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初心忘るべからず/2015年6月

古き良き日本文化

これまで日本では和を重んじる精神から「奥ゆかしさ」「謙虚さ」などが美徳とされてきました。しかし近年、自己主張することが国際的であると言われ、これからのグローバル社会においてもそれはとても重要視されています。言わば、現在の世間の風潮であるように感じられます。

自己主張とは自分の意見や考えを周囲に話すことであり、自分の意見を上手に主張し、相手に伝えるということは大切なことです。

失われつつあるもの

今の若者も少なからずその影響を受けているのか、以前と比べ自己主張する人が多くなったようにも思います。それは、良い意味で自己を持っているようにも見受けられます。しかし、自己主張することが良しとされ、言葉だけが独り歩きし、自己主張が強くなったことで、言い換えれば遠慮がなくなったとも言えます。

例を挙げるとするならば、遠慮がなくなったことにより、上下関係の境界線が薄れ、先生や先輩にも友達のような感覚で接する人が増えてきているということです。昔は先生や先輩を師と仰ぎ、敬意の念を抱いていたのではないでしょうか。

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【桑島道場(西讃本部丸亀道場)】

実るほど頭が下がる稲穂かな

武道にも「奥ゆかしさ」「謙虚さ」を大切にする美徳があります。それは日々の修行を通じて練磨する程に、親和感を兼ね備えた人としての人間性が高められるべきだと思っています。

謙虚な姿勢とは、へりくだることでも卑屈になることでもなく、どのような時でも「自分が見聞きし、知っているすべての知識は、ほんの一部のことにしか過ぎない」という気持ちを忘れることなく、その心構えで物事に取り組む姿勢でもあるのです。

この謙虚さを忘れないでいるためにも、武道では道場に足を踏み入れる前に深く一礼することから始まり、この一礼は稽古中においても相手に欠かすことはなく、道場を後にする際にも必ず行います。これは常に自分が「学ばせて頂く立場である」という気持ちの表れでもあります。

それは稽古のみならず、試合においても同様です。すべてに一礼を欠かしません。勝者がいれば当然敗者もいます。自分が勝者であった時、今の自分が在るのは敗者の存在無きにしては語れません。そして師であり、先生、また支えてくれた多くの人の存在に、感謝と敬意を払うということも道場では子どもたちに教えていることでしょう。勝者である自分が一番偉いと考えてしまっていては、もうそれ以上の進歩は見込めないのです。 

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【桑島道場(西讃本部丸亀道場)】

謙虚な姿勢は成長への近道

子どもからご年配の方まで、向上心が高い人はとても謙虚な姿勢で学びます。稽古の中で褒められたことや、指摘されたことを素直に受け止め、自分が学ぶことに関わるすべてのことに感謝することができます。それ故に、上達も早いのです。

人は物事に慣れてくると、つい慢心してしまいがちでもあります。武道では「修行の道に終わりなし」と言われているように、常に新鮮で、謙虚な気持ちを忘れることなく、感謝の念を抱いていなければなりません。何事においても「初心忘るべからず」という気持ちをとても大切にされているのです。

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【桑島道場(西讃本部丸亀道場)】

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Information/お知らせ

★桑島道場HP→http://www.niji.or.jp/home/kuwajimadojo/

★桑島道場お知らせブログ→http://ameblo.jp/kyokusinkuwajima/ 

Mama's profile/プロフィール

西山 静香

西山 静香 【国際空手道連盟極真会館香川県本部 桑島道場 指導員】

記事テーマ

心と体を育てます・礼儀作法も身に付く空手~武道と子供教育~

平成24年度から中学校で武道が必修化されました。日本古来から伝わる武道には、ただ強くなるだけではなく「礼に始まり礼に終わる」という言葉がある様に、武士道精神は子供教育にも通ずるところが数多くあります。4歳~小学6年生の少年部空手指導員をしている現在、必修化された武道が教育とどの様に関わっているのかを知って頂ける機会になればと思っています。

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