ママのためのぷち心理学
子どもたちは、ほめられることが大好き。もちろん私たち大人もそうです。ほめられると「もっとがんばろう!」と意欲が湧き、「私も、まんざらでもないよね」と自己肯定感が高まります。そして何より、「人から認められたい」という承認欲求が満たされて幸せな気持ちになります。
でも、大人になると、ほめられる機会は少なくなります。そこで活用したいものが、家庭内でのコミュニケーションです。「パパって優しいのね」「ママのお料理はおいしいね」といった具合に、普段からさり気なくほめ合えるといいのですが、照れがあったり、同じほめ言葉を何度も繰り返すとマンネリ化するような気もします。また、「おだて」と受け取られては、元も子もありません。では、いったいどうすれば、ほめ方に変化をつけ、下心を感じず素直に喜べるほめ方ができるのでしょうか。
ここで効果を現すものが、「漏れ聞きコミュニケーション」です。「漏れ聞きコミュニケーション」とは、相手に直接何かを伝えるのではなく、ある人が誰かに伝えている言葉を漏れ聞くという間接的なコミュニケーションです。心理学者のウォルスターとフェスティンガーは、他の人の会話を偶然聞く、すなわち漏れ聞くと、その内容を信じやすいことを見出しました。これを、漏れ聞き効果と呼びます。
このことをほめ方に当てはめてみると、たとえば次のようになるでしょう。

「パパって優しいわぁ。お買い物に行くと、パパが荷物を全部持ってくれるの」と、ママが子どもたちに話すのを小耳にはさんだパパは、直接言われるよりも嬉しいのではないでしょうか。もちろん、ママだって同じです。「ママって本当にお料理上手だよね。ゆうべのカレーなんか最高だったよ」と、パパが言っているのを耳にすると、思わず笑顔になるでしょう。子どもたちに対しても、直接ほめるだけでなく、こうした「漏れ聞きコミュニケーション」を併用することによって、ほめ方に変化をつけることができます。また、子どもたちがママやパパをほめる際にも使ってくれそうです。
互いのよいところに目を向け、ほめ合う家族を目指すために、直接ほめることに加えて、「漏れ聞きコミュニケーション」を活用してみてはいかがでしょうか。
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