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ポリオとポリオワクチン

ポリオ 予防接種 教えて!ドクター

(2013年 春号 掲載)

ポリオとは

ポリオ(急性灰白髄炎)は、ポリオウイルスの中枢神経への感染により引き起こされる急性ウイルス感染症で、一般的には、“脊髄性小児マヒ”と呼ばれる病気です。5歳以下の小児がかかることが多いですが、実際には大人でも感染することがあります。

経口感染でうつり、腸で増えたウイルスは便中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。感染して実際に発症するのは1%未満ですが、発症すると、初期には発熱や下痢など風邪や胃腸炎のような症状がみられ、熱が下がる頃に手足のマヒが起こり、筋力低下、筋緊張低下、筋肉萎縮が後遺症として残ることもあります。また、マヒが一旦治ったようにみえても、数十年経って突然、疲労、痛み、筋力低下などの症状がみられることがあります(ポストポリオ症候群PPS)。

現在の医学では、ポリオが発症した場合、治すための有効な治療薬はなく、またPPSを防ぐ手段もありません。ポリオに対する唯一の対処方法は「予防=ワクチン接種」です。

ポリオの流行

日本では過去に大流行がありましたが、1980年の1例を最後に現在まで、野生株(自然に流行しているもの)によるポリオの発症例は報告されていません。

パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアの3ヵ国ではまだ流行しています(インドは2011年の1例を最後に発症例は報告されていません)。これら3ヵ国の周辺では繰り返しポリオの流行が起こっていますし、先進国であっても、ワクチン未接種の人たちに感染・発症した報告もあります。今後日本にウイルスが持ち込まれ、感染する危険性はゼロではありません。

まだワクチンが未接種なら、できるだけ早くワクチン接種を行うことが推奨されます。

ポリオワクチン

ワクチンには、ウイルスは生きているものの毒性を弱めた経口生ワクチン(OPV)と、ウイルスを化学処理して感染性や病原性をなくした注射用不活化ワクチン(IPV)があります。

日本ではこれまでOPVが定期予防接種として用いられてきました。しかし、毒性は弱いですが生きたウイルスを使っているため、ワクチンからポリオに感染する危険性があり、2012年9月、世界で30年以上の実績があるイモバックスというIPVが導入されました。

また、これまで使われていたOPVを不活化処理して用いたIPVも開発されました。三種混合ワクチンと混合され、四種混合ワクチンとして昨年11月より用いられています。

さらに、すでに認可されたイモバックスを三種混合ワクチンと混合した、もう一種類の四種混合ワクチンが、今年秋以降に認可される予定です。

このように、IPVは3種類が存在することになりますが、これら3種類の効果は、いずれを選んでも十分だと考えられています。厚労省は、基本的に四種混合ワクチンの接種を推奨していますが、三種混合ワクチン+IPVも選択可能です。

これまでに一度でも三種混合ワクチン、OPV、IPVを接種した子どもは、以後も三種混合ワクチン+IPVを選択することになります。これから予防接種を始める子どもたちは、三種混合ワクチン+IPVと、四種混合ワクチンのいずれも選択可能です。

ワクチン接種
スケジュール

単独IPVでも四種混合ワクチンでも、基本的には、これまでの三種混合ワクチンと同じ接種スケジュールです。
初回接種として生後3ヵ月以降に、3~8週間あけて3回連続して接種し、1年~1年半後に追加(4回目)接種を行います。

これまでにOPVやIPVの接種を受けている場合は、それらを含めて、合計4回の接種を行います。輸入IPVを米国のスケジュールに従って接種している場合は、最後までそのスケジュールで接種します。OPVを2回接種している場合は、IPVの追加接種は不要です。

ワクチンに関してよく分からないことがあれば、積極的にかかりつけ医にご相談ください。

 

松山剛先生

千葉県立佐原病院小児科部長。平成2年旭川医科大学卒。都立病院・大学病院勤務の後、平成21年9月より現職。専門は小児アレルギー(認定専門医)。平成23年2月、公立病院としては日本で最初に地域住民向け輸入ポリオワクチンの接種を開始した。

松山剛

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