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赤ちゃん・子供の 熱中症・脱水症・かくれ脱水

脱水・熱中症 子どもの病気 教えて!ドクター

(2023年 夏号 掲載)

子供は熱の影響を受けやすい

体は外から熱を受けたり、熱を体から逃したりして体温を36~37℃位になるように調節しています。ヤカンでお湯を沸かす時を想像してください。水の量と火力、ヤカンに火が当たる部分の面積でどれくらいお湯が早く沸騰するかが決まります。同じ火力でも、水の量を減らして、火の当たる面積を最大にすると、お湯はより短い時間で沸騰します。子供は大人に比べて、体重1㎏あたりの皮膚の面積が広いです。ですので、暑いところでは、子供は大人よりも体が熱くなりやすいのです。さらに日なたでは太陽の地面からの照り返しがありますが、身長の低い子供達は地面により近いので、より熱の影響を受けます。

また、筋肉を動かすことで体は熱を作ります。寒い時にガタガタと体が震えるのは筋肉を動かして熱を作り出して、体を温めているのです。軽い運動でも、子供は大人よりも体重1㎏あたりの熱が作り出される量が多いため、暑い日のちょっとした遊びでも子供の体温は上がりやすいのです。

子供は汗っかきではない

体が暑くなると、汗をかきます。子供は大人よりも汗が沢山出ているイメージがありますが、実は違います。体温が上がると、汗をかき、汗が蒸発するときに体から熱を奪うことで、体温が下がります。子供は汗が出始める体温が大人よりも高いのです。つまり、体温が上がってもなかなか汗をかけないので、体温が上がりやすいのです。また、短時間に沢山の汗をかくことも、大人より苦手です。つまり、子供達は汗をかいて体温を調整することが苦手なのです。

脱水症とかくれ脱水

生まれたばかりの赤ちゃんは体重の約80%が水分、1歳ころまでに70%になります。赤ちゃんや小さな子供は、体の中の水分量を保つために体重1㎏あたり100~120㎖の水分が1日に必要です。逆に1日に同じ量の水がおしっこや汗として、体から出て行くのです。体に入ってくる水が減ってくると、おしっこの量を減らして体の中の水分を一定量に保とうとしますが、小さな子供や赤ちゃんではこの機能が未熟です。したがって、大人より体の中の水分が足りなくなる「脱水症」になりやすいのです。脱水症は体の中の水分が多く失われるほど、症状がはっきりとしてきますが(表1参照)、体重の2%以下の脱水では「のどの渇き」以外症状がないため、脱水になっていることに気づきません。これが「かくれ脱水」です。まだ、言葉が話せない赤ちゃんや小さな子は「喉が渇いた」と教えてくれません。また、お話が出来る子供達も、遊びに一生懸命になると、喉が渇いた事など忘れて、遊びに熱中します。ですので、周りにいる大人がこまめに水分補給するように促す必要があります。

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熱中症

暑い環境の中で、自分の体温をうまく調節できなくなった状態が熱中症です(表2)。熱中症は重症度により、Ⅰ~Ⅲ度に分けられています。子供達の熱中症のほとんどは、Ⅰ度(軽症)ですが、中にはⅢ度(重症)となり、死亡するお子さんもいます。死亡例の多くは、夏場に車の中に放置する、停めてあった車に勝手に子供が乗り込んで、チャイルドロックがかかっているために出られずに閉じ込められてしまったなどの事故や虐待です。

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体の中で水は、車のエンジンの冷却水のような働きをしています。冷却水がなくなるとエンジンがオーバーヒートして止まってしまうように、体の中の水分が不足している状態=脱水になると、熱中症は起こりやすくなります。また、汗からは水分と一緒に塩分が体から出ていきます。汗をたくさんかいているのに、塩分の含まれない水やお茶ばかり飲んでいると、塩分の足りない脱水になり、これも熱中症の原因となります。汗をたくさんかいた後は、ベビーイオン水や経口補水液で水分と塩分を補給しましょう。

熱中症は、気温が最も高い8月よりも、梅雨が明けたばかりの7月中旬から下旬の方が多く発生します。これは体が暑さに慣れていないためです。普段からエアコンの設定温度を高めにして暑さに慣れておくことも熱中症予防には重要です。

 

十河剛先生

済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科部長。医学博士。日本小児科学会専門医、日本肝臓学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化管学会専門医・指導医。小児肝臓消化器疾患の専門診療に携わると同時に、Sogo Budo Academy Internationalを主宰し、子供達や学生に躰道などの武道を指導。躰道七段教士、合気道二段、剣道二段。

十河剛

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