ハッピー・ノート.com

数年前、育児情報誌『ままとーん♪』が完成した日のこと。当時、私は編集長を務めながら、家では精一杯よい妻、よい母を演じていました。でも本当は、2人の子どももまだ手がかかる時期で、弱音をはくこともできず、かなり無理をしていたのです。

夕食の食卓で夫にできたての本を見せると、夫は新しい本のページをめくりながら、編集のダメ出しを始めました。私の仕事に期待してくれているからこその、辛口コメントでした。でも、私は突然泣き出してしまったのです！泣き出したら、もう涙は止まりません。子どもたちの心配そうな顔に気づきながらも、「わーんわーん」と、子どものように泣き続けたのでした。

数日後。息子がふと、思い出したように言いました。「ママ、この間泣いたよね」私は顔がかーっと熱くなるのを感じながら、「そうだね、ママも泣きたくなるときもあるんだよね」と答えました。すると息子がこう言ったのです。「ママは、“がんばったね”って言って欲しかったんだよね」。私は、また泣いちゃいそうになりました。

そして、この号泣事件（？）をきっかけに、私は家族に自分の気持ちを素直に伝えることができるようになったのでした。

夫も変わりました。帰宅時、「おかえりなさい、おつかれさま」というと、「おつかれさま」と言ってくれるようになったのです。私の気持ちを理解してもらえている…そう思うと、仕事と子育てで疲れていても、力がわいてくる気がしました。

ワーク・ライフ・バランス＝仕事と子育ての両立は、マネジメントの工夫で実現できる要素もあるけれど、ママ一人ががんばっているとやっぱり苦しい。家族の中で、気持ちを伝え合うこと、気持ちを分かり合うことが、ママと家族の笑顔のもとなんだなあ、と思いました。
いつも立派なママじゃなくてもいいと思うんです。子どもにとっては、自分のママが世界一なんです。ときには、自分の本当の気持ち、家族に伝えてみませんか？