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昔ながらのおむつはずし/2012年10月

「昔は1歳前後でおむつがはずれてた」

「昔は1歳前後でおむつがはずれてた」

そんな話をよく聞きます。

 

実際に30~40年前には、そのくらいの時期におむつが取れるのは常識だったようです。『「おむつはずし」と「トイレトレーニング」』の記事にも書きましたが、子どもの能力や体の構造は今も昔もさして変わりはないはず…。

しかし、昔の子どもたちは早い時期におむつがはずれていた。ということで、「昔ながらのおむつはずし」とはどのように行われていたのでしょうか。

 

今もこの「昔ながら」の方法でトイレトレーニングを実践されている方も、けっこういらっしゃいます。

また、日本(含むアジア)で昔から行われている方法が、最近ではアメリカでEC(エリミネーション コミュニケーション)という名前で実践されるようになり、世界に広まりつつあります。

日本でもここ数年、ECを実践する人が増えてきました。

 

 

この方法でのおむつはずしにトライしている人は、紙おむつではなく、布おむつを使用している場合が多いようです。

ただし、一日中布おむつオンリーではなく、外出時は紙おむつで過ごすなど、併用している方もいますし、必ずしも布でなければいけないということはありません。

布おむつを付けていることにより、赤ちゃんがおしっこを感じやすくなり、取れるのが早いという説もあります。

 

ただ、実際のところは、赤ちゃんではなく、お母さんのほうがおしっこをしたことに気づきやすいことが重要なようです。

おむつが濡れれば気になりますし、布の場合すぐに交換しなければ漏れてしまうこともあるので、必然的にお母さんは赤ちゃんの排泄に敏感になります。

紙おむつよりも布のほうが、赤ちゃんがおしっこをするタイミングや間隔が掴みやすいので、トレーニングしやすいということもあるかもしれません。

 

また、月齢が上がっておしっこの量が増えれば、なおさら頻繁なおむつ替えが必要になり、それならいっそトイレでさせようというのがトイレトレ開始の動機になることもあるようです。

確かにおむつからおしっこを漏らさないようにあれこれ試行錯誤するよりも、トイレトレーニングをしたほうが建設的なのかもしれません。

 

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成長別の実践手順とポイント

★生後間もなく

生まれて間もない赤ちゃんは、だいたい2~3時間くらいでお腹が空いて目を覚ますので、そのタイミングでおむつの交換をすることも多いと思います。

その時に、まだおしっこでおむつが濡れていないようでしたら、そのままおむつを広げて、その上に赤ちゃんを抱え、脚を広げておしっこをさせてあげるとよいでしょう。

もちろんおむつの上ではなく、おまるの上でもOKです。おしっこをさせるために、無理やり起こしたり、お母さんの負担になるような方法を取る必要はありません。

 

「おっぱいのついでにおむつを確認する、濡れていなければ抱えて、出るようならおしっこをさせる。」この程度のことならば、気負うことなくできるかなと思うようでしたら、ぜひ実践してみてください。

まだ赤ちゃんのお世話に慣れないなど、お母さんが少しでも負担に感じるようでしたら、生後間もなくでなくてももちろん大丈夫です。

たとえば首が据わったころからスタートしたとしても遅いということはありません。

 

 

★腰の据わるころ

おむつを開いた状態や、おまるの上に抱えた状態でおしっこをさせる時期を経て、今度はおまるに座った状態でおしっこをさせるように移行します。おまるに座らせるにあたって、だいたい腰が据わってきた頃くらいから始めるのが、お母さんの負担も少なく子どもも安定感があるので安心できてよいでしょう。

また、この頃になると、徐々におしっこの間隔も開き、お母さんもおしっこのサインがわかってくるようになると思います。

 

おまるに座ってのおしっこが成功し、それが普通になると、子どものほうも起きている時に座った姿勢での排泄が習慣となってくるので、寝たままの状態でおむつにおしっこするのを嫌がり、積極的に知らせてくれるように。

まだお話が出来ない子がほとんどだと思うので、おっしっこのサインも子どもによって様々ですが、とにかくそのサインをキャッチしたらすぐにおまるかトイレに連れて行ってあげてください。

 

 

★1歳前後

1歳前の子どもだと、トイレに誘っても嫌がることも少ないので、それまでにおまるやトイレでする習慣を付けておくと、おむつ外しもスムーズに行く例が多いようです。

おまるやトイレでおしっこすることが習慣になってきたら、時期を見て日中はおむつを外して過ごさせます。

時期的には、子どもが自分でトイレやおまるに行って、座れたほうがお互いに楽ですので、アンヨができるようになる1歳前後で始めるのがよいでしょう。

 

季節は、洗濯物が乾きやすく、おむつをせずに薄着でいても風邪をひく心配のない夏がおススメですが、今は空調設備が整っている家庭も多く、乾燥機などもあるので、特にこだわる必要もありません。

まず第一に子どもの成長と体調を見計らって、おむつを外す時期を決めてください。

 

おむつを外してパンツを履かせてもよいのですが、あたたかい家の中で過ごすのであれば、パンツも履かずにお尻を出した状態で過ごすのもひとつの方法です。

今までと同様におまるやトイレに誘っておしっこをさせますが、最初の数日~数週間はお漏らしも多くなるかもしれません。その場合、床掃除という手間は増えますので、お母さん自身が負担に思うのでしたら、トレーニングパンツなどの使用をおすすめします。

 

ただ、できれば何も履かないか、薄手のパンツを着用させておいたほうが、お漏らしをした時に子どもがおしっこを「感じる」ことができ、早々にトイレやおまるでするという自覚を促します。

 

 

★1歳半ころ

これまでの経過が順調に進んでいれば、1歳半頃には日中はおむつをしなくてもトイレでおしっこをすることができるようになっている子どもも多いでしょう。

日中はお漏らしをしなくなっても、夜はまだおねしょをする場合もあるので、不安な場合は2歳くらいまで夜だけおむつを着用しても。日中のおむつと一緒に夜もOKになる子もいるようです。

 

現在一般的になっている、2歳過ぎくらいから始める方法だと、まさにイヤイヤが始まる頃にバッティングしますが、この方法で進めるとその前にはほぼおむつが外れてしまうでしょう。

早期トイレトレーニングのメリットとは?

昔ながらのトイレトレーニングを早期トイレトレーニングだと位置付ける人もいるようですが、このトレーニングに限らず、必ずしも早く始めればそれだけ早くおむつが外れるということはありません。

ただ、現在主流のトレーニング(ここでは「ベーシック・トイレトレーニング」と呼んでいます)に比べたら、早く外れることも多いようです。

1歳~1歳半の頃には外れている子も多く、今どきの2歳~3歳で始めるとトレーニングとは時期が全くかぶらない場合もあります。

 

始めた時期が早いのだから当たり前といえば当たり前ですが、どのようなトレーニングにせよ、子どもに教えることは「おしっこやウンチはおむつではなくトイレにするもの」ということに尽きます。それを「いつ」教えるのかが違うだけ。

0歳の場合は、教えるという言葉は適当ではないので、「伝える」という感じでしょうか。

もしくはおっぱいを飲ませるのと同じように、昔は単なる習慣と位置づけられていたのかもしれません。

 

 

2歳や3歳までそのような体験もせずに「排泄場所=おむつ」が当たり前に育った子どもたちに対して、ある日突然「今日からトイレでしなさい」と言うことのほうが酷なような気もします。

大人でも長らく「習慣」となったことを急に変えることは難しいですよね。子どももやはり同じです。

ずっと「寝たままおむつに垂れ流し」を習慣にしていると、その習慣を変えるのには大変な時間と労力が必要になるのは当然です。

 

0歳児と違って、2歳3歳と言えば色んなことが分かり始める年齢です。理解力もぐんとアップし、自尊心も芽生えます。また自我も芽生え、自己主張もはっきりとしてきます。多くの子どものトイレトレーニングが思うように進まない理由も、ここにあるようです。

 

 

おむつは文明化社会においては、なくてはならないもの。ただ、それを外す時期は必ずくるので、その時の心と体の負担を少しでも減らしてあげることがこの方法の一番のメリットと言えるかもしれません。

0歳の頃から、できるできないは別として、「おむつじゃなくて、おまるやトイレにおしっこ(ウンチ)できたら気持ちいいね」という感覚を身に付けさせることは、別に悪いことではありません。

 

トイレトレーニングもスキンシップの一環です。スキンシップの機会が多いほど、赤ちゃんだって嬉しいはず。

お母さんが負担に感じないのであれば、昔ながらのトイレトレもトイレット・コミュニケーションやECと同様に、スキンシップのひとつと思って実行すれば、「おむつ外し」という枠を超えて、よい結果が得られるかもしれませんね^^

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滝田 加奈子

滝田 加奈子 【トイレトレーニングアドバイザー】

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トイレトレーニングは怖くない!オムツ外しをハッピーな思い出に

トイレトレーニングのイメージというと、面倒くさい、大変そう…というマイナスイメージをもっていませんか?実はトイレトレーニングには、さまざまな方法が存在します。自分とお子さんに合った方法さえ知っていれば、トイレトレーニングは親子の絆を深めるコミュニケーションツールにもなります。親子で楽しく取り組んで、オムツ外しをハッピーな思い出にしましょう!

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