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新生活が始まって、気をつけたい 感染症と生活習慣

感染症 子どもの病気 教えて!ドクター

(2022年 春号 掲載)

さて、この春号が発行されたころには新型コロナウイルス感染症はどのようになっているでしょうか。僕の予想ではワクチン3回目もすすみ、あらかた感染も一通り終わっているのではないか? 状態はどうあれ、ピークが下がっている米国やフランスのようになっているのではないか、と想像しています。

それでも忘れてはいけないのは、他の感染症のことです。インフルエンザは今年2022年度第5週目でも定点当たり報告数は0.01(患者報告数41)となり、前週の定点当たり報告数0.01(患者報告数55)と同程度でした。しかしこれから先に増えない、もう大丈夫とは言えません。

インフルエンザならまだワクチンというバリアがあります。重症化や死亡から守ってくれる、車でいうシートベルトがあるのです。

新生活がはじまると風邪

けれども新生活がはじまる乳幼児にとって避けたくても避けられないのはいわゆる「風邪」です。風邪という言葉をきいてどんなものを想像しますか。

英語ではcommon cold とかcold と呼ばれますが、医学的には鼻水、鼻詰まりが目立った症状の自然に治るウイルス性の上気道炎というものです。上気道とは構造的に鼻から首にある気管分かれ目までの部分をいいます。

風邪原因ウイルスは、これまでは季節性があるといわれてきました。しかし昨今、この季節性が壊れてきたと僕は感じています。新しいウイルスではないのですが、従来、夏風邪だったアデノウイルス感染症が冬場にもみられたりするようになってきているのです。

風邪原因ウイルスは割合の多いものがライノウイルスと(新型ではない)コロナウイルス、ほどほどのものがRSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、相対的に少ないものがインフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルス属が知られています。こまかい名前やその特徴はここでは割愛しましょう。

集団生活に入ると風邪をもらう

もっとも大事なことは、小さいお子さんは保育施設など集団生活に入ると風邪をもらう、という事実です。なかでも15%くらいは年に12回は風邪をもらいます。しかしこれは小学校にあがると逆転して、保育施設に行っていなかった子らのほうが風邪を少しひきやすくなるようです。

どちらにせよ、保護者のみなさんに知っておいていただきたいことは、子どもは風邪をひくのが仕事であり、それを通じて身体の免疫を徐々に強くしていく、ということです。

もちろん、不要な風邪をもらう必要はないのですが、こわがりすぎていっさい感染させないというのも極端すぎる考えです。

なにも予防するなということではないのです。感染経路は風邪ウイルスの場合、接触感染、飛沫感染(1m以内)、空気感染(1m以上)の3種類でこれらの組み合わせです。接触感染から守るには手洗い、消毒を定期的にすること。まわりに咳、くしゃみ、つばをとばさないためにはマスク(2歳以上で)が有効です。

極端には走らずに

なにごとも極端はいけません。手がただれるほど手洗いをしている乳幼児も診察室でみかけます。手が荒れてしまうと常在菌も失われ、手を雑菌やウイルスから守っているバリアまで壊してしまいかねません。

マスクについても日本小児科学会から2歳未満の子どもにはマスクは不要だというメッセージが提言されています。

それに加えて規則正しい生活、しっかり睡眠時間をとる、食事の偏りをなくす、心も元気にしていく、必要以上にこわがらない。そんな姿勢が風邪から守ってくれる手伝いをしてくれるでしょう。

大事なことは目的と手段をとりちがえないこと。子どもたちに楽しく幸せにすごしてもらうという目的のために、感染をなるべく予防するという手段があります。人はときとして手段を目的にしてしまい、感染を予防したいあまりに、本当の目的だったはずの楽しく幸せにすごすことを犠牲にしてしまうことがあります。

物理学者で随想家であった寺田寅彦の『ものを正当にこわがることはなかなかむつかしい』という言葉を思い出しながら、みなさんのご家族が幸せでいられるお手伝いになるように願いつつ筆をおきます。

 

杉原桂先生

ユアクリニック秋葉原(東京都千代田区)院長。昭和大学医学部卒業。日本小児学会専門医、日本小児東洋医学会評議員、日本小児科医会子どもの心相談医、NLPマスタープラクティショナー、医学博士。

杉原桂

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