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発達障がいとは ~「ほめる」ことが子どもの行動を変える~

発達障がい 子どもの病気 教えて!ドクター

(2019年 特別編集号 掲載)

社会生活を送るうえでの支障と困難

発達障がいという言葉は最近よく耳にしますが、発達障がいにもいろいろな種類がありますし、何よりもたとえば「じっとしているといらいらする」「集中できなくなる」「苦手な人がいる」「特定の音を聞くのが嫌い」などの症状は言ってみれば誰もが持っています。しかしそうした症状が強くなってきて社会生活を送るうえで支障になってくると障がいという言葉を使うことになります。

発達障がいではコミュニケーションや行動の面でのトラブルがよく見られます。コミュニケーションの面では自閉症スペクトラム障がい(ASD)や学習障がい(LD)が見つかることがありますし、行動の面では注意欠陥・多動性障がい(ADHD)などが代表になるでしょう。しかしこうした診断名がついてもそれぞれの人が抱える症状や困難はさまざまです。医療や保健や教育や福祉など、多くの部門が連携して対応していくことになります。

幼児期の診断と子どもに合わせた対応

子どもの時期のわが国の発達障がいでの大きな問題は3つあります。一つ目は言葉の遅れをきっかけとして発見されることが多い幼児期のASDの問題であり、二つ目は幼児期から成人期に至るまでコミュニケーションや行動が原因となって生活に困難を抱えることの多いASDやADHDの問題、そして三つ目はLDや発達性協調運動障がいなど、わが国では十分に知られていないために診断すら受けられない場合があることです。

幼児期ではこのうち一つ目の言葉の遅れによって発見されることの多いASDと、二つ目の幼稚園に通うようになって落ち着きがない、衝動的に割り込む、会話がうまくつながらないなどのASDやADHDに対応していく必要があります。ここでは診断名としてのASDやADHDに触れていますが、本当は診断がつかなくても、子どもが生活面での困難を抱えているのであれば、その困難に対応してゆくことが望ましいのですが、実際には多くのサポートは診断がついていないと受けられないことが多いという問題もあります。

となるとたとえばASDについては、診断される年齢がアメリカやイギリスに比べて遅いことが多いので、対応も遅れるという傾向があります。また対応についてもわが国では児童発達支援施設(利用には基本的に受給者証や障がい者手帳の取得が必要です)で行われることが多いのですが、小集団での対応が多く、ひとりひとりに合った対応や支援計画が実行されているとは限らないという問題もあります。

言葉の遅れのあるASDの場合、わが国では言葉の遅れ=知的障がいとみなされることが多かったのですが、最近では幼児期早期から介入して、それぞれの子どもに合わせたいろいろな対応をすることにより、知的な面やコミュニケーションの面で飛躍的に伸びる場合があることもわかってきました。まだまだそうした介入ができる場所が少ないという問題もありますが、今後は対応できる医療機関なども少しずつ増えてくるのではないかと期待しています。

保護者の方たちに知っていただきたいこと

言葉の遅れがあるかなと思った場合には、耳が聞こえているかどうか(スマホでささやき声で話しかけてみます、疑わしければ耳鼻科に相談します)のチェックが必要ですが、聞こえているのであれば次に理解をチェックします。「ゴミ捨てて」「ボールひろって」などの指示がたとえば1歳6か月で理解し、実行できるようであれば、言葉もそのうちに出てくることが多いですが、理解もできていない場合には保健センターやかかりつけ医に相談してみてください。

幼稚園などで割り込みや飛び出し等の不適切な行動が見られる場合には、子どもたちはそうした行動を「叱られて」いることが多いですが、叱ってばかりいてもその行動は消えません。一定の時間、がまんできたら「ほめる」ことが子どもの行動を変えることにつながります。幼稚園・保育園だけではなく家庭でも同じですね。

 

平岩幹男先生

小児科専門医、身体障害福祉法指定医(肢体不自由)。東京大学医学部医学科卒業後、戸田市立健康管理センターなどを経て2009 年にRabbit Developmental Research を開設。専門領域は、発達障害(自閉症)、乳幼児健診、思春期医学など。

平岩幹男

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