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【ママのための睡眠講座】<第8回>これって「夜驚症」?夜間に起こる幼児のギャン泣き/2016年4月

幼児なのに、夜間にギャン泣き・・・。これって何?

「ママのための睡眠講座」をお読みいただきありがとうございます。

今回は、最近私のもとへ多く寄せられているママのお悩みの中でも、夜の睡眠時に伴う幼児のお子さまの気になる行動やギャン泣きについて、詳しくお話しさせていただきたいと思います。

 

ケースとしては、夜眠っていると突然泣き出したり、大声を出したり、何かを探しているようにするなど、さまざまなパターンがあるようです。なだめたり、声をかけたりするとかえって逆効果になることも。

 

子どもの興奮状態がおさまらなくて、ママもどうしたらいいかわからないと悩みを深めることもあるようです。

 

それが、数日続くこともあれば、症状として現われない日もあったり。

これって、いったい何? うちの子どうしちゃったの?

 

それでは、詳しく見ていきましょう! 

 

子ども写真8.jpg

小児に多い3つの「睡眠時随伴症」

「睡眠時随伴症」は、睡眠の始まり(とくにノンレム睡眠の深い睡眠時)や、睡眠中、睡眠から目覚めるときに起こります。望ましくない行動や、感情、夢などが現れたり、自律神経の活動が認められたりします。これらがきっかけとなる怪我や、睡眠リズムの乱れが起きたりといった困った問題になることも・・・。

 

そこで、今回は小児期によく見られる「睡眠時随伴症」3つをご紹介します。

「錯乱性覚醒」、「睡眠時遊行症」、「睡眠時驚愕症」があります。

 

①「錯乱性覚醒」

眠りから目覚める途中や、目覚め後に起こり、子どもに精神的に混乱が見られたりします。徘徊などの症状や、恐怖を感じたりすることはありません。

 

②「睡眠時遊行症」

子どもの不適切な行動に現れます。

例えば、トイレでない場所におしっこしようとしたり、力任せに大きなものを動かそうとしたり、棚や窓などの高いところに登ろうとしたりするなどです。

外に出ようとしたときは、危ないので注意が必要です。

 

これらの出来事については、記憶していることもありますが、再び眠りに入った場合には記憶がないことも。

 

自律神経系の症状(発汗や、頻脈、呼吸が早くなるなど)は、ほとんどありません。

 

③「睡眠時驚愕症」

叫び声や金切声、悲鳴などがみられたり、寝床の上に起き上がったりします。外からの刺激には反応しません。目覚めさせると、混乱状態にあります。

 

自律神経系の症状にも現われます。

発汗や頻脈、呼吸が早くなったり、皮膚の紅潮などが起こったりも。この一連の行動を忘れてしまうこともあれば、夢や幻覚の一部分を覚えていることもあります。

別の名称では「夜驚症」としても有名ですが、「睡眠時驚愕症」は昼寝時にも表れるのが特徴です。

「睡眠時随伴症」の頻度と対処方法

どの行動についても、なだめようとすればするほど子どもは興奮がひどくなり混乱してしまいます。

 

症状としては5~15分ぐらいで終わるものがほとんどですが、30分ぐらい持続する場合もあり、ケースバイケースです。

また、頻度も毎日起こすようなものから、数か月に1回など様々あるようです。

 

「錯乱性覚醒」は3~13歳では17.3%、15歳を超えると2.9~4.2%、「睡眠時遊行症」では6~16歳で40%、「睡眠時驚愕症」は5歳未満で25%、小児で1~6.5%と報告されています。(※)

 

基本的に、このような小児期に多いノンレム睡眠時の症状は、一般的には成長に伴うにつれ、徐々に減少しやがて消失していくことが多いと言われています。

頻度が低いようであれば、しばらく子どもを見守りましょう。

 

また、日中の状況を観察することも大切です。夜のこのような症状を起こす原因や理由がありそうなときには、できるだけそれを取り除くように生活習慣を見直すことも大切になります。

 

 子ども写真7.jpg

 

その場合、「睡眠日誌」を用いて、日中のご機嫌、お昼寝、食事のタイミング、活動などを記録できるようにすると、夜の睡眠改善の手がかりを得られやすくなりますので、10日~2週間ほどつけてみるのもおススメです。

 

ママはとくに心配になると思うのですが、就寝環境になるべく布団以外のモノを置かないなどの配慮や工夫をしておきましょう。

 

具体的には、畳の部屋に寝かせることや、二段ベッドなら下の段に寝かせるなど転倒に配慮すること。

 

混乱して暴れてしまうような場合に備えて、ワレモノや硬い置物やおもちゃを置かないなど、安全性を確保しておけば怪我などの予防にもなります。

 

症状が重く心配になる場合は、睡眠の専門医を受診して相談してみましょう。

 

●参考文献

神山潤(2015)『睡眠の生理と臨床 改訂第3版』診断と治療社

内田直(2013)『好きになる睡眠医学 第2版』講談社

Itani O,kaneita Y,Ikeda M,et al.2013.06.Disorders of arousal and sleep-related bruxism among Japanese adolescents:a nationwide representative survey. Sleep Med 14: 532-541. 

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おやすみロジャー.jpg

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●会  場●

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●アクセス●

住所:神奈川県相模原市中央区千代田7-7-14

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 所要時間:約7分  バス停より徒歩3分ほど

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 所要時間:約12分 バス停より徒歩3分ほど

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鶴田 名緒子

鶴田 名緒子 【睡眠健康指導士・睡眠改善インストラクター】

記事テーマ

「ママのための睡眠講座」

ママが睡眠の知識を深め、家族の健康を睡眠からサポートできるように暮らしに役立つ情報をわかりやすく発信します。赤ちゃんの眠り、保育園児と幼稚園児の生活と睡眠、小学校就学に向けての「子ども生活リズム」の整え方など。「眠育(睡眠の育児&教育)」からママやお子さまに寄り添ってきた指導経験を生かし、心も体もHappyになる毎日の育児を応援します!

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