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遠回しな頼み方が通じない時には

ママのためのぷち心理学

(2025年 春号 掲載)

ママもパパも、日頃から周囲との人間関係には気を遣っていることと思います。たとえば、あまり親しくない人に何かを頼む時、遠慮がちになることはありませんか。よくあるのは、貸したものをなかなか返してもらえない場合。貸した本がいっこうに戻らず、早く返してもらいたい時など、ストレートに「早く返してください」と頼むのは、相手が気を悪くするのではないかとためらってしまいます。

ある人は、本を返さないのは、相手がもう忘れてしまっているからではないかと考え、ヒントを出して思い出してもらうという名案(?)を思いつきました。そして、次のように言ったのです。

「以前に貸した本、返してもらうのは別にいつでもいいですよ」。

すると、相手は、その発言を言葉通りに受け取り、結局本はいつまでも返してもらえませんでした。

これは、私が以前に行った誤解の調査で得た報告ですが、よく似た例はけっこうあります。つまり、遠慮や気遣いから遠回しな頼み方をすると、意図が伝わらないことがあるのです。はっきり頼むことを「直接要求」、遠回しに頼むことを「間接要求」と言いますが、大人どうしのコミュニケーションでは、直接要求をすることに抵抗を感じがちです。

職場での次のようなエピソードもあります。ある上司が、給湯室に洗っていない湯飲みがたくさん放置されているのを見て、部下に洗ってほしいと考えました。そして、「使った湯飲みがたくさんあるね」と言ったところ、部下は「そうですね」と答えただけで終わってしまったということです。

日本のコミュニケーション文化は「察し」の文化だと言われ、その時の状況や相手との人間関係などから、言外の意味を推し量ることが多いものです。でも、世代や環境によって、察しが通用するかどうかは違ってきます。

そこで、遠回しな頼み方が相手に通じないと感じたなら、不満を飲み込んでしまうのではなく、「はっきりと、しかし丁寧に」伝えた方がよいでしょう。

冒頭の例で言うと、「お貸しした本が急に必要になったので、明日にでもちょっと戻していただけませんか」といった言い方をすれば、相手の気分を害することもなく、すみやかに本が戻ってくるでしょう。

 

三宮真智子先生

大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了。学術博士。“どうすれば本当に賢くなれるか”というテーマで、コミュニケーションと思考の関連についての研究に取り組んでいる。一般向けの著書として、『メタ認知:あなたの頭はもっとよくなる』(中公新書ラクレ)などがある。専門は、認知心理学、教育心理学。

三宮真智子

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