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折れないココロの育て方/2012年3月

こんなんで将来大丈夫?

お子さんの個性って様々ですね。積極的な子もいれば慎重派もいるし、泣き虫、怒りん坊、甘えっ子…同じ年齢のほかの子と比較したり、この子が大人になった時のことを想像すると「こんな調子で、将来、社会でやっていけるのかしら」と不安になることもあるかもしれません。

今日は、ちょっとやそっとの困難も乗り越えられる「折れないココロ」を育むには、というヒントをお伝えします。

強いココロは痛みを知っている

お子さんが転んで泣いた時、お友達と喧嘩して泣いている時、どんなふうに声をかけますか?

「ほら、よく見てないからよ」

「もう大丈夫でしょ、血も出てないよ、もう泣かないの。強い子でしょ」

「イヤなこと言われたら、言い返せばいいのよ!」

どれもよく聞く対応です。お子さんを、強い子に育てたい、ちゃんと切り替えができて前向きで、自己主張がハッキリできる人になったらいいな!そんな願いがあるのでしょうね。

あるいは、お母さん自身が泣いているのを見ていると切なくて、それで泣き止ませたくなってしまうのかもしれません。

でも、これらの言葉から、子どもはこんなメッセージを受け取るとしたらどうでしょう。

「痛い目に合うのは、本人が悪いんだ」

「ひどい怪我じゃないと痛みをわかってもらえないんだ」

「いつまでも泣いてるのは弱い子なんだ」

「言い返さないやつが悪い」

こんな風に学んでしまっていたら?

そしてそれをそのまま別のお友達に言ったり思ったりしていたら?

きっと望んでいない姿なのではないかとお察しします。

けれど、大人の現代社会ではこれらの考えがはびこっています。

すべてが自己責任、無理やりなポジティブ思考、強がり、抱え込み…。

その結果が、自分でも気づかないうちに無理をしすぎて、心身の調子を崩してしまう人が年々増加し続けています。

強いココロ、というのは、実はちゃんと痛みを感じられるココロなのです。

想像力、共感力と優しさ

子ども同士の痛ましいいじめ事件などを見聞きするにつけ私が思うことは

「相手のココロが想像できないのかな」

ということです。

「自分がされてイヤなことは相手にしない」とよく聞く言葉ですが、想像力や共感力のない状態の一因は、自分がイヤだ・痛い・つらい・悲しいという感覚を「我慢」とか「強さ」の名のもとに麻痺させられてきているからなのではないでしょうか。

「痛い目に合うのは、本人が悪いんだ」

「ひどい怪我じゃないと痛みをわかってもらえないんだ」

「いつまでも泣いているのは弱い子なんだ」

「言い返さないやつが悪い」

彼らは、育つ過程で学んできたように自分にも、相手にもそのルールを適用しているように思えるのです。

転んで痛い思いをしている人に、傷の大小を問わず「痛かったね」「びっくりしたね」「恥ずかしいかもしれないな」と想像力を働かせるには、自分自身が同様の経験をした時の感情がちゃんと感じられている必要があります。

悲しみ、悔しさ、寂しさを知っていると、優しくなれるんですね。共感できる幅が広がるのです。

傷の癒し方を学ぶ

とはいえ、泣いている子をいつまでも泣かせておいたり、甘えさせるのには抵抗がある、という方もいるでしょう。

大丈夫です、人間いつまでもは、泣いていられないものです。

強い情動は、長時間は続かないので、痛いとか悔しいを表現して、そばにいる誰かに深く共感してもらえたら、ココロは次のことへ興味を移すものなのです。

「早く泣き止みなさい、さっさと立ちなさい」と言われてそのとおりにするのは『失敗体験』ですが、「痛かったね、びっくりしたね」と共感してもらって十分泣いた後で、立ち上がり「もう大丈夫だよ!」と自分から言えたとしたら、その経験は『立ち直り体験』です。

困難があっても立ち直れた、という体験をたくさん重ねることこそ「折れないココロ」を育む方法です。早く立ち直らせたくて、外側から起してしまうと『情けない失敗体験』にしかならないのです。

小さな赤ちゃんは病気をしながら抵抗力・回復力を培っていきますよね。同じように、人間関係や何かに挑戦する時、いろんな凹みからの回復を体験しながら子どもたちは力をつけていくのです。大いに傷ついて、悲しんで、優しくされて、そして内側から力が湧いてくる体験をさせてあげてください。

つらい時にかけられた優しい言葉や、温かい配慮こそ、今度誰かが傷ついたときにその子が手渡せる財産となります。

強さと優しさは、反対に見えて、実は同時に育むことができる部分なのですね。

子どもたちの未来の社会

さきほども書きましたが、我慢を続け、弱音を吐けずに、ある日倒れてしまう大人が、現代には増えてきていますね。

本人はもちろん、周りの家族、友人、職場の仲間にとっても、つらいことです。

今の子どもたちが大人になる頃には、変わっているでしょうか。ひとりで抱え込まずに、自分の痛みを誰かに打ち明けることができて、共感や思いやりをもらえる社会になっていることを願っています。

じゅうぶんな共感を得た後には誰もが立ち直れる強さを持っていると信じて育んでていけば、未来は変わるはずです。子育てする私たち自身も、大変な時には痛みを打ち明けて共感を与え合い、立ち直る姿を見せていくことも大事だなあと、感じています。

Information/お知らせ

ブライト・コミュニケーションの体験会を行っています。

共感と想像力を育む聴き方を、学んでみませんか?

どちらも詳しくはHPからどうぞ!

http://www.tangerine-labo.com/

 

ブライト・コミュニケーションの実践をブログにも書いています。

連れ子2人と夫とのドタバタ再婚生活や日々のごはんなどもつづっています。のぞいてみてね!

ブログ

http://ameblo.jp/lychee-tangerine/

 

成長を続ける女性のためのコミュニティ【こぶたラボ】では

子連れで参加できる企画をいろいろ開催しています。

合言葉は、人生をおいしく・楽しく・美しく♪

http://www.kobuta-labo.com/

Mama's profile/プロフィール

高橋 ライチ

高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】

記事テーマ

「ココロを育てる 聴き方・伝え方♪」

子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。

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