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水ぼうそう(水痘)

水ぼうそう 予防接種 教えて!ドクター

(2014年 秋号 掲載)

誰もが一度はかかる伝染病で、病原体は「水痘帯状疱疹ウイルス」です。感染力がとても強く、水痘の人に出会えば、気道や眼の粘膜を通して飛沫感染し、殆どが14日後に発病します。

経過と症状

赤い虫さされのような発疹が出て、痒くなり、次第に数がふえ、水ぶくれ(水疱)となり全身に広がります。顔や体でよく見つかります。赤いだけから、周りを赤みが囲んだ水疱まで、色々の程度の発疹が次々と現れます。次第に乾いて黒ずみ、最後にかさぶた(痂皮)となって7日くらいで治ります。大きな水疱はかさぶたも大きく、痕を残すことがありますが、次第に目立たなくなります。発疹の数は数えられるくらいから、全身にぎっしり無数に出るまで様々で、発熱も軽度から高熱が数日下がらない重い場合まであるのです。発疹の出る1〜2日前から、かさぶたがすっかり乾燥するまで感染力があります。水疱の内容は感染源ですから、この期間は出席停止です。一斉にうつるのではなく潜伏期も長いため、流行がしばらく続きます。

年齢と症状

生まれてすぐからうつります。12歳以上から大人が重い症状が出やすく、幼児期が軽症ですむと言われますが例外は常にあります。

治療

抗ウイルス剤のアシクロビルが有効ですが、重症の方、大人、原疾患があり、治療中で危険度の高い方に使用するだけで十分です。かゆみには塗り薬がありますが、アトピー用のステロイドの入った薬を塗ってはなりません。

注意すること(合併症)

痒くてかきむしり皮膚に細菌が感染すること(爪を切り清潔に)。
まれに脳炎、肺炎、ライ症候群(解熱にアスピリンを使わなくなってから殆ど見られなくなった重い疾患)。
妊娠初期に感染すると赤ちゃんに、心臓、眼、四肢の低形成などの異常が起こることがある。
ガン、白血病、ネフローゼなど免疫を抑える治療を受けているお子さんは、水痘が重症化しやすく極めて危険です。

予防

日本の高橋理明先生が1974年に開発された世界唯一の水痘生ワクチンがあり、非常に有効です。1987年に認可されたのですが日本では長らく任意接種だったため接種率が低く、水痘は流行し続けました。平成26年10月から水痘ワクチンの定期接種化が決まり、生後12か月から36か月の間に二回接種することになりました。既に実施している国々では、大幅に水痘、特に重症例が減り副反応は殆どなく安全に接種されています。一回の接種では後で軽い水痘が20%くらい見られるので、二回接種が優れています。また水痘接触後72時間以内にワクチン接種すれば、発病を防ぐことができます(メモ1参照)。きょうだい、お友だちなどで接触があったら、時間が勝負ですから、すぐ医師に相談してください。米国では2006年から二回接種とし98%の防御効果と報告されています。日本でもこのレベルになる日を待ちましょう。

●メモ1:ワクチンの驚くべき効果
1976年勤務先の小児科病棟で病児全員を回診した若い医師が水痘になり、7名の白血病などの危険な状態の入院児(ハイリスク児と呼びます)を含めて接触しました。まだ有効な薬剤の無い時代で、私はすぐ高橋先生にお願いし、開発中の水痘ワクチンを大阪から山形まで空輸して頂き、水痘歴のない入院患児15名に接種しました。結果は一人も発病せず、生命の危険すらあったハイリスク児も含め、全員が無事に守られました。以後、何度もあった水痘院内感染の危機を、同じ緊急接種で乗り越えて来たのです。

●メモ2:帯状疱疹との関連性
水痘にかかるとウイルスは一生体内の神経節細胞に潜んでいて、後に活性化し帯状疱疹を起こすことがあり、この発疹も感染力があります。高齢者に水痘ワクチンを使うと帯状疱疹を減らせることがわかっています。

●メモ3:定期接種にともなう経過措置
平成26年10月から27年3月まで経過措置として生後60か月まで定期接種の扱いが受けられます。

勝島矩子先生

東京都生まれ。戦中山形に疎開。東北大学医学部卒。小児科学専攻。大学院を経て大学助手講師。宮城教育大非常勤講師の後、山形市立病院済生館小児科勤務。ロタウイルスの病原決定、臨床像、腸重積症の関連に貢献。1976年開発されて間もない高橋理明先生の水痘ワクチンを名古屋以北で初めて使用し、多くのハイリスク患児を救った。1996年以降はかぜの病因ウイルスの分離を実施。後輩の育成にも力を注ぐ。山形大学非常勤講師。日本小児科学会認定医試問委員。日本感染症学会専門医。論文多数。学会活動も広く行う。1991年勝島小児科医院開設。法人化し現在は理事。

勝島矩子

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