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子どもの食物アレルギー 近年の新生児・小児のアレルギーの傾向

アレルギー 子どもの病気 教えて!ドクター

(2022年 特別編集号 掲載)

新生児期の食物アレルギーに関して最も注意すべきは新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症(新生児・乳児消化管アレルギー)であることは言うまでもありません。15年前には診断がつかずに抗生剤の投与や開腹手術なども散見されましたが、当時に比べて疾患の認識は改善し、そのような悲惨なケースはほぼなくなりました。ここでは新生児期のアレルギーのトピックとして“人工栄養が食物アレルギーの発症に与える影響”に関して解説したいと思います。

牛乳の早期摂取と
アレルギーの発症の関係

鶏卵とピーナッツに関しては早期摂取によるそれらの食物アレルギーの発症予防効果が報告されていますが、牛乳に関してはまだ結論に至っていません。2019年と2020年に日本発の興味深い論文が国際誌に発表されているので紹介します。

一つ目の論文は東京慈恵会医科大学のグループによる研究で生後3日以内に母乳栄養に調製乳を追加したグループ母乳栄養にアミノ酸乳を追加したグループに分けて、その後の追跡は全く同じにして2歳での牛乳に関するIgE抗体に対する影響を調べました。

牛乳に対するIgE抗体は母乳栄養に調製乳を追加したグループにおいて陽性になっている児が多く、2歳の時点での牛乳アレルギーも調製乳追加群での10例に対して母乳栄養にアミノ酸乳を追加したグループでは1例に留まっていました。更に驚いたことには鶏卵アレルギー・小麦アレルギーの発症に関しても調製乳追加群で多くなっていました。

つまり生後1週間以内の腸管での人間以外のタンパク質への曝露(ばくろ)が食物アレルギーを増加させる可能性が示唆されたのです。

 もう一つの論文は生後1~2ヵ月(2ヵ月間)の調製乳の摂取が6ヵ月の時点での牛乳アレルギーの発症に与える影響を検討したものです。沖縄での複数の施設での合同の研究で、生後1ヵ月~3ヵ月までに母乳栄養に調製乳を10mL以上/日加えたグループ母乳栄養に大豆乳を加えたグループにランダム化し3ヵ月と6ヵ月の時点での牛乳アレルギーの評価を行った研究です。

6ヵ月の時点での牛乳アレルギーは少量摂取群で0.8%であったのに対して、大豆乳追加群では6.8%に達していました。

つまり生後1~2ヵ月の調製乳の少量摂取により牛乳アレルギーの発症予防が可能であるという報告です。

牛乳アレルギーについて
2つの論文からわかること

この2つの成果をまとめてみると、生後1週間以内には牛乳ベースの調製乳の導入は避けて母乳不足にはアミノ酸乳(加水分解乳で良いのかは今後の検討課題です)を追加することで1ヵ月まで養育し、生後1~2ヵ月までは母乳栄養に加えて調製粉乳を少し与えておくと6ヵ月での牛乳アレルギーの発症を抑え、最終的には鶏卵/小麦も含めた2歳までの即時型食物アレルギーの発症を抑制することも可能ということです。

次の図のように様々な組み合わせが考えられますが、母乳栄養を基本とすることに関してはアレルギーの発症に関係なく推奨されることです。

[画像の拡大]

食物アレルギーの発症を低下させるために

食物アレルギーの発症リスクに影響する因子として、家族歴、遺伝的素因、皮膚バリア機能、出生季節などがありますが、中でも乳児期の湿疹・アトピー性皮膚炎の存在が重要です。食物アレルギーの発症予防のため、妊娠中や授乳中に母親が特定の食物を除去することは、効果が否定されている上に母親の栄養状態に対して有害であり推奨されません。ハイリスク乳児に対して特定の食物の摂取開始時期を遅らせることは、発症リスクを低下させることにはつながらず勧められません。

英国でのピーナッツアレルギーの発症予防の研究でハイリスク乳児(アトピー性皮膚炎や鶏卵アレルギーがあり研究開始時にピーナッツアレルギーはないが発症リスクが高い乳児)を対象に、ピーナッツ摂取と回避のいずれが発症予防に有効かを無作為化比較試験で検討したところ、5歳におけるピーナッツアレルギー発症率は回避群で17.2%のところ、摂取群では3.2%と有意に減少し、その効果は5歳から1年間完全除去後も継続することが報告されています。

わが国におけるアトピー性皮膚炎の乳児を対象とした鶏卵の発症予防の無作為化比較試験で生後6ヵ月からごく少量の加熱鶏卵を段階的に導入した群において、12ヵ月まで加熱鶏卵を除去した群と比較し有意に鶏卵アレルギーの発症を減少させることが示されています。

以上述べてきたように食物アレルギーの発症予防では、原因物質により発症時期の差や導入のタイミングなどにより違いが認められており、決定的なことは言えませんが、避けるよりも安全に摂れる量を摂っていくことが良いようです。

本文中の用語解説

IgE抗体

アレルギー反応を引き起こす免疫グロブリンのこと。一般的にアレルギー反応が強い人ほどそのアレルゲンに対する数値が高くなる。

人工栄養(調整乳)

牛乳由来の市販の育児用ミルク(粉ミルク・液体ミルク)。

糖水

白湯に糖類(水の5%分)を混ぜて溶かしたもの。

アミノ酸乳・加水分解乳

いずれも低アレルゲンミルク。
牛乳タンパク質を酵素分解して分子量を小さくしたもの。それぞれ分子量や味に違いがある。

 

海老澤元宏先生

医学博士。東京慈恵会医科大学卒業。著書は『図解 食物アレルギー』(日東書院)、『新版子どものアレルギーのすべてがわかる本』(講談社)など多数。2021年11月に『食物アレルギー診療ガイドライン2021』を監修。

海老澤元宏

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