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受験算数に必要な能力~得点力~/2012年11月

得点力とは

さて、今回はあらゆる“受験”に求められる「得点力」についてです。

 

入試は点数で決まります。

面接でどれほど

 

「この子は当校の理念にぴったりだ」

 

と思われようと、入試で点数が満たなければあっさり落とされます。

 

また、どれほど学校が威信をかけてつくった超難問を正解させようと、他の問題で沢山ミスをして合計点が満たなければ、やはり落とされます。

つまり、合格したければ、人間性や真の学力云々ではなく、「合格ライン以上の点数を取る」ことが必須条件となります。それが「得点力」です

入試の矛盾点

入試には、割り切り――つまり、いかに「点を稼ぐか」という発想が必要です。

東大生は、このあたりが抜群に冴えています。彼らは満点は最初から狙わず、「いかに点を稼ぐか」に焦点を定めます(その方法は後程述べます)。

 

点を稼ぐためには、ある程度の「テクニック」が必要です。そのテクニック故、学力を測るはずの入試で、真の学力が評価されないという矛盾も生じてきます。

 

例えば国語では、作家が入試問題に出題された自分の作品に関する問題を解いてみたら正解できなかった、というのはよくある話ですよね。また、読書が大好きで毎回作文で入賞する子がテストでは点が取れず、全く読書習慣のない子がテストでは毎回100点、という事も頻繁にあります。国語に関していえば、「問題作成者の意図にいかに沿うことができるか」が鍵。

 

算数では、中堅校になると「皆が得点できる問題」と「学校のメッセージが込められた個性的な問題」を織り交ぜる学校が多くなってきます。しかし合格するためには、「皆が得点できる問題」さえきちんと得点できれば、ほとんどの場合合格点に達することができます。

 

何だか「これでいいのか、日本の教育」とつい思ってしまう現実ですが、偏差値で物事が決められる入試制度ではそれに沿うしかないのが実情です。もちろん

 

「こんな制度でわが子を評価されてたまるか」

 

という考えもわかります。ですので、得点力に関しては、学力とは別に”スキルの一部”位に割り切って身に着けるという発想をするのが良いと思います。

 

では、合格するために必要な「得点力」とは、一体どのようなものでしょうか。

 

それはズバリ「問題選別眼」「時間管理力」です。

問題選別眼

 問題選別眼については、過去記事「答案の上手な活用法~その②~」にも共通して言えることですが、

 

①皆が得点できる問題=正答率の高い問題

②超難問=皆も正解できない問題

③これが解ければ皆と差がつくだろうやや難問(算数は1問あたりの得点が大きい)

 

の区別がつくかどうかです。

 

 

大抵の学校は、問題用紙の前半に①が、後半の大問に②③が配置されていますが、当然あちらこちらに罠がしかけられています。つまり、

 

・問1の計算問題に相当ややこしい計算がある

・問2の小問群の中に、③タイプの問題が交じっている

・ラストの大問の(2)が実はあっさり解ける

 

という事も多々あり、厄介なのが、それらが“パッと見”で判断つきにくという点です。

 

まず、一番大切なのは「食わず嫌いをなくす」事。「“速さ”は問題を見ただけでムリ!」というような苦手意識は、入試までに必ずクリアしておくべきです。

では、点の取りやすい・取りにくいの判断がつかない場合どうするか。

 

これは、時間管理力にも関わってきますが、一見簡単そうに見えてなかなか解けない場合、3分以上かけている様であれば一旦飛ばすことです。入試は、見直しの時間も考えるとかなり巻いて解く必要があります。他の問題を一通り見た上で、“一見簡単そうだけど飛ばした問題”に戻ると、案外解けたりするものです。それで解けなければ、その問題は諦めて、解いた問題の見直しに徹する事です。

時間管理力

そもそも、なぜ問題選別眼が必要かといえば、入試には「制限時間」があるから。

そのために、「時間管理力」は必須です。

 

志望校の過去問題を解く過程で、「後でじっくり向き合ってみたら自力で解けた」「時間をかければ解ける」というのは、お子様の理解度を測る上では有効ですが、残念ながら合格はできません。

前述した通り、東大生は「点を取れる問題を効率よく得点していく」ことに長けています。中学入試とて同じこと。時間をかければ解ける問題は「捨てる(諦める)」べきです。

 

まず、入試では全体の時間配分を考えます。制限時間50分であれば、見直しの時間を15分は確保したいので、35分で全問題を割り、1問あたりに割ける時間を割り出します。どの学校も問題数にそれほど大きな年変動はないため、過去問題は必ずこのように取り組みましょう。

 

最初は時間感覚がつかみにくいと思いますので、1問3分であれば、全ての問題を3分間はかります。問題によって「1分で解けた」「えっ!もう3分!?」と感じ方は様々。しかし慣れてくると「あっさり解けたから、2分位余裕ができたな。ちょっと時間のかかる問題に回そう」「もう3分位かけているから一旦飛ばそう」と、時計を見なくても判断できるようになります。

 

 

ただ、この方法には若干個人差があり、「じっくり丁寧に解くタイプ」であれば、問題を解くのに時間がかかるでしょうから、制限時間をめいっぱい解くのに使う代わりに、1回で必ず正解させる「正答力」を誰よりも磨く必要があります。

Mama's profile/プロフィール

安浪 京子

安浪 京子 【プレスティージュパートナー代表】

記事テーマ

子供の学力がどんどんUPする、魔法の基礎学力法

学力低下、理数離れ、詰め込み教育・・誰もが聞いたことのあるこれらのキーワードは、幼児期における家庭での関わり方によって、影響されずにすむ力をつけることができます。そんなエッセンス ―親子で楽しく思考力・集中力を鍛える方法― について連載していきます。

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