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【ママのための睡眠講座】<第19回>幼児期に整えたい「子ども生活リズム」の作り方 その3/2016年11月

体内時計、それぞれのリセット方法のおさらい

第18回目は脳に存在する「メイン体内時計」と体の内臓などの遺伝子に存在する「サブ体内時計」のリセット方法について詳しくお話ししました。

 

メイン体内時計は「朝の光を浴びる」こと、サブ体内時計は「朝食を食べる」ことで、私たちの体内時計を24時間に合わせることができます。

 

サーカディアンリズムの約24時間10分を毎朝リセットしていかないと、遅寝遅起きにリズムがずれていき、体のさまざまなところで不調が起こるようになってしまいます。

 

「メイン体内時計」がうまく働かない人でも、この「サブ体内時計」を整えてあげることで、眠りと覚醒のリズムのメリハリを作ることができます。

 

それでは「サブ体内時計」をリセットする「朝食を食べる」という習慣がなぜ重要なのでしょうか。

 

実は、夜の安眠の秘密は「朝食」にあるのです。

「時間栄養学」から考える朝食

具体的に「朝食」には、どんな栄養素を含む食べものを摂取したらいいのでしょうか。

 

体のリズムに合わせて、いつ食事をし、どんな栄養素をとるのがいいのか?という「時間栄養学」が注目を集めています。

 

有名な眠りのマメ知識として「寝る前のホットミルクが安眠に良い」というのがあります。

これは、牛乳に含まれる必須アミノ酸であるトリプトファンが、眠りのホルモンであるメラトニンを分泌するために必要だから、というもの。

 

でも、ホットミルクを飲んで眠りに効果を発するためには、栄養素になるまでの分解の時間を考えるとタイムラグが発生します。

寝る前のタイミングでは、入眠には間に合わないのです。

ホットミルクの常識は、実は間違い。

 

子どもも大人も眠りにいい食事をするなら、いつが適しているのでしょうか。

 

それは、「朝食」のタイミング。

 

朝食.jpg

 

サブ体内時計を整えるためには、3度の食事の時間を決めることももちろん重要なのですが、とりわけ朝食をしっかり食べることがポイントです。

 

前日の夜から朝までの空腹時間が長く、体内時計をリセットさせることができます。

 

朝食を食べるメリットは他にもたくさんあります。

 

1日のエネルギー源となること、腸の蠕動運動を起こして排泄リズムを作ること、肥満防止になること。  

 

朝食を食べるだけで、体に良いことがたくさんあるので食べない手はありませんね!

夜の快眠のために朝食で摂りたいメニューは?

脳は眠っている間にメンテナンスが行われます。このときにブドウ糖がたくさん使われています。

 

このブドウ糖は脳にとって大切な栄養素というのは有名ですよね。

朝にしっかりとブドウ糖を補給していきましょう。

ごはんやパンなどの炭水化物に含まれています。

 

朝食を欠食してしまうと、ブドウ糖を摂取することができませんので、筋肉などの貯蔵しているブドウ糖を脳に回そうとします。

すると、筋肉量の減少とともに代謝量も減ってしまいます。

 

しっかり朝食を摂ることは脳にとっても体にとっても大切だからこそ、家族に優しい習慣であるとも言えますね。

 

炭水化物とビタミンB1を一緒に摂取するとブドウ糖の吸収が良くなります。

ぬか漬けや、豚肉、雑穀米などと合わせて食べましょう。

 

玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維が多く含まれているので白米を置き換えてみるのもおすすめです。

ただし、小さなお子さまには食べづらいこともありますので、ご家庭にあった主食選びをしてみてくださいね。

 

日中の元気のもととなる神経伝達物質のセロトニンは、夕方から分泌される眠りのホルモンのメラトニンに変化していきます。

たんぱく質の食品に含まれている、必須アミノ酸のトリプトファンを摂りましょう。

必須アミノ酸も食事からしか摂ることができません。

 

乳製品でしたら、牛乳、チーズ、ヨーグルトに含まれています。

その他、バナナや鶏肉などにも含まれていますので、朝食メニューに取り入れてみてください。

 

朝食jpg

 

特に和食はおすすめです!

豆類でしたら、豆腐、味噌、納豆などにもトリプトファンは多く含まれています。

日本人なら馴染みのある豆類の食材を使って、豆腐の味噌汁にしたり、納豆を食べたり。

 

おかずには魚を焼いてみるのも美味しいですよね。 

魚油は、サブ体内時計のリセット力も高くなることがわかっていますし、セロトニンの合成で必要なビタミンB6も含まれています。

マグロ(ツナ)は体内時計を動かす力が大きく即効性がありますので、時間がない朝には缶詰などを活用するとお手軽です。

 

洋食にする場合は、ツナサンドイッチにしたり、オムレツやサラダに入れたりと、アイディア次第で応用できるのも嬉しいところ。

 

和食と洋食ともに、具だくさんのお味噌汁や野菜スープなどを合わせると栄養のバランスがとれます。

 

何と言っても、温かい汁ものは体をポカポカと暖めてくれて心も体もホッとできます。

 

眠りと覚醒には体温の変化も大きく関わってきますので、朝食に温食を入れてみてください。

体温が上がっている間に人はしっかり起きて、眠っている間に体温は低くなります。

 

体温のメリハリをつけると、夜眠りにつきやすく、朝目覚めやすくなります。

 

朝食jpg

 

眠りと目覚めが心地よくなるリズム作りのためにも、家族で美味しい朝食を食べる時間を大切にしてみてくださいね。

朝食はメリットをたくさんもたらしてくれます。 

早寝早起き朝ごはんの習慣を作ることで「子ども生活リズム」も整いやすくなりますよ!

 

次回は「朝食を欠食したときのデメリット」について詳しくお伝えしたいと思います。 

 

●参考文献

香川靖雄:編著(2009)『時間栄養学』女子栄養大学出版部  

古谷彰子(2014)『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』ディスカバー・トゥエンティワン 

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所 在 地:神奈川県相模原市中央区富士見6-1-1

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電  話:042-769-8233

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鶴田 名緒子 【睡眠健康指導士・睡眠改善インストラクター】

記事テーマ

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