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多様な働き方のロールモデル(2) ~自宅で起業する~/2014年4月

マッサージセラピストとして “おうち起業” ~芹澤さんの場合~ 

子育て世代向けに、育児と仕事を両立している先輩の働き方をご紹介する第2弾。今回は 「おうち起業」 を実現した芹澤さんからお話を伺いました。

 

八王子で「ベビーマッサージスクールOLIVIA」を開いている芹澤さんは、中学生と小学生、2人のお子さんを持つお母さん。そして転勤の多い夫を持つ妻でもあります。芹澤さんのお仕事はベビーマッサージセラピストといって、お子さんを持つママパパを対象にベビーマッサージのレッスンを行ったり、ベビーマッサージを仕事にしたい方を対象に、セラピストになるための資格取得の授業を行うスクールをしています。

 

自宅での開業について、どの様に働いているのか、また今の働き方に至ったきっかけはどの様なものだったのでしょうか。

「家庭と仕事」 時間にメリハリをつけた働き方

―お仕事の1日の流れを教えてください

 

プロフィール写真.jpg「マッサージセラピストとしての仕事は、子どもを学校に送り出した後の10時から始まります。個人の方を対象に自宅でレッスンを行うこともありますし、グループの方を対象にランチ付のマッサージ講座を行うこともあります。

 

 マッサージセラピストとしてのお仕事は、子どもが帰ってくる前の14時半までと決めています。子どもや夫が帰ってくる時間はメリハリを付けて “家族優先” にしています。レッスン以外の準備など10時~14時半の日中時間にできないことは、家族が寝た後の23時から集中してやります。」

 

 

 「育児と仕事の両立。働きたい・・・けど、子どものことをしっかり見ていたい。」、「働くのはもう少し子どもが大きくなってからでないと、できないのではないか・・・」となかなか1歩を踏み出せないという声もよく聞きますが、子どもか仕事か、実は選択肢はどちらか一つだけではありません。

 

芹澤さんが実現しているのは、どちらもバランスをとって両立する働き方でした。芹澤さんは「おうち起業」をしたことで、小学生のお子さんを学童に預けずに仕事とも両立しています。春・夏・冬の長期休暇には、マッサージのレッスンにお子さんが一緒にいることも。お子さんがいることで、レッスンの場も和むといいます。おうち起業をすることで、育児と仕事を両立することを可能にしました。

 

家族に対して大切にしたい時間を優先に考えながらも、メリハリを付けて働く。セラピストとしての芹澤さんの働き方は、「どの様に子育てをしたいか」というところから始まったのです。

“子育ては楽しい、でも社会とのつながりたい・・・” という葛藤。

「何度かの転勤や、出産をきっかけに一旦専業主婦になった時期があります。上の子の育児では、小学校までゆっくりと向き合うことができました。子どもにしっかりと向き合った時間は、自分にとっても楽しくやりがいを感じられるものでした。だけど同時に、社会に出て何かできないかな?という想いもふつふつと湧いてきたのです・・・・・」

 

  「子育てが楽しく充実している一方、社会に出たい。つながりを持ちたいという気持ち。」

 

  「子育て以外のことに対しては考えが狭くなっていくのではないか?という気持ち。」

 

社会に出たい気持ちの反面、譲れなかったのは “下の子どもにも、上の子と同じことをしてあげたい” ということでした。その時、下のお子さんは当時3歳。自身が子育てでしてみたい(小学校に入っても学童に入れずに育ててみたい) ことを考えると、働くことに使える時間も限られます。

 

「動ける時間帯としてはパートかな?と思ったこともありました。でも自分にとってパートという働き方が向いているのだろうか?と自問自答しました。時間帯に融通が利いて、今までやってきたことが活かせることは一体何だろう・・・・?と。」

今までの経験から見えること。そして、転勤が多い夫の妻として。

芹澤さんは元々、小学校教諭をしていました。子どもの体のことや病気のことは学んできていましたし、子育てでさらに経験を重ねてきました。また、教諭時代に「他の世界も見てみたい!」と学生の頃からの活動の延長で、ガールスカウトの世界連盟であるワールドセンター・ロンドンで働き、帰国後は英語力を活かして外国人向けのイベント企画を行っていました。

 

元々、関心をもったら突き進む行動力とバイタリティの持ち主だったのです。

 

子どもとの時間と、働きたい意欲。今までの経験や関心。これらを実現できる仕事は・・・と考えた末に選択したのが、自分のスタイルを自分で決められる個人事業主として働く自宅での起業だったのです。
 

夫の転勤の可能性もあるので、引っ越しで住む場所が変わっても続けられる仕事であることも大事な要素でした。

個人事業主としてのスタート

―雇われるのではない、個人事業主としての働くことについて教えてください。

 

「個人事業主ですから、仕事時間を自分でコントロールできる点は魅力です。一人で行っているので、事務作業や宣伝PRまで全てを自分自身で行います。マッサージセラピストといっても、(お客さまにサービスを伝えて仕事を継続していくには)レッスン以外の仕事もたくさんあります。個人なので広告などを出すことは費用面でもハードルがあります。そんな時に役立ったのがホームページのブログでした。立ち上げて1~2年は全くの手探り状態でしたが、始めていくうちに、口コミで広がっていきました。」

 

baby1.jpgのサムネール画像

「マッサージの仕事は、今までの経験すべてが生きる仕事です。営業職だった方は、顧客の獲得に長けていますし、企画をされていた方は、教室のPRなど宣伝がとてもうまい。話が上手な方もレッスンの進行がうまいですし、保育士さんなど、子どもに関わっている仕事に就いている方が将来の働き方を考えて受講されるケースもあります。話すことが好き。子どもが好きであれば、始められると思います。」

仕事はやりたいと思った時が始め時!

芹澤さんは仕事柄、出産したばかりのお母さんに接する機会もとても多くあります。お子さんを持って、働き方を模索している方へもメッセージをいただきました。

 

「マッサージのレッスン以外に、スクール業も行っていますが、資格を取りたい方には、1歳未満の子どものお母さんも多くいらっしゃいます。子どもを初めて育ててみると、例えば“子どもともっと一緒にいたい”と、産まれてみて気持ちに気づいて、出産後に将来のキャリアのことを考えてスタートされる方もいます。マッサージは子育てが活かせる仕事ということもあって、講座を受ける方は主婦の方が大半です。」

 

baby2.jpg

「子どもがいながらの勉強で、しかもゼロからのスタートは難しいこともあると思います。子どものお昼寝中や、夜の寝かしつけの後に資格の勉強するのは大変なこともありますよね。でも、きっと“働きたいけど、今は忙しいから・・・”と言っていては、何年たっても状況は変わりません。」

 

「実は子育てって小さいうちだけではありません。赤ちゃんの頃、幼稚園、小学校、中学・・・それぞれの時期に大変なことがあります。大人になっていく過程で、その時期ごとに大変さは深くなってきますし、子育てが楽になることはありません。」

 

「だからこそ、“思ったその時が始め時!” です。やりたいと感じたら、まずは調べてみる。1歩でいいから何かアクションを起こして始めてみることが大切です!」

 

子育てをしながら資格を取得したことや、1から事業を始められたこと。芹澤さんからお話を伺っていると、「一念発起して、思い切って」という印象を受けなかった  (ごく自然のこととして話をされていた)  のは、こうして、何かを「やりたい!」と思い立ったときに、少しでもいいから、すぐ調べてみる、聞いてみるといった様に、フットワークよく動くことで着実に積み重ねていっているからではないかと思います。

 

―子育て世代に暇は訪れない。時間を作り出して、少しからでもいい、初めの1歩を踏んでみませんか?

Information/お知らせ

♦ロイヤルセラピスト協会指定スクールOlivia

http://olivia-baby.com/

♦ブログ

http://ameblo.jp/paxlada/entry-11799039748.html

Mama's profile/プロフィール

佐藤 若紗

佐藤 若紗 【キャリアカウンセラー】

記事テーマ

出産をきっかけに作ろう「働き方マップ」〜ママだからこそ、自信を持って両立を!〜

子育て世代のママが出産を機に考える事が多い、「育児と仕事の両立」について、出産しても働きたいママが今後のキャリアを築いていくヒントをお届けします。 在宅勤務や時短などの多様な働き方から、使ってみたい便利サービス、ママ視点を活かした働き方など、知っておきたい仕事のあれこれから、保活やママ友づくりなど産後のリアルな体験までお伝えしていきます。

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