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食中毒から家族を守ろう~予防のひけつ~

嘔吐・下痢 子どもの病気 教えて!ドクター

(2021年 夏号 掲載)

みなさんのご家庭での食中毒対策は大丈夫でしょうか。気温と湿度の上昇は私たち人間には堪えますが、それとは反対に生き生きと活発に活動しているのが〝微生物”です。みなさん自身をそして家族を食中毒から守るべく普段から気をつけなければならないことを整理しましょう

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食中毒はなぜおこるの?

食中毒は原因となる微生物が体内に入って、直接あるいは産生される毒素が悪さをして下痢や嘔吐、発熱などの症状を引き起こします。日本で報告されている代表的な食中毒原因微生物は、冬に流行するノロウイルスが約半数を占め、その他カンピロバクター、ウェルシュ菌、病原性大腸菌、寄生虫、サルモネラ属菌、ぶどう球菌、と続きます。これらの微生物は季節によって流行が異なる特徴があり、ノロウイルス以外は梅雨から夏の高温多湿の時期に多くなる傾向があり、これからの時期が食中毒の本番です。

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食中毒予防の3原則

食中毒を防ぐには、原因となる微生物を『つけない』、『増やさない』、『死滅させる』この3つの原則を守ることが大切です。この原則に従い原因微生物が体に入らなければ食中毒はおこらないのです。この3つの原則を基とした家庭でやるべき食中毒予防の6つのポイントを是非ご確認ください。

  1. 食材や手に付着している原因微生物が調理の際に様々なところに付着して広がったり、増えたりすることを防ぐ必要があります。みなさん、生肉を調理したまな板や包丁をそのまま他の調理に使っていませんか? 生肉が原因の食中毒は多く報告されており、生肉の調理に使用した器具はその都度適切に洗浄し清潔を保ちましょう。
  2. また、微生物を増やさないためにも、食材や調理後の料理の保存温度にも気をつけなければなりません。
  3. 3つ目の原則である微生物を死滅させるためには、加熱、次亜塩素酸ナトリウムやアルコールなどの消毒薬の使用が 一般的に行われています。カンピロバクターや病原性大腸菌は肉類に多く付着してますが、しっかりと加熱調理することで容易に死滅させることができます。

一方で注意点もあります。通常の加熱調理でも死滅しない熱に強い微生物(芽胞を形成した菌)が存在し、調理したカレーやシチューなどが原因となった食中毒が報告されています。加熱してもダメな場合もあるのですから、やはり大切なのは原因微生物をつけない、増やさないような衛生的な調理を心がけることです。

一にも二にも手指衛生

病院において患者さんを感染から守るために最も重要視していることの 一 つが手指衛生です。私の勤務する病院でも、全てのスタッフが手指衛生遵守に取り組んでいます。実は病院だけでなく、日常生活においてもみなさんが思っている以上に手指衛生は重要なのです。私たちの手にはもともとすみついている菌(常在菌)がいますが、それは食中毒の原因菌となることはなく、 一 時的に手についてしまった菌(通過菌)が食中毒の原因となるのです。

おにぎりによる食中毒がしばしばおこりますが、手に 一 時的に付着していた通過菌である黄色ブドウ球菌等がおにぎりに付着して増殖し、毒素を産生することが原因と考えられます。おにぎりを握る前に手洗いにより通過菌を除去すれば食中毒は防止できるのです。調理前はもちろんのこと、調理中でも生肉や魚介類を手で扱った後にも手指衛生をしっかり行いましょう。

手指衛生の方法

手指衛生には2つの方法があります。 一 つは流水と石けんを用いる方法と、もう 一 つはアルコール手指消毒薬による方法です。流水と石けんによる手洗いは汚れを落とすとともに、通過菌を除去することができますが、30秒程度の十分な時間をかけて行う必要があります。

一 方、アルコール手指消毒薬は、簡便でかつ微生物の除去効果も流水と石けんによる手洗いよりも優れています。十分な効果を得るためには、手に塗るというよりも手指全体にしっかりと擦り込むような方法が必要となります。さらに、市販されているアルコール手指消毒薬には手荒れ防止のための保湿剤等も含んでいます。

しかし、ノロウイルスにはアルコールの効果が期待できないので、流水と石けんによる手洗いを行う必要があるなどの注意点もあります。正しい手指衛生を身につけることはとても大切なので、保育所や幼稚園、小学校あるいは地域での手洗い教室などがありましたら、ぜひ参加してみてください。食中毒のみならず、風邪やインフルエンザさらには新型コロナウイルス感染症の予防にも手指衛生が大変重要となります。家族全員で手洗励行し、日々みなさん健康な生活をおくりましょう!

 

高山和郎先生

東京大学医学部附属病院(東京都文京区)勤務の薬剤師。新潟県上越市出身。1993年昭和薬科大学大学院修了後より現職。2000年より院内感染対策チームに所属し、病院内外における感染対策の啓発・教育に従事するとともに災害時医療にも携わっている。感染制御認定薬剤師、抗菌化学療法認定薬剤師、救急認定薬剤師、災害医療認定薬剤師、日本DMAT隊員。

高山和郎

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