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パン作りに必要な強力粉の安全性を考える/2015年3月

パン作りに大切な「強力粉」を考える

パン作りをする上で必要な材料、小麦粉・塩・砂糖・パン酵母・水分。これらは基本的にどんなパンでも必要です。食事パンでも、甘いパンでも。これに、卵やバター、乳製品、油脂などの副材料が加わって、いろいろな種類のパンが作られています。

 

今回、子どもに安心な手作りパンを作りたいママへお伝えしたいのは、このうちの小麦粉です。パン作りのレシピの中で最も分量が多いのが、小麦粉。安心な食材を子どもに、と願うママはあれもこれも安心食材を求めると神経も使うしお値段もなかなか。なので、食べる分量が多いものから気を付けることをおすすめします。
 

あまり普段考えていない小麦粉のこと、ちょっと学んでいきましょう!

パン作りに大切なタンパク質の多い小麦粉を求めて

スーパーで買う小麦粉は数種類かもしれませんが、製菓製パン専門店へ行くと色々な小麦粉に出会えます。強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、さらにそれの国産、外国産、さらにその上ブランドも様々。一概に小麦粉といっても、今は本当にたくさんの種類があるんです。

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お菓子作りは薄力粉、うどんは中力粉、そしてパン作りで主に使うのは強力粉。スーパーで売っている強力粉だと「カメリア」が一般的ですかね。強力粉はアメリカ産とカナダ産の輸入小麦が多いです。
 

パンがふくらむために必要なタンパク質が豊富に含まれていて、昔からパン作りには外国産の輸入小麦が使われてきました。輸入小麦で心配なのはポストハーベスト農薬。聞いたことがあるでしょうか? 「ポスト」は「後」、ハーベストは「収穫」を意味しています。つまり、小麦の収穫後に使用される農薬です。外国から日本に小麦を安全に運ぶために、防虫剤や防カビ剤が使われるのですが、これが残留農薬として健康に影響を与えうるという考え方もあります。

 

そして近年では私たちの国産志向も進み、国産小麦に注目が集まってきました。

 

ですが、国産小麦はパン作りには適さないと長年言われてきました。国産小麦はパンを膨らませるために重要なタンパク質量が輸入小麦に比べて多くないのです。そうなると、いくら頑張ってこねても膨らみが悪く、目の詰まったパンになりやすいです。

 

さらにもう一歩踏み込んだことを言うと、国産小麦はブランドによって吸水率が違うこともパン作りにはネック。吸水率とは、その粉が水分と触れた時にどれくらい粉の中に水分を吸収するか、ということ。吸水率が高いとたくさんの水分を粉が吸収するし、低いと水分の吸収が悪く、べちゃべちゃした生地になりやすいです。吸水率によって、パン作りのレシピ(加える水分量)を変えなきゃいけないのです。さらには作られた年によっても品質がまちまち、といった側面もあります。

 

そのため、国産小麦といえば中力粉や薄力粉がほとんど。パン用の強力粉は国産のものはほとんど出回っておらず、タンパク質量の多く扱いやすい輸入ものが今も主流です。

国産小麦と輸入小麦、どっちを選べばいいの?

今では「春よ恋」などのパン作りに向いた国産強力粉も出回ってきました。国産ということは、保管や流通にかかる時間が輸入するものより少なく済むため、ポストハーベスト農薬はそもそも必要ありません。

 

もちろん、小麦の栽培中に使用される農薬は国産も外国産もあるでしょう。栽培中の農薬は日光にあたったり、土壌で分解されたりして残留量が減っていくことが期待できます。

 

でも、ポストハーベスト農薬は収穫後に散布するので、そのまま私たちが食べる部分に残ります。私たちの口に入る瞬間からさかのぼって、近い時期に散布されるので、より問題視されているのです。

 

 こういう安全性の問題は賛否両論あるし、「これなら安心できる」という気持ちは人によってレベルが違います。つまり大切なのは、自分がしっかり理解して納得して買うということ。

 

子どもの食べるものは、ママの選択したものです。いつもはなんとなく買って、なんとなく食べているものも、これはどうやって作られるんだろう、どうしてこんなに安いんだろう、などを考えてみませんか?

パン作りはまず小麦粉選びから

ママが選んだ食材で子どもの身体が作られていくんだから、責任重大ですよね。

 

パン作りする時に一番分量の多い小麦粉。今まではスーパーにあるものをただただ買っていた方も、パッケージ裏の食品表示を見てみたり、他の商品とその食品表示を比べてみたりするところからはじめてみませんか^^

Mama's profile/プロフィール

島村 麻美

島村 麻美 【アレルギーっ子も食べられるパン教室 主宰】

記事テーマ

NO卵!NO乳製品!アレルギーっ子とおいしく食べるパン生活

0歳~1歳児に特に多い、卵・乳の食物アレルギー。市販のパンには卵や乳成分が入っているものが多く、それらが入ってないのはバケットのような固いパンばかり。だったらおうちで作っちゃおう! 私が息子に作っている卵や乳製品なしでもおいしいパン作りのレシピやコツ、アレルギーっ子のパン作りで気をつける事、パンの材料の選び方などをお届けします。

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