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ピアノの楽しみ方②「ピアノは本当に脳に良い?!」ピアノと脳の関わりについて/2014年1月

ピアノと脳科学って何だろう!?
御存じの方も多いかと思いますが、あるテレビ番組で、著名な脳科学者の先生が「習い事はピアノだけでよい!」とおっしゃったことがありました。私も以前より、ピアノと脳科学の分野はとても興味深く関心をよせていましたので、講演会に聴講に行くこともあります。
今回は、著名な脳科学の先生の聴講に出掛けて帰ってから、私なりにまとめたものを、「ピアノと脳科学って何だろう」と思ってらっしゃる方のために記します。私は、「脳科学者」ではありませんから、あくまで教える立場の知識として必要だと感じたところだけを記します。
ピアノと脳科学の本は沢山出版されていますので、深く関心をよせた方はいろいろ読んでみるのもよいかもしれません。
 
※人はHQ「人間性知能」を高めることで
 
①gf「一般知能」が高いと学業・仕事や社会生活において成功率が高くなる。
 
②未来志向的行動力
将来を見越して夢を実現しょうとする力が向上する
 
③問題解決能力の向上
 
④語らい・言語能力の向上
 
⑤器用さ・運動能力の向上
 
※ピアノを弾くことで
 
①脳の前頭連合野が構造的に発達することで、HQの長期的発達につながる
 
②脳梁が発達することで、左右の脳のバランスがよくなる
 
③小脳が発達することで、機能性や知的機能が向上する
 
④海馬が発達することで、記憶力が向上する
 
ピアノを弾くことは、他のどんな習い事をするよりもHQが高いとグラフやデータなどを用いて講演されていました。
また、発達障害や精神障害にも良い効果がうまれるというお話は大変興味深かったです。高齢者の脳トレにもとても良いそうです。
 
では、いったいピアノを弾くときの人間の身体のメカニズムはどのようになっているのでしょうか。。
ピアノは、一般的にはスコア「楽譜」を目で見て、拍子・音・リズム・メロディなどあらゆる情報を一時的に脳内に保ち、情報を脳で処理・操作し、理解し、指そして、ペダルを使う曲には足にも指令を出し、指先でコントロールしながら弾き、さらにイメージ通りであるか、響きを耳で確かめて、次の音符を追いかけて「先読みして」弾いていきます。
この場合、もちろん脳で考えているのですが、同時に指に考えさせているのです。
運動機能と学習機能が同時に鍛えられることになります。
このような脳の働きを、幼くても、ピアノを弾くことが好きで、沢山弾いてる場合は、長い曲をミスタッチなく完璧に弾くというケースもあります。
これは、かなり集中してなくてはできませんから、脳がかなり鍛えられます。
 
ピアノの上達が早いお子様は、作業記憶能力が発達していると思います。この作業記憶能力を向上させるには、曲数をこなす! つまりは、沢山いろんな曲にふれて、楽しいなと感じながら、曲を知るために、いろんな要素を考えながら練習に取り組むこと!です!! そして、記憶した曲を復習し、弾き続けていくことです。
 
それから、ピアノを弾くということは、フレーズの終わりに脱力をすることで、筋肉の緊張感をほぐし、いざ勝負事があったとしても、力みすぎず落ち着いて行動する力がつきます。また、発想力豊かに練習を続けていく継続性が身に付くと思います。
それから、、他では鍛えにくい、指先の末梢神経の筋肉を強化します。
ある有名な野球選手はピアノをして指先の抹消神経を鍛えたことで、様々な球種を速く覚えることができたそうです。
 
上記のいろいろなことを踏まえるとやはり「ピアノは脳に良い!!」と思います。
 
しかし、ここでポイントがあります!!
一番なくてはならない!!(笑)
そうです、「ピアノを弾いて楽しいなぁ~!!」っていう「気持ち」がないと、脳内にドーパミンがでない!ドーパミンがでないと「効果がない」のです!!  つまりは、「あーピアノだぁ~譜読み嫌だなぁ」「練習嫌だなぁ~」そう考えながら取り組んでも、何にもならないということです!!
しかし、これはピアノ以外にも言えることですね。。。
書きながら、我が身を振り返り、いろんなことを納得してます。(苦笑)
 
話はもとに戻りますが、最近特に、「ピアノが脳に良いと聞いたのでピアノを習いに来ました」と習いに来られる方も確かにいましたが、きっかけはそうであったとしても、私は純粋にピアノや音楽を好きになって欲しいと思っています。。。
本人が楽しいと感じなければ「音楽」にはなりませんから。
あくまでも「脳を鍛える為のピアノ」ではなく、「ピアノを弾くことが好きでたまらなく、弾いているうちに他の記憶力や前向きな姿勢や継続する力が身に付いたことで、お勉強やスポーツ、いろんなことに興味がわいて、様々な豊かな感性が身に付いてきた」となることを祈っています。
 
この「楽しい!」と感じる気持ちの継続!私は、これがいかに難しいかを、ピアノだけに限らず、育児をしていくうえで、それから自分自身の脳のバランスコントロールの難しさをひしひしと感じる今日このごろです。脳のバランスが良いと心は落ち着きを保ち、過ごすことができるでしょう。
 
ピアノを弾くということは、指先で複雑な運動をすることで、右脳も左脳も沢山使うので、脳内のバランス感覚はよくなると思います。心も穏やかにしてくれます。ピアノは、「脳」にも「心のバランス」にもとても良いのです!!!
 
それから、ピアノという楽器、音楽は、継続してこそ、深いとぉ~っても楽しい世界が待っています! それを知ってしまうと、脳のドーパミンも沢山出て、「楽しいな!」が継続し、音楽以外のことを考えていくときも脳がプラス思考で動き、活性化していくと思います。
 
それでは、ピアノを楽しく学び続けていくための紐を少しずつ解いていきましょう!
 
次回をおたのしみに!!

Mama's profile/プロフィール

楳寿 あかり

楳寿 あかり 【音楽教育家】

記事テーマ

「音楽」を10倍楽しく学び続けるために♪

習い事ランキングに必ず上位になる「ピアノ」最近、「ピアノは脳に良い」「人気の習い事だからとりあえず」という理由で始められる方が増えてきましたが、数ヶ月すると、「塾に行って脳を鍛えます」「むいてなかった」「練習がきつい」等の理由で続かない方も。どうすれば、「音楽」を楽しく学び続けていけるのかをいろいろな観点から連載していきます。

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