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自分にもできないこと、どう教えたらいいの?/2011年12月

自分の親は、子育てに失敗していた!?

この連載記事では、子育ての中で、みなさんが「どうしたらいいの?」とお悩みの問題について、コミュニケーションの視点からのヒントをお伝えしていきます。少しでも、みなさんの毎日が、より楽しくなりますように!

 

さっそく、第一回目のテーマはこちら。

【自分にもできないこと、どう教えたらいいの?】について考えてみましょう。

 

育児カウンセリングでも、ママ友どうしの会話でもよくこんな声を聞きます。

「自分ができないことや、親にしてもらったことがないことを、自分の子供にどうやって教えたらよいかわからないんです。」

 

実際にどんな例があるかというと、例えば、お片付け。

「私の親は、なんでもさっさとやってしまうタイプで、片づけ、掃除も母が全部やってくれてました。それが実家にいるあいだ続いたので、いざ結婚して自分が主婦になったら、うまく片づけられないんです。この前、お友達の家にいったら、とってもきれいで、なんだか自分の子がかわいそうになりました。」

「うちは、母も『片づけられない女』。私よりひどいくらいです。自分も苦労している整理整頓、子どもにはちゃんと教えてあげたいけど、やり方がわかりません。私も、ちゃんとした母に育ててもらいたかった!」

 

親が教えてくれなかった。親ができていなかった。今、自分が苦労しているのは、親の育て方が悪かったから…。まわりには、何の苦労もなくできている人もいるのに、私は恵まれていなかった。

 

悲しくなってしまいますね。自分は、親の失敗した子育ての結果である、ともいえます。そうすると、子どもへの責任もさらに重大に思えてきます。この子のために失敗してはいけない!そんな緊張や、だからきっとうまくいかない!という恐怖が見え隠れします。

 

他にもこんな例があります。

「母にはなんでも否定されてきたので、私は他人に自分の意見がなかなか言えません。子どもには、しっかりと軸を持って欲しいのだけど、気づくと私自身も否定ばかり伝えてしまっています。あとでいつも自己嫌悪に陥るんです」

「親が離婚していて、幸せなパートナーシップの結び方がわかりません。このままでは、子どもも同じようになってしまうのではないかと心配です」

親のせいをやめる

ここで、考え方を変えてみるとどうなるでしょう?親のせいだ、と思うことをやめるのです。「親は、うまくいかない一例を見せてくれた。私はそれを避けてやり直せばいい。知らないことは学べばいい。」自分は失敗の結果で、きっとまた失敗するに違いない、という呪いのサイクルからの脱出です!

 

私自身の実例でお話しますね。私はパートナーとの関係がうまくいかないことに悩んでいました。中学生のころに両親の離婚を経験しています。

「だって健全なパートナーシップを知らないんだもん!できないよ!」と、親のせい、育った環境のせいにしていました。離婚を2回経験するなかで、つらくて、周りの人がうらやましくて。繰り返される不幸の真っただ中、私は決意しました。どうしても現実を変えるぞ!と新しいチャレンジを始めたのです。心理学やコミュニケーションを学びながら、自分の傷を癒して、新しいやり方を試していきました。

 

「親のせいで幸せになれない自分」を捨てて、「自分の力で、幸せになる自分」として行動を選んでいったのです。

うまくいかなかった例の中身を改善する

さて、親が見せてくれた、うまくいかないサンプルはどういうことだったのか、心理学を学ぶうちに分かってきました。

 

自立型で頑張り屋の母が苦手だった、相手を認めること、頼ることを始めてみました。私はそれまで、弱音を吐くことも、つらいと感じることさえも自分に禁じてきたことに気づきました。頼ることができると、心から感謝がわいてきました。感謝があると、自然と相手にも貢献したくなります。コミュニケーションを学んで、トラブルの際にも本当の気持ちを正直に伝えて、作りたい関係性のために話せるようになってきました。無自覚に我慢を重ねてしまい、限界がくると爆発、もとに戻れず別れる、というこれまでの痛いパターンから脱することができたのです。 

 

「私は、自分で幸せになる力がある」そう気づいたのです。この気づきは、3度目の幸せな結婚を呼びよせただけでなく、子育てもラクにしてくれました。

この子も、自分で幸せになる力がある

「私は、自分で幸せになる力がある」ということは、私が、自分で幸せになれたように、この子にも自分で幸せになる力がある。そう確信できた時、育児の責任重大さというプレッシャーからも解放されたのです!親は完璧でなくてもいい!

 

親ができてなかったと思えていたことも、「彼らも、試行錯誤の途中だったのかもしれない」と思え、そのつらさに共感の気持ちもわいてきます。

子どもには精一杯の試行錯誤を見せながら生きていけばいい。できないことを、工夫しながら、学びながらやろうとする姿を見ていたら、子どもは自分が何か壁にぶち当たった時、その姿勢を思い出すでしょう。これは、親が「できていることを教える」よりも、役に立つのではないでしょうか。できないことをできるように取り組む姿勢。最近の若者は打たれ弱い、と聞くことがあります。「この先、人生でどんな困難がおきても、自分は乗り越えていくぞ」という意欲が育っていたらいいですよね。

 

試行錯誤の途中でうまくいったらシェアすればいいし、親子とも苦手なことならば一緒にチャレンジするのもいい。親子といえど、同じようによりよく生きようとする仲間なんですよね。親は先輩として、先に知っていることは伝えるけど、知らないことやできないことがあってもいい。そんな気持ちで、できないことも等身大にシェアしてみるのはどうでしょう。

教えようとしなくていい。等身大の自分と、理想を伝える。

さあ、では実際のコミュニケーションではどのようにしたらよいのでしょうか。

できないことを、ただできないと伝えるだけでは開き直ってるみたいですよね。ポイントは、【本当はどうしたいか、理想や希望を伝える】ということです。

 

・お片付け の例だとこんな感じです。

「このお片付けの本で、一緒にやってみようか。ママも苦手だけど頑張るね。お部屋が片付いてすっきりしてたら、みんな居心地がいいよね。おうちでは、居心地よくて、みんながにこにこしてたらいいなって思うんだ」

 

 ・意見を否定されてきたことを繰り返してしまう人は、こう言ってみることもできます。

「さっきは否定しちゃってごめんね。ママも子どもの頃、そんなふうにされて悲しかったことを思い出したよ。あなたを悲しくさせたかったんじゃないの。心配でとっさに怒ってしまったけど、もっとよく知りたいからもう一回気持ちを聴かせてくれる?ママは○○ちゃんが自分の意見をお話しできるといいなって思うから」

 

できないことをできるふりをして教えようとしなくてもよいのです。できないことは、「まだ途中」なのです。いっしょに学ぼう。これができたらきっとあなたの幸せになる力になるよ。ママは、あなたの幸せを願っているよ。

 

そんな気持ちで、試してみてくださいね!

こんな時どうしたらいい?困っていること教えてください!

このコーナーでは、読者のみなさんの実際のお悩みにも直接お答えしていきたいと思います。

 

子育てする中で遭遇するテーマであれば、子どもとだけでなく、夫婦のあいだで、お友達とのやりとりの中でのご質問でも、OKです。ママがコミュニケーション力をUPすることは、子どもたちのまわりに豊かな人間関係を築いていくことにつながります。コミュニケーションにお困りのことがあったら、ぜひコメントをくださいね!お待ちしています!

Information/お知らせ

ブライト・コミュニケーションの体験会を行っています。

詳しくはHPからどうぞ!

http://www.tangerine-labo.com/

 

ブライト・コミュニケーションの実践をブログにも書いています。

連れ子2人と夫とのドタバタ再婚生活や日々のごはんなどもつづっています。のぞいてみてね!

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子連れで参加できる企画をいろいろ開催しています。

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高橋 ライチ

高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】

記事テーマ

「ココロを育てる 聴き方・伝え方♪」

子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。

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