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答案の上手な活用法~その③~/2012年8月

⑤計算用紙の使い方

さて、答案の上手な活用法は今回でおしまいです。

今まで

 

①全体を眺める

②筆跡

③点ではなく偏差値

④正答率

 

についてお話ししてきましたが、続いて重要なポイントは「計算用紙の使い方」です。

 

計算用紙は、思考過程や立式のヒント作りはもちろん、何より「見直し」をする時にその真価を発揮します。つまり、見直しに活用できないような計算用紙の使い方はNG。

 

さて、計算用紙の使い方にも、お子様それぞれの個性が出ます。タイプ別に見てみましょう。

⑤-1 「超几帳面タイプ」

計算用紙の左上から、問題番号順にびっしりと細かい字(フォントでいうと10サイズ位)で式や計算が書いてあります。

計算用紙をきちんと使えているのはとても良いのですが、きちんと書くことを意識し過ぎて時間がかかってしまうタイプ。提出するのはあくまで答案であり計算用紙ではありません。もう少し要領の良さが必要です。

 

計算用紙の7:3位の位置に縦線をひき、左(7)が式、右(3)が暗算ではできない計算のスペース(筆算など)にします。そして、雑にならない程度に、スピードを上げる事を意識します。この時「ちゃんと式と計算のスペースを区切っているからごちゃごちゃにはならないよ」と、お子様の不安を払拭させる言葉がけをしてあげましょう。

⑤-2 「有効活用タイプ」

「超几帳面タイプ」にもう少し要領が加わり、最も理想的な計算用紙の使い方です。

 

全ての問題の式や計算をきちんと計算用紙に書く必要はありません。2~3行でさらっと解ける問題は問題用紙に直接書き込む、長くてスペースを取る計算問題や、小問題でもきちんと思考の整理や立式が必要な問題は計算用紙を使う等、問題によって計算用紙の有無が判断できています。

 

また、問題と問題の空間の取り方も適切で、見た目がとてもすっきりしており、どこに何が書いてあるのかが一目でわかります。

⑤-3 「スペースが足りないタイプ」

一応問題番号順には式や計算が書かれているものの、字が大きく、無計画にスペースを使っているため結局ごちゃごちゃになり、どこに何が書いてあるかを見つけるのが大変。筆跡もかなり雑です。

 

まずは計算用紙を何等分かに仕切り、一つの問題を一つのスペースで収めるような使い方をしてみましょう。当然字の大きさは普段の半分以下になるはずです。

また、式→筆算→式→筆算・・など、式と計算を同じスペースに書かず、筆算類はスペースの右寄り(7:3にわけた3のスペース)で計算しましょう。

⑤-4 「落書きタイプ」

思いついたものを思いついた場所に書いているタイプです。算数の問題を論理的に考えていない事が読み取れます。筆跡は綺麗な子から雑な子まで様々です。

 

早急にすべきは基本の確認と日々のノートの使い方。

 

きちんと式が書けていますか? この場合の「きちんと」とは、塾で先生が黒板に書くような式を自分で作ることができる、ということをさします。つまり、基本がしっかりと理解できているかどうかですね。

 

ノートも、問題番号や式と答えの区別がきちんとできていない場合が多く、例えば大問番号と枝問番号の区別がついていなかったり、式を計算した後、答えの部分に下線をひくだけだったり。

 

「自分だけの参考書を作っている」という気持ちでノート作りに取り組み、思考の整理をしていきましょう。

⑥間違い直し

さて、最後に最も大切なのは「返された答案の間違い直し」です。

 

テストも“やりっぱなし”ではほとんど意味がありません。塾によっては間違えた問題だけをコピーしてノートに貼る「ミスノート」「難問ノート」作りを推奨しています。

 

ただ、間違い直しは全てする必要なし! 正答率が10%を下回るような問題は、超難関校志望かつ現時点で合格圏内のお子さんだけで十分です。そのかわり、正答率が50%以上のものは基本的に全て解き直しましょう。また、自分で得意分野と自負している問題については正答率20~30%の問題を見直すのも力がつきます。

 

以上、3回にわたって「答案の上手な活用法」をお話ししてきましたが、「うちの子の答案はどうかしら?」「どのタイプかわからない・・」などありましたらお気軽にお問合せ下さい。

Mama's profile/プロフィール

安浪 京子

安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】

記事テーマ

子供の学力がどんどんUPする、魔法の基礎学力法

学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。

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