ママのためのぷち心理学
赤ちゃんが1歳頃になると「ワンワン」「ブーブー」といった聞き覚えのある言葉を真似してママやパパに話しかけます。たとえば、子犬を指さして「ワンワン」と言い、ママやパパは、「そうね、ワンワン可愛いね」などと答えます。そのうち、子どもたちは、どんどん語彙を増やしていき、親子のコミュニケーションを楽しめるようになります。
そうした中で、ワンワンやブーブーといった赤ちゃん言葉を使うことに少し不安を覚えるママやパパもいるかもしれません。
「赤ちゃんには、言葉をきちんと覚えさせるために、初めから大人の言葉(ワンワンではなくイヌ)を教えた方がよい」といった意見を耳にすることがあるためです。
赤ちゃん言葉は、よくないのでしょうか?いいえ。実は、子どもたちが言葉を覚え始める段階では、赤ちゃん言葉には大きなメリットがあるのです。

まず、赤ちゃん言葉は直感的に理解しやすいという点があります。たとえば、ワンワンやニャーニャーといった呼び方は鳴き声を表すため、「イヌ」や「ネコ」よりも断然わかりやすいでしょう。そして、まだ舌がよく回らない幼児にとっても、発音しやすいのです。さらに、同じ音の繰り返しを含む言葉(ワンワン、ニャーニャー、ブーブーなど)は、とても覚えやすいのです。
あるものを「実際に出ている音」で表す言葉(擬音語)のほかに、実際には音が出ていなくても、状態や動作を「それらしい音」で表す言葉(擬態語)があります。たとえば、ツルツル、キラキラ、ピョンピョン、モグモグといったものです。
特に動作を幼児に伝えたい時には、擬態語を使うと伝わりやすくなります。「飛び跳ねて」よりも「ピョンピョンして」の方がわかりやすいですね。それは、動作のイメージと音とが結びつきやすいためです。
幼児が動作を表す言葉(動詞)を学ぶ際には、こうした擬態語が大きな助けになることを、心理学者の今井むつみ先生たちは実験によって確かめました。
自転車に乗る練習をする時に使う補助輪のように、赤ちゃん言葉は大人の言葉を覚えるための補助輪のようなものです。大人の言葉への移行は、ごく自然に起こりますから、心配しなくても大丈夫です。


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