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ピアノの楽しみ方①ピアノのおけいこを始めるまでに/2014年1月

妊婦ママさんの場合
誰でも妊娠中一度は、産まれてくる我が子に夢を膨らませるものだと思います。例えば「産まれてくる我が子にピアノや音楽をさせたいなぁ」 これは、豊かな芸術性を育てる為にとても良いことです!! 
ここで1つポイントがあります。「産まれてからではなく、お腹の中から音楽に親しむ」ということです。
お腹の中で身体ができてきますが、耳が形成されたら、お腹の中の赤ちゃんは、常に外の音を聞いています。目で外の風景が見られないお腹の赤ちゃんは、耳を頼りにしています。妊娠中はもちろん二人はいつも一緒です。妊娠中のお母さんの環境はとても大事です。
また、これはレッスンしていても感じることなのですが、お母さんご自身が、まずピアノや音楽を好きであること、もしくは、日常生活に音楽が身近にあるかどうかということ、これはすごく大切なことだと思います。音楽はすぐにお友だちになることができます。赤ちゃんや、幼い子どもの心はとてもデリケートです。産まれてくるお子様は、お腹の中から、ピアノに親しみを覚えていれば、この世に生を受けて誕生した後、音楽との第一印象は良いはずです!!
赤ちゃんは、話すことはできませんが、お母さんの話を聞いて理解しています。赤ちゃんや、幼い子どもは、常にお母さんと一緒です。そして、お母さんが大好き!! 
お母さんが「ピアノ大好き!音楽大好き!」と感じながら、ピアノ経験者でピアノをお持ちなら弾いたり。ピアノ未経験者だけど、ピアノの音色大好き! 音楽が大好きなら、好きなミュージシャンの音楽を聞いて、ワクワク、楽しくニコニコしていれば、それは、お腹の中の赤ちゃんや幼い子どもに伝わるものです。対話が音楽を通して生まれます。妊娠中は悪阻などで体調が安定しないこともあるかと思いますので、ご自身の体調の良いときに是非、好きな音楽を弾いたり聞いたりすることから始めてみましょう。
 
産まれてからも、赤ちゃんはお腹の中で聞いた音に安心を覚えスヤスヤ眠るということもあるでしょう。。私の例をお話しさせて頂くと、息子を妊娠中、大好きなバイオリニスト「篠崎史紀さん」のCDを毎日聞いていました。もちろん伴奏はピアノです。悪阻を忘れることができ、心がとても穏やかになったのを今でも覚えています。私の場合は何故か、ピアニストのCDではなく、この方のバイオリンが一番安らげました。出産した何時間か後もずっと聞いて心身共に落ち着き、目の前にいる息子と一緒に、今度はこの世で聞きました。息子はとても気持ちよさそうに寝ていました。きっと毎日聞いてきた音楽なので安心したのでしょう。
今も、息子と私はこのCDが大好き!! 寝る前や二人のリラックスタイムによく聞いています。なんだか聞いていると、心地よい空間が生まれます。これを読んで下さった妊婦ママさんも心が癒され、今の自分にはこの音楽が必要だと思える音楽に出会えますように・・・
0歳から、1歳の赤ちゃんを育児中のお母様の場合
まず、「育児するだけで精一杯」という思い! これは、赤ちゃんを産み育てた方なら一度は思うことだと思います。私も息子を産んですぐは「まさか、こんなに忙しく、大変なこととは!」という感じでした! 産まれてくるまでに想像していた以上のものがありました。そう思っているとなかなか他のことを楽しむ余裕がないと思いますが、子どもと一緒なら、子どもがニコニコしてくれるなら!と「お母さん」というのは頑張れるように出来ています!! まずは、身近なことから実践していきましょう!
 
例えば、赤ちゃんを寝かしているベッドもしくはお布団に、音が出る楽器や、手作りのマラカス、布絵本で音が鳴るものなど、あらゆる音の鳴るものを一緒に置いてみて下さい。もちろん、この場合、誤飲などの危険性のないものをセレクトして下さい。赤ちゃんは、音が出るもの大好きです。
私の例をお話ししますと、マラカスや鈴、タンバリン、おもちゃのピアノは常時側に置きました。
すぐに反応がなくてもしばらく置き続けて、お母様自身が赤ちゃんの隣でそれらで遊んでみたり、赤ちゃんに、「綺麗な音が聞こえるね~」「優しい響きだね~」と語りかけることも大切です。これを継続していくと良いでしょう。
ピアノ経験者のお母様は、この時期は自分の練習時間がなかなかとれないと思います。
私のお話をさせて頂きますと、自身の練習は、ピアノの部屋は普段なら、ものすごく近くにあると感じるのですが、産後は息子を寝かして、そーっと出てピアノの練習をするというのはとてもとても大変でした。なぜなら、息子は、私が側にいないと眠りが浅く、泣いてすぐに呼び戻されていました。それで、考案したのは、枕元に、自分用の電子ピアノを置きました。これなら、息子が泣いてもすぐに気づけますし、音色研究は難しいにしても、譜読みしたり、好きな曲を弾ける! そう思って実践しました。それから、息子が起きている間は、いろんな音色に変えて二人で楽しく遊びました。
これをまず、徹底するだけで自分自身そして息子にとってもピアノがまた身近な存在になったのを覚えています。。。
 
話は戻りますが、生活の中にいつも音楽が身近にあり、音楽が生活の一部にある、これがまずピアノのおけいこを始めるまでの第一歩となると良いでしょう。
2歳から、3歳の幼児のお子様を育児中のお母様の場合
将来的にピアノは指で奏でていきますので、指先神経を鍛えておくことは、ピアノのレッスンが始まっても、とても役に立ちます。
指先神経を鍛えていく方法は、沢山あります。砂場でお団子作り。粘土でも同様にできますね! 鉛筆で音符を書く前段階として、○を沢山書いたり。それから鉄棒、お手玉、おはじき。
私の例をお話しさせて頂きますと、「ヤクルトの蓋を綺麗に上手にはがす」。これは、とても良いと思い毎日実践しています。それからオススメは、お箸を使って、マーブルチョコなど少し大きなものを掴む、そして、別の容器に入れて、「入った分だけ食べていいよ」とごほうびをあげたり。もちろん、チョコではなく、ボーロでも良いと思いますし、ご自身のご家庭に合うもので行ってみて下さい。
お母様も、我が子が箸を使えた!という成長をお子様と感動を共有できる良い時間になるでしょうし、子どもは、ごほうびやお母さんから誉めてもらうことは何より嬉しいものです。しかし、誉めて伸ばすことは良いと思いますが、過剰になりすぎないように心がけることも大切です。
この時期は、とにかく遊ぶことが大好きです! だから、ピアノのおけいこが始まって、「さぁ、おけいこ!遊びじゃないのよ!」と子どもに言っても遊びのほうが楽しいに子どもの心は決まっています!
小学生になった時点で、「さぁ!貴方はもう小学生!遊んでばかりいないで宿題したの?」なんていう会話は、よく耳にしますが、子どもにとって、「遊び・学びは別のもの」と脳が認識していると、「学び」は辛いものとなっていくでしょう。
ピアノのおけいこが始まるとお家での練習が不可欠になってきますから、「ピアノは学びである」と脳が認識する前に、つまりこの年令の時期までには、「ピアノを弾く遊びをする」と脳に呼び掛けができると良いかと思います。
まずは、幼いこの時期に、おもちゃのピアノなどで遊んで、音で沢山楽しく遊ぶことが大切です。
リトミックについても連載中に詳しく書いていきたいと思いますが、簡単に言うと「リズム運動」ですので、リズム感を養う為に、ピアノを弾く前段階として、とても良いと思います。
 
この時期は、「ピアノを弾こう」ではなく、「ピアノで遊ぼう」と声をかけて、毎日少しでも一緒に何かしら音楽に触れておく習慣を身につけることが大切です。きっと、お腹の中から、実践していき続けていれば、この時期は、自分から楽しく音で遊ぶようになると思います。
しかし、音楽以外にも沢山興味が出てくると思います。例えば、動物や乗り物、戦隊物、お人形。それがエスカレートしていくと、「ピアノや音楽」というお友だちの出番が減ってしまいます。ピアノや音楽よりも好きな遊び物ができてしまった場合、子どもは正直に自分を表現するでしょう。
そういった時期でも、例えば乗り物遊びに飽きて、次の遊びを探しているような行動をした瞬間! これを見逃さずに、何かしら音楽を提供してみて下さい。楽器や、CD、マラカス、とにかく、一瞬でもピアノや音楽に触れていくことが、「生活の一部にピアノや音楽がある!」に繋がっていきます。
お母様の日々のコツコツした努力やご自身の頭の中に常にピアノや音楽が存在することで、お子様もやがて「音楽が生活、人生になくてはならない大切なもの」と認識するように繋がっていきます。「継続は力なり」です!
 
子供 ピアノとプール_20131201.JPGのサムネール画像
4歳、5歳児を育児中のお母様の場合
この頃になると、園生活にも慣れて、何か習い事をしたい! させてみたい! そう感じる余裕が生まれてくる方もいらっしゃると思います。
まずは、ピアノのおけいこに通うまでに、お家で上記のことを実践してみてください。それから、5までの数字が確実に読んだり書いたりできること、○を描いたり、塗ったりできること、落ち着いて座って、ひらがなの絵本が1人で読めるようになることなどが、ピアノのおけいこを始めるまでに出来ていると良いかと思います。これは、指番号を読む、拍子がわかる、歌う曲の歌詞が読める、音符を書くこと等に繋がっていきます。お家でピアノのおけいこが始まるまでに確認しておくと良いでしょう。
また、これらのことが出来てないなら、おけいこはまだ早いのでは?!と考える必要はありません。それぞれのペースに、おけいこをして下さる先生がきちんと合わせて下さるはずですので、ご自身が「我が子にはこの先生に習わせたい!」と思って出会われる先生ですから安心して、もし不安なことなどがあればご相談されると良いと思います。
 
「ピアノを弾くこと」。これは、様々な神経を鍛えていくことです。例えば、「プールを習い事でしていたけど、ピアノを始めて、もっと早くからピアノだけしておけばよかった」とおっしゃる方がいらっしゃったら、そんなことはありません。
プールは、全身運動ですので、腕の筋肉、足の筋肉も使うピアノ、役に立たないことなんてありません!
プールをしていた生徒さんがいましたが、初めてピアノを弾くとき、打鍵の力がどの指も比較的強かったな、何回か弾いても疲れたと言わないと感じるケースがいくつかありました。
 
話はそれましたが、ピアノのおけいこを始めるまでに、いろんな習い事や経験を増やしておくことは、とても良いことと思います。
小学生の育児中のお母様の場合
「小学生になってから、ピアノのおけいこを始めたら遅いのかしら?」
そんな質問をときどき受けますが、そんなことはありません。
脳が発達し、運動神経も発達し、身体や心がどんどん成長する時期です。むしろ、今、ピアノのおけいこを始められてとても良いことが沢山あります。
 
ピアノのおけいこを始めるまでに、上記のこと、ちゃんと人のお話が聞けるか、落ち着いて椅子に座り宿題等に取り組めるか等を確認してみて下さい。「習いたい」とお子様がおっしゃる場合は是非、おけいこを始めてみましょう!
お子様に、ピアノを聞かせる時の参考に♪ 海外の有名なクラシックピアニスト
ヴァン・クライバーン
スヴャトスラフ・リヒテル
ウラディミール・ホロビッツ
ヴィルヘルム・ケンプ
アルトゥール・ルビンシュタイン
マウリツィオ・ポリーニ
ダニエル・バレンボイム
マルタ・アルゲリッチ
ウラジミール・アシュケナージ
エフゲニー・キーシン
スタンスラフ・ブーニン
ジャン=マルク・ルイサダ
ラン・ラン
ユンディ・リー
 
是非、素晴らしいピアニストの演奏を沢山聞いて下さい!!
 
ピアノは、楽しい時は楽しく、悲しいときは悲しく聞こえるものです。きっと、いつも、いつでも貴方に優しく寄り添ってくれますよ~♪

Mama's profile/プロフィール

楳寿 あかり

楳寿 あかり 【音楽教育家】

記事テーマ

「音楽」を10倍楽しく学び続けるために♪

習い事ランキングに必ず上位になる「ピアノ」最近、「ピアノは脳に良い」「人気の習い事だからとりあえず」という理由で始められる方が増えてきましたが、数ヶ月すると、「塾に行って脳を鍛えます」「むいてなかった」「練習がきつい」等の理由で続かない方も。どうすれば、「音楽」を楽しく学び続けていけるのかをいろいろな観点から連載していきます。

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