昨今は、いじめなど、公教育に対する不安や、わが子に出来るだけいい教育を・・・とお考えになる方が増えて、少子化にもかかわらず、中学受験者はそれほど減っていません。むしろ、都市部では、クラスの半分以上が受験をする、という小学校もあります。
今回は、中学受験をお考えのご家庭に・・・と題してお話しします。
もし、「我が家も中学受験をさせようかしら」とお考えでしたら、まず、何をやらなくてはいけないでしょうか?
塾に入れる時期ですか? 志望校ですか?
それは、「ご夫婦の話し合い」です。
受験を決めてから一番良くないのが、「ご夫婦で意見が分かれること」です。
中学受験を始めるときに、親子の温度差があるのは当然です。でも、夫婦の温度差があると、なかなかうまくいきません。
「ママが勉強しろ、っていうけれど、パパは遊んでいいって言うし・・・」
「ママは付属校に行かせたいけれど、パパは進学校希望でねえ・・・」
というのでは、長い受験生活できっと、もめごとが起こります。
高学年になってから、「いや~、お父さんは受験には反対でね,・・・」なんていう事のないように、、少なくとも、中学受験をする・しない、というのは、きちんと夫婦で話し合って決めておきましょう。
親御さんの意見が合わなくて、一番困るのは、お子様ですから!
その時、役割分担などについても話をしておかれるといいですね。
主導権はどちらが持つのか、日々の勉強のサポートは誰がするのか・・・
両方とも、受験まっしぐら・・・というのは、お子様の負担になりますのでやめておきましょう。どちらかがサポートに回るようにいたしましょう。
通常、新4年生から(3年生の三学期) 塾が始まるわけですが、4年生の時、週に2回、5.6年生が週に3回の通塾で、夏期講習・冬期講習などをあわせると、一般的には、300万円位、かかると言われています。
そのうち、半分近くが、最終学年の6年生にかかる、という感じかもしれません。近頃の塾は、小さいころからお子さんに通ってもらうようになってきていますが、その頃は、それほど内容的にも、金額的にも負担にはなりません。
言い換えれば、自宅学習を塾でする・・・といった感覚と考えておかれるといいでしょう。
むしろ、楽しく通ってもらいたいので、4年生までは穏やかな感じで進んでいくところが多いです。最終学年になって、突然大変になって、こんなはずじゃなかったわ・・・ということのないように、少し先の予定まで確かめておかれるといいと思います。
一番、お勉強の内容が大変なのが、5年生の後半から6年生の前半。
一番、精神的にきついのが、6年生の後半です。
そして、「いくらかかるの?」ではなく、「いくらかけるのか?」をよくご家庭でご相談になって、無理のない計画で、あまりご負担のない中学受験の計画を立てられることをおススメします。主導権はご家庭が持たれるように・・・・くれぐれも、塾の言いなりになってしまわないように、お気を付け下さい。
さて、ご家庭の方針と、計画が決まったら、次は、お子様の番ですね。
まず、お子さんを受験の方向に向かせないと、なかなか受験は難しいです。こんな勉強したくない・・・お友だちと遊びたい、受験はしたくない・・・・とやりたくないお子さんをやらせようとすると、必ず衝突します。
自分から受験したい、というお子さんは問題ない、として、まだあまり意識のない場合は、まず、中学の文化祭に連れていって、雰囲気を味わってみたり、近くのお兄さんやお姉さんで、受験をした方にお話を聞くのがいいでしょう。
親が言うよりも、ちょっと年上の先輩が話してくれる内容の方が、お子様の心には響きます。こんなにいい所があるんだよ~、こんなことも出来るんだよ~という体験を聞くのが一番かもしれません。
あんなお姉さんになりたいな、あのお兄さんと同じ学校に行きたいな・・・とお子さんが思うことが一番のモチベーションになるでしょう。
さて、現在、どこのご家庭でも、習い事の一つや二つはなさっているでしょう。塾との両立で悩まれる方が多いと思いますが、基本的には、お子さんの体力が続くのであれば、出来るだけ続けてなさればいい、と思います。
・まず、時間の使い方が上手になります。
・つぎに、とてもいい気分転換になります。
・何事も、出来るようになるには、練習が必要、だとわかります。
・最後に、心が強くなります。
最後が、一番大切なのですが、負けることもある…失敗することもある・・・ということを学ぶことが重要なのです。
もうひとつ、勉強も習い事も、同じスタンスで親御さんが臨まれるといいでしょう。勉強には厳しいけれど、習い事には甘い・・・または、その反対など。お子さんが、どちらも大事だし、どちらも同じくらい楽しい・・・と思ってくれればいいですよね。
塾も習い事の一つ・・・というくらいの気持ちを持っておかれることをおススメします。
ただ、6年生になって、どうしても両立が体力的に、時間的にきつくなったときは、決して、無理をなさらないで、少し、間引いたり、休んだりなさればいいと思います。
中学受験が、すべてではありません。昔から、中学受験で上手くいかなくても、そのあと大成功した人はたくさんいますし、また、その逆も、たくさん知っています。
中学でついていけなくて、登校拒否になってしまった・・・・
中学の校風が合わなくて、途中で転校した、など・・・。
ですから、「楽しかったね」「受験してよかったね」と言える中学受験」をぜひ、していただきたい、と思っています。
小学校6年生の時の成績や偏差値や、合格などは、あくまで、お子さんが12歳の時の指標にすぎないのです。親御さんが、決してそれを忘れずに、その年代に、出来るだけのことをしたお子さんを褒めてあげれば、その受験は成功…だと私は思います。
そして、お子さんをサポートして下さった親御さんのことを、お子さんはきっと感謝されるでしょうし、とても嬉しいに違いありません。
中学に入ってやってくる、「反抗期」も、その時の想いがあれば、それほど重大にならずに、さらっと乗り越えて行かれるでしょう。
そして、その先には、まだまだ、高校・大学・就職・・・と続いていきます。子育ての究極の目的は、もちろん中学受験ではなく、子どもがやがて自立して、自分の足で歩いていき、幸せな生活を送ってくれることです。その時に、親子でいい関係を築いていただきたい、と思います。
最近は、子どものキャリアプランニングも、盛んになってきました。お子さんが、望む道に進むために、今、いろいろな勉強が必要なのです。親御さんは、少し、先を見て、決して長くはない子育ての期間を、楽しく親子で過ごしてもらえたらいいな、といつも思っています。
・10月20日 (土)・・・赤坂 午後1時~3時
・10月25日 (木)・・・中野 午前10時~12時
いずれも、中学受験に関するセミナーを行います。
詳しい事をお知りになりたい方は、こちらまでご連絡ください。
大迫 ちあき 【中学受験アドバイザー】
記事テーマ
生まれつきの子供の能力に差はありません。大切なのは、学習の「環境づくり」です。「算数って面白い!」「お勉強って楽しい!」とお子様に感じさせてみませんか?ここでは、ママと子供が楽しめる、日々の生活の中で出来る「事物学習」を中心に書いていきます。