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何事にも動じない精神/2015年3月

赤ちゃんの感情表現の役割

生後間もない赤ちゃんから幼児の頃は、「喜怒哀楽」という感情表現がとても豊かです。その感情は、時や場所をえらぶことはありません。初めての育児で困惑したお母さん方も多いと思います。しかし、その感情表現が豊かであるということは、今この子がどういう気持ちなのか、何を求めているのかを知る一つの方法であり、子どもと向き合うことができる「ものさし」の役割でもありました。

それが成長していく段階で、他者との時間を多く共有する集団生活を経て、ある程度の自我を抑えるすべを学びます。ですが、今の子どもたちはその感情を必要以上に自己抑圧してしまっている傾向が見受けられます。

現代の社会問題である「いじめ」の観点から見みると、人から嫌われることを恐れ、周りと同調する防衛機制の働きにより自分を上手く表現することができず、他人や物事に対して無関心や無気力になりやすく、それは不登校や引きこもりなどにも密接に結びついているという見方もなされています。

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子どもたちの感情表現

空手だけに限らず子どもたちの試合を観戦すると、優勝して歓喜する子、結果が出ず悔やみ悲しむ子、勝負にこだわらず試合を楽しむ子、子どもたちのたくさんの表情を見ることができます。また、子どもの中には誰にでも大なり小なり「闘争心」があります。互いに一歩も引かない、負けたくない、絶対に勝つという闘志です。

闘志に満ち溢れ外から見て分かる子。

闘志を内に秘め一見おとなしく見える子。

その子によってその表現方法も様々です。子どもたちのその様々な感情は試合だけではなく稽古の中でも多く見ることができます。

必要以上の感情の自己抑圧は、

●喜ぶべき人の幸せを素直に喜べない

●怒りを抑えきれず人を傷付けてしまう

●哀しみに耐えきれず挫折してしまう

●楽しめず物事への関心が薄れてしまう

というような子どもの人格形成にも大きな影響を及ぼします。自分の感情の起伏がどれ程なのかという感情の振れ幅を知り、経験するということはとても重要なことです。これは喜怒哀楽すべての感情においていえることです。

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大人らしい大人とは・・・

空手の稽古の始まりと終わりには正座をして黙想を行います。黙想の間は、目を閉じ正しい姿勢で深呼吸をします。武道で黙想を行う由来には諸説ありますが、日常生活から稽古への感情(気持ち)の切り替えでもあります。

空手は「呼吸」がとても重要です。型や技の際には勿論のこと、呼吸は主に腹式呼吸が基本とされています。この腹式呼吸は心拍数を一定に保つ役割のほか、精神安定に必要なセロトニンという脳内物質の分泌を促す効果があります。これは黙想と同様、呼吸には「自分の感情をコントロールする」意味も含んでおります。

『空手の呼吸法は、禅の呼吸法、ヨガの呼吸法、道教の調息法と同じ腹式呼吸であり、道場の空突き、空蹴りも、すべて呼吸を大切にし、丹田(たんでん・へその下)に力がこもるようにしてトレーニングする。丹田が練磨されれば、それだけ、精神と肉体の一致が計られ、肉体と意志がともに強くなる。とくに空手の場合は、瞬間の打撃や速い動きに、いつも身体と精神を順応させねばならないので、丹田の強化はとくに必要であり、また逆に空手の激しい動きは、丹田強化法としてきわめて効果的である。』

 総裁 大山 倍達 

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子どもたちは空手を通じ普段の日常では直面しえない自分自身の感情の振れ幅を経験し、日々の稽古の中での心技練達により、強固な身体や精神を形成すると共に感情のコントロールを養います。「何事にも動じない精神」を持つ人は、感情を自己抑圧するのではなくコントロールできる人であり、人格的に安定している人でもあります。

「大人」(おとな)という字は「大人しい」(おとなしい)とも読みます。これは落ち着きや安定をも意味しています。空手を学んでいる子どもたちが成長し大人になった時、困難な場面に直面しても、物事を冷静に見極め判断し、人や誘惑に流されない揺るぎない精神という自己の確立、安定感を兼ね備えた言葉通りの「大人」になってもらいたい・・・これが私が子どもたちに求める「何事にも動じない精神」であります。

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【桑島道場(高松本部道場)】

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Mama's profile/プロフィール

西山 静香

西山 静香 【国際空手道連盟極真会館香川県本部 桑島道場 指導員】

記事テーマ

心と体を育てます・礼儀作法も身に付く空手~武道と子供教育~

平成24年度から中学校で武道が必修化されました。日本古来から伝わる武道には、ただ強くなるだけではなく「礼に始まり礼に終わる」という言葉がある様に、武士道精神は子供教育にも通ずるところが数多くあります。4歳~小学6年生の少年部空手指導員をしている現在、必修化された武道が教育とどの様に関わっているのかを知って頂ける機会になればと思っています。

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