ハッピー・ノート.com

８月に入り、毎日うだるような暑さですね。木陰を探すのも一苦労ですが、暑いなりに夏を謳歌したいと思うのが子どもです。

長いお休み、熱中症に気をつけながらも、海やプール、山や川に出かけて思い切り自然に触れて楽しんでもらいたいと思います。

また、外遊びと同じくらい触れてほしいと思うのが、絵本です。（児童書ももちろん！）

真夏に読みたい、作品の数々をご紹介します！

なつのいちにち　

はたこうしろう　作

２００４年

偕成社

１０００円＋税

あついあつい、なつのひ。

きょうは、ひとり。

だあれもいない。

シャーンシャーン・・・

たにまではしり、自然の大きな息づかいを感じます。

大きな入道雲が、懸命にはしっていく「ぼく」を追いかけます。

「ぼく」の手には、虫取り網。

しっかりと被った帽子が、小さな影を作り・・・

まぶしい日差しに照らされた家々や青く生い茂る木々のなか、「ぼく」はどんどん進みます。

優雅に広い海のうえをとびまわる　カモメたち・・・・

どのページも、

夏！！！

蒸し暑い夏の匂い、　虫の声、　駆ける足音が

不思議と絵本から飛び出してきます。

「ぼく」は・・・・・・走る。

ハア　　ハア　　　ハア　　ハア　　ハア　　ハア　　ハア　　　ハア　　ハア　・・・

そう、アイツを捕まえるために

ぼくは・・・

無事につかまえられたのか・・・ドキドキしながら　読んでください☆

ねこのはなびや　　　　

渡辺有一　作・絵

２００１年

フレーベル館

１２００円＋税

ねこの はなびやは、よぞらに　はなびを　ドドーンと　うちあげる。

こだま、ちゅうだま、おおだまが景気よく・・・　あがる　　　あがる！！

さあさあ、しかけはなびも！　　ごらんあれー。

今夜は海の花火大会です

しろねこぐみと、くろねこぐみと、そしてとらねこぐみの３組が、

花火を打ち上げて勝負をします。

威勢のいい掛け声が聞こえてきそうな、猫の花火師たちの笑顔！

まず大会の前に、花火師の仕事を順序良く説明します。

もちろん、現場は「命の危険がたくさん」！

しっかり、危険があり、充分注意が必要なことも伝えています。

ドンパチドンパチ　けいきよくあがる。

おきゃくさんの　かんせいも　あがる　あがる

どの組が一番盛り上がるか、ここからは勝負・・・！

ドドーン

ページを飛び出して、大きな花火がたくさん打ちあがります。

さあて、優勝したのは・・・どの組かしら？

絵本から飛び出す花火の迫力に、思わず目を奪われます・・・

魅力的な猫の花火、特等席でごらんください☆

カブトくん　　　　

タダ サトシ 作

１９９９年

こぐま社

１３００円＋税

みなさん、カッコいい彼らに、今年は何匹出会えましたか？

主人公はこんちゃんです。

虫が大好きな、男の子。

中でも一番大好きなのは・・・　カブトムシ！

カブトムシって、夏にみるよね。

でも、冬の間、ずーーーっと土の中で幼虫として丸まっているんだよ。

こんちゃんは、ある冬の日に出会ってしまった。

それは、大きな大きな、カブトムシの幼虫・・・

立派なツノを持つ、あのカッコいいカブトムシの姿になるには、長い時間土の中で過ごします。

幼虫から、成虫になって・・・

そうして出てきたカブトムシ。

あんなに大きな幼虫だった、カブトムシ・・・名前を、「カブトくん」とつけました。

やっとやっと出会えたこんちゃんとカブトくん。

こんちゃんの家で、カブトくんとの楽しい毎日がスタートします。

だけれども、カブトくんの本当の気持ちはね・・・！

そして、葛藤するこんちゃん・・・

楽しくてあったかくて、カブトムシを大事に思う心を描いた、素敵な作品です☆

こわくないこわくない

内田麟太郎 ぶん　

大島妙子 え

２００２年

童心社

８００円＋税

一面におばけの姿！

おばけの絵本作家といえば・・・内田麟太郎先生ですね。

主人公はまーくんです。

かわいい小さな男の子。

まーくんは、おばけではありません。

そう、普通のにんげんの子どもです。

最近まーくんは、「反対」のことばかりを言います。

おふろ、あったかいねえ

あったかくないー！

さあ、ねんねの時間ですよ。

ねんねしないー！

あるとき、まーくんは夢を見ました。

ひゅ～～～

どろどろどろろ～～～～

お、おばけー！！

でも、まーくんときたら・・・

こ、こわくないー！！

なんと、おばけに会ったのに、怖くない！？

すると、おばけは工夫をしはじめました。

これならどうだ！！！

これなら、どうだーーー！

こ、こわく・・・ないーーー

困ったおばけは、あれやこれやと策を練ります。

最後にいきついた、まーくんとおばけときたら・・・素直で楽しい、痛快なお話です☆

みんなが通るこの時期は、何をしたって反対言葉！

子どもが成長する姿を、おばけとともに楽しく感じてください。

へいわってどんなこと？　　

浜田桂子 作・絵

２０１１年

童心社

１５００円＋税

この本は、日本の絵本作家が中国と韓国に呼びかけ、三か国１２人の絵本作家の協力で実現した、平和を訴える絵本シリーズの第一作です。

２０１２年度、第58回青少年読書感想文全国コンクール・小学校低学年（1～2年生）向けの、「課題図書」に選ばれています。

へいわって　どんなこと？

きっと　こんなこと

せんそうをしない

ばくだんなんか　おとさない

いえや　まちを　はかいしない

だって、　だいすきなひとに　いつも　そばに　　いてほしいから

冒頭から、真っ黒い飛行機が空をおおいます

赤黒く燃える　不気味な爆弾

破壊された、町

そして、あたたかく抱っこされる、一人のこども・・・

物語の後半は、不安で苦しげな前半を打ち消すかのような、命を喜び、友を愛し・・・

希望ある未来を力強く描いています。

だれでも、あたたかい食事があって、学ぶことができて、歌い、意見をいうことができる

それが、へいわ。

へいわを　願う気持ち・・・優しい浜田先生の絵と、短くても意味がずしりと重い、ことば。

最後のページにいきつくまでに、どれくらいのメッセージが、心をゆさぶるか・・・

あたたかい食事があって、笑顔があって、いつも愛する家族やともだちがいて

そんな毎日が、あたりまえにここそこであふれている・・・そんな国に、世界に、なりますように☆