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秋から冬にかけての 子どもの皮膚のスキンケア

アレルギー 皮ふ・スキンケア 子どもの病気 教えて!ドクター

(2023年 秋号 掲載)

なぜスキンケアが必要なのでしょうか

暑い夏が終わり、秋になると気温が下がり、空気も乾燥します。乳幼児は汗腺も機能が未熟で、環境の変化に追いつかず、皮脂腺や汗腺の機能が不活発になり、肌は乾燥し始めます。

乳幼児の肌は、生後数カ月間は、母親や自身のホルモンなどの影響で、すべすべですが、その後は急激に乾燥して思春期ごろまで皮膚は乾燥しがちです。学童期の肌を触ってみるとカサカサの場合が多いのはこのためです。

皮膚の表面は角層という層で覆われています。この角層は重要で、天然保湿因子、角質細胞間脂質、皮脂膜などの要素が関与して、皮膚を正常に保つための水分を含みます。皮膚は皮脂腺からの皮脂、角層にある水分とが混ざり合って、皮脂膜を作り、いわゆる皮膚のバリア機能が生じますが、子どもの肌は、最も外側の角層がおとなの半分くらいの薄さですので、皮膚の水分が容易に外へ出て行ってしまい、皮膚は乾燥します。皮膚のバリア機能が破綻してしまいます。

以前は、アトピー性皮膚炎の原因や悪化因子として、食物や埃など経消化管や経気道などからの要素が問題になっていましたが、近年、アレルゲンが経皮膚的に感作するという説が出てきました。皮膚のバリア機能が障害されると抗原が侵入しやすく、感作して湿疹病変を起こしやすいと言われてきています。新生児期から保湿剤を塗ってスキンケアをする群としない群と比較して、スキンケアをした群のほうがアトピー性皮膚炎の発症が少なかったとの報告がありました。スキンケアのみが問題点ではありませんが、スキンケアの重要性がわかります。

皮膚が乾燥すると、皮膚に炎症を起こす原因の抗原が侵入しやすくなります。また、皮膚は乾燥するとかゆみを感じる神経も真皮から侵入してきます。かゆみが生じますから、ひっかいてしまいます。ひっかく、炎症が悪化する、さらにかゆくなるすなわちitch-scratch cycle を悪化の方向へもっていってしまいます。ここで、スキンケアで肌に潤いを与えなければなりません。外部から保湿剤を補う必要があります。cycleを負ではなく正の方向へ動かしてやる必要があります。

実際のスキンケア

汚れの上から外用薬の使用は好ましくありません。まず、皮膚は清潔にしましょう。乳幼児では、汗のほかに、糞便・尿の汚染もありますが、特に口囲は食物・唾液で汚れて、これらが前述のようにアレルギー源になる可能性が指摘されています。シャワーや入浴で、泡立てた石鹸でそっと丁寧に洗います。「そっと」と言われて泡を皮膚にくっつけただけで全くこすらない保護者さんがいますが、手のひらや、やわらかいタオルなどで洗いましょう。そしてよくすすぎます。水分をきちんとふき取り、保湿剤を塗ります。ごしごし擦り込むのではなくやさしく塗り伸ばす感じです。シャワー・入浴の後、5〜10分くらいの間のまだ肌がしっとりしている間に保湿剤を塗ります。

スキンケアのための保湿剤は、尿素製剤、ヘパリン類似物質含有製剤、ワセリンなど多種類があります。特にヘパリン類似物質含有製剤はクリーム、軟膏、ローション、フォームなど形も豊富です。夏はべたつかないさらっとした保湿剤が肌触りも良く、保湿効果もありますが、秋になれば少ししっとりタイプがよくなり、冬が近づけばワセリンなどのかさつきを十分に抑えてくれるものを塗りましょう。

塗る量が重要で、たっぷり塗ります。One-finger-tip unitという塗り方が理想的です。One-finger-tip unitとは大人の手のひら2枚分くらいに塗り広げる量で、クリームや軟膏(チューブ入り)なら人差し指の第一関節分、ローションなら1円玉の大きさくらいです。かなりべたつく、ティッシュペーパーが張り付いて、振っても落ちないくらいです。

たっぷり塗ったら、吸水性の良い、清潔な衣類を着せましょう。汗をかいたらシャワーを浴びる、できなければぬれタオルで拭う、どちらの場合も保湿剤を塗る、そして衣類を替えましょう。

寒さが厳しく、皮膚の乾燥が一段と増す秋冬に向けてスキンケアで準備・保護しておきましょう。

 

日野治子先生

公立学校共済組合関東中央病院皮膚科に勤務、平成24年より現職(特別顧問)。
日本皮膚科学会認定専門医、日本小児皮膚科学会学校保健委員会委員。

日野治子

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