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ワクチンの歴史

予防接種 教えて!ドクター

(2014年 秋号 掲載)

ワクチンの歴史は人類の感染症との戦いの歴史です。人類は200年の間、何人もの先達者が感染症との戦いに挑み続けて、いくつものワクチンを作り出し、世界の人々の健康を守ることに貢献してきました。今回は、その扉を開けたジェンナー、パスツール、北里柴三郎のお話をしたいと思います。

手探りの時代…
"種痘の父"ジェンナー

天然痘は、エジプトのミイラに痘疱の痕跡が認められたという古くから記録に残されているウイルス病です。天然痘は恐ろしい病気で致命率は約30%。患者は命をとりとめた後も、一生醜い痘痕や視力障害などの後遺症で苦しみました。

ジェンナーの生まれた18世紀のヨーロッパでは、100年間で6千万人もの人がこの病気で命を落としていました。当時のロンドンでは、実に人口の3分の1が天然痘の傷跡を背負っていたといいます。
その頃、ジェンナーは外科医の修業時代に農家の女の人から聞いた「牛痘にかかった人で、天然痘になる人はいませんわよ。」この言葉がずっと心に残っていました。牛痘は人にも感染しますが大きな毒性はありません。ジェンナーは動物の病気を人に感染させることで天然痘が予防できるのではと考えたのです。ジェンナーは18年にわたって研究を続け、牛痘を使って天然痘の予防接種に成功しました。

ジェンナーの成功は「似た弱い病気を起こす牛痘を人為的に感染・発症させて、恐ろしい天然痘を予防することに成功した」と言い換えることができます。彼の成功に倣えば、他の感染症でも天然痘における牛痘のような、似た弱い病気を起こすものがあれば、それを使って弱い病気を起こしておけば、目的の感染症を予防することができるはずです。しかし、この現世では、似た弱い病気は簡単には見つかりません。ジェンナーの成功から100年近くの間に、他の感染症を予防するワクチンは開発されることはありませんでした。

"狂犬病ワクチンの開発"
パスツール

こうした中で、1870年代の後半からルイ・パスツールが感染症分野に大きな役割を果たしました。パスツールは、我々の周辺環境から似た弱い病気が見つからなければ、強い病気を起こすものから弱い病気を起こすものを人工的に作り出し、ワクチンとして使えばよいと考えました。いわゆる「発想の転換」です。その後のワクチンの主流の1つは、パスツールの発想を個別に実現したものです。科学としての免疫学はパスツールから始まりました。
パスツールは、狂犬病の病原体をウサギの脊髄に接触して発病させ、この脊髄をすりつぶして次の健康なウサギに接種を繰り返すことにより、病原体の感染力を弱めることに成功し、弱毒狂犬病ワクチンを開発しました。これを機として、パスツールは100年前のジェンナーの功績を称え、雌牛を意味するラテン語「Vacc」を用いた「vaccine」という言葉を一般化したと伝えられています。

日本の近代医学の父
北里柴三郎

明治時代、近代化の道を歩む我が国の医学会に欧米人を凌ぐ業績をあげる医学者が出現しました。北里柴三郎です。北里はドイツのコッホのもとで破傷風※1の純粋培養に成功し、その後、ジフテリアに対する血清療法※2を発表しました。ジフテリアは激しい咳や発熱を伴う、小児に恐ろしい感染症ですが、現在の若い人たちには全く馴染みのない病気になっています。それはもっともなことで、我が国ではほとんどジフテリア患者は出ていません。ジフテリアがほぼ完全に抑え込まれているのは、ひとえにワクチンの予防効果によっています。
現在使われている4種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風・不活化ポリオ)の中の2つの菌をみつけワクチン作製に大きく寄与したのは北里の業績によるものが多くあります。

※1 破傷風:
土中に潜伏し傷口から侵入し痙攣や呼吸困難をおこし命を落とす
※2 血清療法:
病原体が毒素にさらされた動物の血中で作られた抗体を治療に用いる

1977年ソマリアで報告された患者を最後に天然痘の発生は途絶えました。かつて世界中を覆い尽くした恐怖の感染症は、地上から姿を消したのです。1980年5月8日、世界保健機関(WHO)は天然痘の根絶宣言を発表しました。人間の科学はワクチンにより200年のうちに1つの病気を地球から永久に葬り去ったのです。
今回の3人の方以外にお話しすべき方は、何人もおられますが今回のお話から先達者たちがいかに感染症と戦い、その戦いの結果から作られたワクチンにより現代の私たちが守られていることを少しでも知っていただければ幸いです。

※もっとワクチンの歴史を知りたい方は、岩波書店発行「ワクチン学」山内一也・三瀬勝利著や、医学書院発行の「まんが医学の歴史」 茨木 保著がおすすめです。

落合仁先生

落合小児科医院(三重県亀山市)。昭和56年名古屋保健衛生大学医学部卒業。昭和62年三重大学大学院卒業。平成2年落合小児科医院開業。「日常診療からの研究」をテーマに多職種連携の「和」をもって地域の小児医療の充実に取り組んでいます。

落合仁

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