

★通勤途中、駅で転倒してしまい、足をねんざしてしまった

★マイカー通勤中、事故に巻き込まれてしまい、むち打ちになった

・・・などなど、こうした「通勤途中に起こる」ありとあらゆるアクシデントもケアしてくれます。こちらも、ケガの大小は問いません。基本的に病院での治療費はゼロ。この病気・ケガがもとで会社をお休みしてしまった場合、休業4日目からお給料の約8割が支給されます。

ただ、先程の「仕事中の病気・ケガ」と少し異なるところは、「病院での治療に、200円の自己負担金が必要」「休業3日目までの会社からの補てんはない」という点があります。

また、例の3つ目に挙げた「もらい事故」のような、第三者が絡む労災申請は、少々手続きが複雑です。労災保険が適用となるか、相手の加入している保険から費用が支給されるかは、ケースバイケースです。

労災保険の注意点・・・労災扱いにならないことも!

注意点としては、労災保険はあくまで「仕事が原因」で病気・ケガになってしまった時にケアされるものだということです。もともと持病があって悪化した場合や、病気と関係ない形で患った病気・ケガについては、補填されません。

また、労災は「会社がらみの病気・ケガなら全て支給される」というわけではありません。

★業務遂行性:仕事中に発生した病気・ケガであるかどうか

★業務起因性:仕事がその病気・ケガの原因になったかどうか が重視されます。

例えば、「お昼休みにコンビニに行く途中に、道を足をひねってケガした」などは、仕事中のケガではなく、また仕事が原因のケガとも言えません。よって労災とは認められません。

また、「仕事が終わった後、同僚と飲み会に行き、その後酔っ払って足をひねってケガした」場合はどうでしょうか。これも、仕事中のケガでないことは明らかですので、労災扱いにはならないでしょう。

ただ、業務に強く関連付けられて、全員が強制的に参加させられるような性質のものであれば、労災扱いになる可能性がゼロ、とはいえません。労災かどうかの判断は、非常に難しいケースもあります。

労災保険は、家族の味方!

労災保険は、ママが働くときだけでなく、もしパパに万一のことがあったら、強い味方になってくれます。仕事中や通勤途中のアクシデントがあったときには、ぜひ「労災保険」の存在を思い出して下さい。

健康保険で治療すると、基本的には3割の自己負担があります。これが労災保険扱いになると、自己負担は「ゼロ」です。(※通勤災害のときのみ200円負担)

また、有休を使い果たすような長期の入院になってしまった場合、会社からはお給料が出なくなってしまっても、労災保険からの支給が、家計を助けてくれるでしょう。

手続は、基本的には会社がやってくれます。ただ、非常に煩雑な事務になりますし、そうそう会社で頻発することでもないので、担当の方が判断に迷うようなこともあるかもしれません。もし労災保険についてわからないことがあれば、最寄りの労働基準監督署か、社会保険労務士に相談してみて下さいね。

Information/お知らせ

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神谷 綾

神谷 綾 【社会保険労務士】

記事テーマ

家族のための「社会保険」のおはなし

「社会保険」や「年金」っていうと、なんとなく難しいことのよう…。でも実は、就職や退職、妊娠出産、病気やケガなんていう、様々なライフイベントごとに、私たちをいろいろ助けてくれるんです。もらえるお金。やっておくべき手続。知ってると、ちょっとトクするマメ知識。そんな「社会保険制度」について、ママの目線からわかりやすくお伝えします。

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