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【親子で日本茶!⑲】新茶の季節に茶摘み体験/2017年5月

「新茶」の季節

夏も近づく八十八夜♪でおなじみの茶摘みの歌。

今年も新茶の季節がやってきました!

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 (2017年5月7日撮影@狭山)

 

お茶の木は常緑樹です。

冬にしっかり養分を蓄え、春になって芽吹く、そのやわらかい新芽を摘んで加工し出来立てを味わえるのが「新茶」です。

 

「八十八夜」とは立春から数えて88日目のことで、この時期に採れる新茶は不老長寿の縁起物として扱われてきました(2017年は5月2日)。

 

暖かい地域から桜前線のように、新茶の茶摘みがスタートし、続々と店頭に並び始めます。

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その年の気候・天候に左右されるため生産者の方々のご苦労は並々ならぬものだそうですが、香り高い新茶はそれだけの価値のあるもので、贈り物にも喜ばれます。

親子で茶摘み体験

そんな新茶の季節、5月上旬に家族で狭山で茶摘み体験に参加しました。

 

最初に茶摘みのコツを教えていただいた後は30分ほど自由に茶摘み。

休日は家族連れも多く、幼稚園児~小学生も茶摘みをしながらてんとう虫を見つけたりと思い思いに楽しんでいました。

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(狭山「宮野園」にて)

 

茶娘の衣装も借りて着てみたところ、動きやすく、また手の甲や足も覆われているため、木の枝などで傷つくのを防いだり日焼けしたりするのを防ぐ役目もあり機能的です。

 

歌にも登場する「あかねだすき」(たすきがけにしている赤い紐)の「あかね」は止血剤でもあり、茶摘みで傷ついた手を「あかね」を擦り込みながら作業したとも言われています。

先人の知恵でとても理にかなったものだったようです。

 

茶摘みは「一芯二葉(いっしんによう)」と言い、新芽の一番上にある芽(芯)と2つの葉の下で、やさしく引くようにぽきっと摘むのが良いとされています。

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(一芯二葉。2016年小田原で撮影)

 

爪を立てたり無理やり引っ張ったりすると、葉や茎が傷ついてお茶の味に影響します。 

 

昔は手摘みでしたが、今は機械で刈り取るのが主流で、手摘みのお茶は手間がかかるため高価で貴重です。

 

今回は家族でこんなにたくさん摘みました。

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摘みたての葉を「手揉み茶」に

茶摘みの後、ご指導いただきながら簡単な手揉み茶を作りました。

幼児でも簡単に飽きずに楽しめます。

 

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生のお茶の葉が、加熱しながら揉んでいくうちにだんだん煎茶に近づいていきます。

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最初は「草やほうれん草のような香り」だったものが加工が進むにつれ「お茶の香り」になっていくのも、手触りが変わっていくのも五感で感じられ、実体験の「食育」となりました。

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(出来上がり!)

 

簡単な方法でもそれなりに手間もかかり、摘んだ生の葉の量からすると出来上がりの手揉み茶の量はほんの少しになるので、生のお茶の葉が煎茶になるまでは本当に大変なんだということが実感できます。

※本来の手揉み茶はその日の朝茶摘みをし、手揉みの作業は夜中までかかります。

 

摘みたての葉で作った手揉み茶を、その日のうちに味わってみました。

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爽やかな香り、淡い美しい黄色、さっぱりとした中にほんのり感じる甘味がとてもおいしく、感動しました。

娘も「私が摘んで、私が作ったお茶!とってもおいしい!」と急須でお茶をいれてくれました。

 

茶摘み体験では、摘みたての生の葉を天ぷらにして、煎茶塩(煎茶をこまかくしたもの+塩)でいただきました。

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(奥がお茶の葉天ぷら、手前が煎茶塩)

 

「少し苦みがあるけど、おいしい!」と子どもたちにも大人気でした。

 

摘んだ生の葉は半日以上経過して萎れてくると花のような香りが漂ってきます。

これは萎凋(いちょう)といって、酸化発酵が進んでいる証拠です。

烏龍茶や紅茶はこの香りを活かして酸化発酵した葉を加工します。

 

逆に日本茶(煎茶・玉露など)の場合は酸化発酵をさせずに摘みたての葉を蒸して緑色を留め、葉そのもののシンプルな香りとうま味や甘味を楽しみます。

 

そのため、その場で加工した手揉み茶や天ぷらと、自宅に生の葉を持ち帰ってから作った手揉み茶や天ぷらとでは香りが違っていました。

この違いが感じられるのも、茶摘み体験の醍醐味です。 

全国の茶産地でも茶摘み体験ができます

茶摘み体験は全国の茶産地で行われています。

 

5月上旬~中旬が多く、茶産地を盛り上げるための大規模なイベントでは無料で体験できるものもあったり、秋まで体験できるところもあります(注:雨天の場合は茶摘みは中止になることが多いです)。

 

検索サイトで、お近くの「茶産地名」・「茶摘み」・「体験」とキーワードを入れて探してみましょう(未就学児は可能かどうか要問合せ)。

 

親子で茶摘みの歌を歌いながらの茶摘み体験、とても良い経験になりますよ。

 

 

次回は、この時期ならではの「新茶の楽しみ方」についてご紹介します。

 

 

参考資料:『日本茶の図鑑』 監修:公益社団法人日本茶業中央会、NPO法人日本茶インストラクター協会 マイナビ出版発行

  

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Mama's profile/プロフィール

酒井 知子

酒井 知子 【日本茶インストラクター】

記事テーマ

親子で楽しむ日本茶のある暮らし

親子で日本茶ライフを楽しんでみませんか?お茶を飲むだけでなく、見て触って香りを嗅いで、子ども達は五感で楽しむことがでます。2歳から茶筅を握り3歳からはmy急須でお茶をいれる娘との日本茶ライフの中から、親子で楽しめるアイディアをご紹介します。茶葉の選び方やお茶のいれ方など日本茶インストラクターならではのコツやポイントも交えてお伝えします。

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