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小学校入学前に三種混合ワクチンの接種を(百日せき・ジフテリア・破傷風混合)

三種混合(DPT) 予防接種 教えて!ドクター

(2018年 秋号 掲載)

百日咳は百日咳菌の感染でおこります

典型的な症状は数週間持続する特有の発作性の咳です。乳児がかかると非常に重症になり、肺炎、痙攣(けいれん)を合併し、脳障害を引き起こしたり、死亡することもあります。

乳児の百日咳予防が最も重要です

百日咳に対する対策で最も重要なのは、乳児の重症例を予防することです。米国や英国では妊娠後期に妊婦に成人用三種混合(百日せき・ジフテリア・破傷風混合、以下Tdap)ワクチンを接種し、母体からの移行抗体で出生児の百日咳を予防しています。日本ではTdap は承認されておらず、妊婦に対するワクチン接種の具体的な検討も始まっていません。現状では、生後3か月になったらすぐに四種混合ワクチン(百日せき・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ混合、以下DPT -IPV)を接種することが重要です。

5歳で抗体保有率が最低になります

グラフ①は2013年に行われた感染症流行予測調査での、年齢別の百日咳毒素に対する抗体(抗PT抗体)の保有率を示しています。感染症流行予測調査は厚生労働省が定期的に行っている調査で、抗体保有率は抗体を持っている人の割合です。乳児の発症防御レベルの目安とされる10EU/mL以上の保有率は、ワクチンの接種で乳児期後半に90%以上になります。しかし、1歳以降徐々に低下し、5歳では30%未満に減少し、それ以上の年齢では徐々に増加しています。抗PT抗体はワクチン接種または百日咳菌感染以外では産生されないので、6歳以上の保有率の増加は自然感染が原因と考えられます。

6歳以降で百日咳が増加します

昨年までは百日咳は 一 部の医療機関だけが報告する制度でした。しかし、2018年1月から全医療機関が、診断した百日咳をすべて報告する制度に変更されました。この変更で、年齢別の百日咳の発症数が明らかになってきました。グラフ②は2018年1月1日から7月8日までの年齢別の罹患(りかん)率(百日咳の頻度)を示しています。罹患率は1歳未満の乳児で高く、1歳以降は急激に減少します。これはワクチンが有効であることを表しています。しかし、6歳から増加し8〜9歳でピークになります。この罹患率の増加は抗体保有率の増加と同じ傾向で、ワクチン効果の持続が短く、小学校入学前には追加接種が必要なことを示してい ます。

日本の定期接種では計4回の接種しかありません

日本ではDPT-IPVを乳児期に計3回、1歳以降に1回の接種をしますが、定期接種ではそれ以降に百日咳ワクチンの接種はありません。しかし、多くの先進国では1歳以降も小学校入学前や思春期に追加接種が行われています。日本でも抗体保有率のデータや6歳以降で百日咳の発症数が増加することから、小学校入学前には追加接種が必要なことが明らかです。

小学校入学前に三種混合ワクチンを

現在の百日咳ワクチンの効果は持続が短いため、小学校入学前に追加接種が必要です。また、乳児の百日咳の感染源として、きょうだいが重要であるという報告が増えています。小学校入学前の追加接種は本人の予防だけではなく、乳児の百日咳予防の効果も期待できます。今すぐにできる百日咳対策は小学校入学前に三種混合ワクチンを接種することです。「NPO法人VPDを知って、子どもを守ろうの会」の予防接種スケジュールでは小学校入学前の三種混合ワクチンの接種(任意接種)を推奨しています。

※2018年8月1日から小児科学会も就学前の三種混合ワクチン接種を推奨しました。

 

菅谷明則先生

すがやこどもクリニック院長。1982年慶應義塾大学医学部卒業。慶應義塾大学病院小児科、東京都立大塚病院小児科、東京都立清瀬小児病院循環器科などで勤務し、2005年東京都板橋区で、すがやこどもクリニック開業。小児科専門医。医学博士。

菅谷明則

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