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アニマルセラピー/2013年5月

アニマルセラピーとは

子どもの情操教育の一環としてペットの飼育を検討する方も多いと思います。

 

実は、動物を飼うことや日常的にふれあうことが、体と心のストレスを和らげるなどのよい影響を与えることが、多くの研究で明らかになっています。これらの効果を医療や福祉の場に活用したものが、アニマルセラピーです。 

 

日本では犬や他の動物と共に高齢者施設や医療機関を訪問するすべての活動をアニマルセラピーという言葉で表現しているのが現状です。

 

アニマルセラピーという語は「動物の治療」そのものを意味する場合があり、誤解を招きやすいことから、専門の医療関係者が動物を用いて最終目標を持って行う治療行為を「動物介在療法」<Animal Assisted Therapy(AAT)、動物とともに施設や病院を訪問し癒しやふれあいを提供したり共有したりする活動を「動物介在活動」<Animal Assisted Actibity(AAA)>と分類して用いられることもあります。 

 

今日につながるアニマルセラピーの研究と実践のはじまりは1970年代にさかのぼり、1980年以降、欧米先進国のアニマルセラピーは代替療法のひとつとして認められています。
子どもたちにとってアニマルセラピーとは

 自然の窓としての動物とのふれあいは、子どもたちの健全な脳の発達に、欠かすことのできない重要なものであることが明らかにされています。

人間の子どもでも、子犬や子猫でも、社会化期にこそ最も大切なしつけ(ルール)を容易に脳に刷り込むことができます。

 
社会化とは社会学の用語で、子どもやその社会の新規参入者が、その社会の文化、特に価値と規範を身につけることを指します。
 
社会化期は、子犬では生後3~12週、子猫では生後3~7週です。
子どもでは、幼児期から児童期の第1次社会化期と児童期後期から成熟期の第2次社会化期に分けられます。
人々にアニマルセラピーがもたらす効果

アニマルセラピーは子ども以外の人々にも様々な効果をもたらします。

 

高齢者にとって:動物と同居して動物の世話をすることが、認知症の予防になり、孤独感や抑うつ状態を和らげるとともに、自尊心や自発性を生み出し、さらなる生きがいとQOL(クオリティーオブライフ、生活の質)の向上に役立ちます。

 

 心身に障害を持つ人にとって:動物を介在させることでいろいろなリハビリテーションや病気治療の効果が促進されます。

 

健常者にとって:動物とともに暮らすことでお互いの心身が癒され、安心感を覚え、動物がいることで見知らぬ人との会話が生まれたりと、多くの恩恵を受けます。
 
 
1980年にアメリカ獣医師会は「人と動物の絆」が人だけでなく動物の健康にもよい影響を与えると発表しました。
アニマルセラピーの効果

アニマルセラピーの効果は大きく3つに分類されます。

 

生理学的効果:動物と触れ合うことによって、血圧が安定する。

 心筋梗塞手術後の患者の延命率が動物を飼っている患者がそうでない患者の3倍高かったというデータも発表されています。

出典: 日本動物病院福祉協会2000年度年次大会およびIAHAIO第1回環太平洋大会

大会基調講演

 

心理的効果:動物がストレス後の抑うつを防ぐ要因となったこと。
動物が、ある集団に参加する動機付けとなったことなど。
 
社会的効果:動物を介在して、人間同士の交流が促進されるという社会的潤滑油としての作用。
 
 
次回は具体的な活動や、動物の適性についてお知らせしたいと思います。

Mama's profile/プロフィール

小田 寿美子

小田 寿美子 ー獣医師ー

記事テーマ

子どもとペットのいる暮らし

犬猫をはじめ、うさぎやハムスター、小鳥など、家族の一員として、また子どもの情操教育のために、ペットは日本の家庭にも欠かせない存在になってきています。ペットのいる暮らしに関するさまざまな疑問、メリットやデメリットについて、専門的な立場から連載していきます。ペットの問題行動カウンセラーとしても活躍する、筆者ならではの多彩な視点から述べます。

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