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ピアノの楽しみ方⑮きれいな音作りのアプローチ/2014年8月

ピアノを弾くだけが練習じゃない?!
ピアノの楽しみ方⑭では、表現力豊かな演奏をするために「音楽用語」の本当の意味を学ぼうという、1つのアプローチのツールをご紹介しました。
 
今回のコラムでは、例えば、「先生に、音が綺麗でない、綺麗な音つくり」の指摘をレッスン中によく受けている生徒さんの為に、また、綺麗な音がわからない、全部同じに聞こえる!なんていう生徒さん、生徒さんを持つお母様、ピアノの先生で、その指導に煮詰まった方がいらっしゃいましたら、私がよくしている1つのアプローチのツールをご紹介したいと思います。
 
 
ピアノという楽器はそもそも、音をならすまでのアプローチは、簡単です。指で鍵盤を打鍵すれば誰でも弾くことのできる楽器です。ヴァイオリンのように、綺麗な音を奏でるまでの道のりが長くない! サックスのように音を出すまでの道のりが、長くない! そう感じられている方も実際、少なくはない!のでしょうか?!
 
しかし、それは間違い、いや、誤解なのです!!
 
ピアノは、打鍵すれば音はなりますが、「音楽的な音つくり」これは、ただ、Keyを打鍵するとは違います!
 
よくある現象に、弾けているけど、色彩のないピアノ! このようなことが、ピアノを習っているお子さまの演奏を聞くとよくあります。
 
それは、ピアノの楽しみ⑭でもお話しさせて頂いたように、初歩の段階から、「表現力豊かな演奏」を目標に取り組んではおらず、ただ、ミスタッチなく弾く、拍子、リズムに気をつける、この3つくらいだけにとらわれて弾いた場合よくある現象です。しかし、ピアノの楽しみ方⑭でもお話ししたように、「表現力豊かな演奏」をするためには今日して明日できる!なんてことはなく、初歩からの音楽的な演奏、音楽的なレッスンが非常に重要で、コツコツと大事に育てていくことでうまれてきます。
 
しかしながら、積み重ねてきても、教える側がいろいろアプローチしても、やはり音楽的な音を奏でることができない生徒さんもいます。
レッスンでも、確かにリズム・音・拍子・強弱いろいろ出来ていても、なんだか、演奏が機械的でつまらない!なんてことがあります。
例えば、お子さまが、右手と左手の縦の線「右手の弾くべき音と左手の弾くべき音を同時に打鍵すること」が、何回もズレてしまう場合、、音楽的な弾き方の練習以外に私は、「揃える」という言葉の意味の認識を生徒さんにしっかり持って頂くためにこのようなアプローチをします。
 
私「おうちでお手伝いとかしてる?」
 
生徒「していません」
 
私「帰って玄関の靴を脱いだら揃えてる?」
 
生徒「揃えていません」
 
私「じゃあ、~ちゃんは、揃えるという言葉の意味を形にすることから始めようね! まずは、帰って、それから先生のうちにレッスンにきたら自分の靴を揃えてね。それから、食べるときに並べるお箸をみんなに揃えて並べるお手伝い、明日の学校の用意をするときに筆箱の中の鉛筆を揃える、つまり、揃えるっていうことを日常生活からやっていき身に付けようね♪」とお話しします。
 
こうしていく習慣が身に付くことで、ピアノを弾いて縦の線がバラバラで音楽的でない所が、「揃える」という認識を持つようになり、右手と左手がピタッと合うようになって解決したということがあります。もちろん、日常生活で「揃える」という言葉の意味をしっかり脳で認識した後に、ピアノで、その部分だけ何度も「揃える」練習をしたら、できるようになったということです。
 
「揃っていません」と先生からご指摘をもらい、おうちでピアノで同じ箇所ばかり練習しても、「自分では、揃ってると思うし、どうしていいかわからない」というときは、上達しません。
 
むしろ「私は出来てると思っているのに、なんで何回も練習しなきゃいけないの!」と不満の声すら出てきて、脳からドーパミンも出ず、「ピアノ楽しくない!」に繋がっていきます。なので、ピアノを弾く練習以外に「揃える」という行動を沢山行うことで認識します。そうすると、必然的に縦の線を揃えよう!と自分の弾いた音をよく聞く耳を持つようになるのです。
 
また、「綺麗な音ってどんな音かわからない!どれも一緒に聞こえる」なんていう生徒さんへの1つのアプローチのツールをご紹介します。
 
私、やっぱり「お手伝いしたことある?」
 
生徒さん「ないです。」
 
私「じゃあ、トイレ掃除をしてみようか?」
 
生徒さん「えー!やだ、汚いから。」
 
私「(笑)だからするのよ!」
 
生徒さん「なんでトイレなんですか?」
 
私「汚いところから美しくなる瞬間を目で見て感じることが、汚い音から綺麗な音を理解することに繋がっていくから、汚いところでなければならないのよ!」
 
生徒さん「わかりました、やってみます!」
 
私「そうしたら、綺麗な音を弾けるようにきっとなるよ!~ちゃんに言ってしまったからには、私自身も毎日しなきゃね(笑) お互い、トイレを磨いて感性を磨いて、心を磨こうね」とお話しします。
 
ピアノの楽しみ方⑭でもお話ししましたが、イタリア語を学ぶことでピアノが表現力豊かな演奏につながり、全く関係がなかったと思っていたら音楽に繋がりますよと言ったように、今回も、全く関係がないようでとても関係があるのです。
 
小さなお子さまでレッスンをされている方も、「習慣アプローチ」はかなり大切ですから、何か1つ、お手伝いをしてもらうのはいかがでしょうか?
 
私の息子はお風呂の鏡を磨く係りです(笑)
 
くもっている鏡に石鹸をつけ磨きます。流すのは、「綺麗になるって気持ちいいね!」と語りかけながら、一緒に行います。
「お手伝い」と「汚いから綺麗」「習慣」「お約束を守る」などを同時に学べますし、息子は石鹸が好きだったりするので喜んで毎日していますよ♪
そして、靴を揃える練習をしています。「心を揃える」そんな気持ちで。。。
音楽に関係がないようでやはり自分の内面が音として現れるピアノですから、いろいろな側面からのアプローチが非常に重要です。
 
是非、ピアノを習ってらっしゃるお子さまをお持ちのお母様、「お手伝い、1つもさせてないな」とこのコラムを読んで感じたら、思ったら吉日ですから、今から何か一緒にトライしてみてください!
 
ピアノの練習以外の方法での1つのアプローチのツールでした。
参考にして頂ければ幸いです。
 
いつも、心にピアノ&音楽を♪♪
 
いつも読んで頂きましてありがとうございます♪♪

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楳寿 あかり

楳寿 あかり 【音楽教育家】

記事テーマ

「音楽」を10倍楽しく学び続けるために♪

習い事ランキングに必ず上位になる「ピアノ」最近、「ピアノは脳に良い」「人気の習い事だからとりあえず」という理由で始められる方が増えてきましたが、数ヶ月すると、「塾に行って脳を鍛えます」「むいてなかった」「練習がきつい」等の理由で続かない方も。どうすれば、「音楽」を楽しく学び続けていけるのかをいろいろな観点から連載していきます。

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