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海外の人と関係を築いていくために英語はとっておきのツールですが、その英語を使いこなすためには、現地の文化や習慣を理解する必要があります。日本でも最近、ハロウィン、クリスマス、イースターなどの西洋文化が商業目的で広まっていますが、どれも日本独自の理解で受け入れられ、西洋のオリジナルのものとは異なる意の元成立しています。このように独自に解釈されたイベントを知り参加することと、実際に英語圏の文化を学ぶことは違うと思うのです。今回はあまり知られていないアメリカのカード交換の文化を例に、異文化理解についてお話しします。

うちの娘も５月で１歳を迎えました。本当にあっという間の一年でした。日本でも最近、子どものお誕生日パーティーがブームですが、アメリカでも一歳のお誕生日パーティーは特別なものです。私もパーティーのための部屋の飾り付けやお料理で大忙しでした。パーティーが終わった今、必死にやっているのが『Thank You カード』を書くこと。。。この一年お世話になった人、誕生日パーティーに参加して下さった人、そしてプレゼントを頂いた人に、Thank Youの思いを込めてカードを書きます。明後日には日本へ帰省するので、それまでに書き上げなければと頑張っています。

カードでのコミュニュケーションは、アメリカではとても重要なもの。食料品を売るスーパーや薬局にさえ、広いカードセクションがあります。英語を学ぶ人には、知っておいて欲しいアメリカ文化です。日本では年賀状や暑中見舞いの葉書を出しますが、アメリカではそれ以上。誕生日、出産、卒業、クリスマス、バレンタインデーなど、あげればきりがありません。ちょっとしたお礼の気持ちを表したい時にも、カードに思いを込めます。そしてカードを交換することは、アメリカで生活する上での『礼儀』と言っても大げさではないかもしれません。

アメリカのクリスマス、ハロウィン、イースターなどは、学校の教科書や英語教室でも大きく取り上げられます。しかし、カード交換の文化は気づいていない人が多いのではないでしょうか？　実際に長年アメリカに住んだ経験のある人でなければ、気づかないかもしれません。また、あまりに日常の生活に紛れ込んでいて、特別な注意を払わないかもしれません。英語を学ぶということは、英語が生きる環境を受け入れ尊重することです。英語でコミュニケーションをとるというと、実際に英語で話をすることと思いがちなのですが、もっと奥深いものなのです。そしてそれは、ハロウィンで仮装したり、クリスマスのデコレーションをするだけで理解出来るようなものでもありません。大々的に取り上げられ良く知られたアメリカ文化よりも、カード交換のような見逃されがちな小さな文化や習慣に、コミュニケーションの大きなヒントが隠されているような気がします。

英語を学ぶ子どもたちが英語文化に触れることはとっても大事なことです。しかし、ハロウィンやクリスマスパーティーに参加することと文化理解は違います。その点をしっかり理解していて欲しいと思います。実際の海外での生活経験無しに文化や習慣を理解することは難しいですが、子どもたちと海外の絵本に触れたり映画を見たりする際、意識的に文化や習慣を探してみましょう。そしてそれについて、子どもたちと話し合ってみてください。